頼近美津子さんのお別れ会 | 辰巳琢郎オフィシャルブログ「道草日記ーTakuro’s Michikusa Daysー」by Ameba

頼近美津子さんのお別れ会

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アップしようかどうしようか迷ってたんですが、マスコミ報道もだいぶあったようなので、やっぱりしちゃいます。

一昨日、お茶の水のカザルスホールにおいて、故頼近美津子さんのお別れ会、と言うかコンサートが開かれました。事前にはどんな方が出演されるかのアナウンスはありませんでしたが、幼い頃からクラシック音楽に親しまれ、またコンサートプランナーとして活躍されて来た頼近さんの為に集まったミュージシャン達、それはすごい顔ぶれでした。

若手の代表格は、辻井伸行君に五嶋龍君。お二人の生の演奏を聴くのは初めてでしたが、抜群のテクニックに若い感情が溢れ、聞き応え十分。会場は悲しみに包まれました。

本人からも聞かされていませんでしたが、なんと古澤巌君も登場。確か16年前、僕のデビュー10年目のパーティーでも彼に弾いていただいたのですが、その時に駆けつけて下さった頼近さんの若く美しいお姿が、ありありと甦りました。
何百回となく聴いている古澤巌のヴァイオリンですが、これだけのメンバーの中でも彼の音色は最高。いつもとは一味も二味も違う『チャールダーシュ』は、一際聴衆の心を捉えていました。

大とりはまさかまさかの小澤征爾さん。14人しかいない小さなオーケストラを、10倍ぐらいに感じさせるそのパワフルな指揮はマジックそのもの。まさに天上の音楽でした。この一枚はその直後の空気を写しとっているんですが、わかります?

実はこのコンサート、開演ギリギリに到着したせいか、通された席は真ん中のブロックの最前列。最初は緊張していましたが、すぐに引き込まれて、頼近美津子さんが企画された最後のコンサートを(司会だけはご本人でなくの軽部アナで、少しアレッでしたが…)、心ゆくまで堪能させていただきました。

途中、拍手は一切なしのコンサートでしたが、総てのプログラムが終了後、観客一同から頼近さんへ、お疲れさまの惜しみない拍手が捧げられました。これまで、どんな舞台でも経験したことのない、溢れるほど気持のこもった、いつまでも鳴り止まない拍手でした。