小野　龍海’ｓ　歴史塾五代目の小野小町（小野吉子）の末裔が先祖である小野小町の実在性を証明する為に始めた歴史研究の成果を公表する為のホームページになります。

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　前回の「原文」を読むと分かったと思いますが、ひらがなの意味を考えるだけで相当時間が取られたと思います。

　私も手がかりが無ければ、そのままスルーしようかと思っていましたが、熊野の本地にも同じ伝承があり、熊野を最初に開いたのが「龍宮」だと分かった後なので、当然、偶然では無いわけです。

　同じルートからもたらされた情報ですから、当然、その意味は重要さを増します、内容的には「既に神話」になっている感じがありますので、龍宮から聞いた時には「神話」として聞いていたと考えられます。

　サカ族がインドへと来たのは二世紀頃とされていて、実は日本におけるシャカ族との接続と親和性を見せています、そうなるとシャカムニブッダとの整合性がとれなくなるのですが、もしかするとお釈迦様と呼ばれる人物も二人いるのではないかと、これまでの経験から疑いたくなります。（仏教を興したのは二人目かな？）

　仏教の経典には少し抵抗があるので、まだ読んだ事が無いのですが、この部分を明らかにしようとするなら、避けては通れない道になりますので、いつかは突入するのだと思います。

　今はまだ神社やお寺に伝わる伝承だけで、全体像は見えそうなので、「弁当箱」を用意するので「中身」は後輩に託すという選択肢もありえます。（ナマケモノなだけですね（笑））

　とう訳で、『厳島の由来』の解釈に突入しましょう！

「も、お骨を揃え並べ給いて、絹ひき被け（かずけ、意味：頭の上から蔽う）、壇（だん、意味：祭祀のために一段高くしつらえた場所）を拵（こしら）え、ほつろ（発露、意味：現れ出る事）体給し、完」

龍海：文自体が途中からなので、分かりにくいですが、死んだ人を復活させる為の儀式をする為に、祭壇を設け、骨を並べ、体が再び現世に現れる準備を完了したのだと思います、最後に漢文のような表現があるので、原文は漢文だった可能性があると思います。

「壇を仕立てて行い給う。日数重なり給えば、余りの御ゆかしさ（意味：しとやかで気品がある。）に、二百日行い給うを待ちかね給いて、百九十七日だと言うのに、上の絹引き除けて見給えば、元の御姿に少しも変わり給わず、尊瀕（意味：尊ぶべき人になろうとする。）として御髪（くし）は肩の周りにほうぼう（アチコチ）とお光り給えるを、御師起こしたてまつる。」

龍海：この死者がよみがえるという神話はあらゆる宗教において伝えられていると思います、それもそのハズで、原点が全て同じ（たぶん日本人が伝えた）だからなのですが、現代人で肉体まで戻る事を信じる人はいないでしょう。（物理法則にそぐわない）

龍海：しかし死んで２，３日後に生き返った話は、この話に限らず江戸時代でもある通りで、かなりの事例があります。（モチロン近代でもあります。）

龍海：私は医療機関にいたことがあるので、脳細胞は５分ほど酸素の供給を断たれると壊死する事を知っていますので、たった５分でも呼吸が止まると、脳細胞が壊死し蘇生したとしても障害が残る可能性がある事を知っています、その上で２，３日も呼吸が止まっていたなら、生前通りに蘇生する事は不可能だと言わざるを得ないのですが、実際にはその事実は「起こる事がある」と言わざるを得ません。

龍海：その場合には細胞を保存する「何かがあった」としか言いようがなく、「神」の存在の関与を全ての人が受け入れざるを得なくなるんだと思います、物理法則に干渉できる存在が「神」ならば、私はソレは「ある」とは思って居ますが、それが「善」なる者とは限らないとも思って居ます。（笑）

「頃は九月十四日の丑の時（御前１～３時頃）とかや。善財王斜め（なのめ、意味：普通）ならず悦び給いて、大王、后、諸共に、古（いにしえ）の御物語とも語りおわしまして、互いに御涙にむせび給いける。
　そぞろ（何ということもなく）に哀れ（感動）ぞ勝りける。さても、大王は峰の薪を樵（こ）り給へば、后、王子、諸共に谷の水を産霊（むすび、意味：霊威を生ずる。）、御聖のご恩の送り（ご恩への恩返し）給う。その時上人宣（のたま）うよう、「此国には凡夫の容易く住む世界にても候わず。神通（超人的な不思議な力）飛ぶ車に乗せ帰り給うべし」と有りければ、善財王、后喜び給いて、御車に召され（呼び招かれた）けり。」

龍海：この文に復活の儀式が「古（いにしえ）の物語」（二千数百年前から見て「いにしえ」）とある事からも、超古代から伝わる話だと理解出来ます、その上で「肉体」は別としても「誰か復活した」事は確実にあったのではないかと思います。

龍海：この王子は「キリスト」のような立場であると考えると、その母親は「聖母マリア」となりますので、描写の様子がそんな雰囲気を持つのも、日本人の転換期に現れる「聖人」の誕生時には「同じような事が起こる」という可能性を感じさせます。

龍海：神話や宗教として語られる「復活譚」は一度や二度などではなく、定期的に起こっているのではないかと推測させます。

「聖、御間居（まおり＝かんきょ、意味：世俗を離れた住処。）よりみつの剣を取りい出し、「此の剣留まらん所を住処と定め給うべし」とて、南に向かってなげ給えば、一つは龍宮城とに留まり給う。一つはシャカライ国へ飛び給う。改めて内裏を作り入れ奉る。しばし住ませ給う所に、善財王いかが思しめしけん、后の御妹に思いつき給いて、元の后の御事を継ぎになし給いけり。]

龍海：母親を復活させた聖（ひじり）が「みつの剣」と書いている何かを投げた事は分かりますが「三つの剣」なのか「密の剣」なのか、飛んだ先が二カ所なので、よく分かりません、「けん＝剣」なのかも判然としませんが、布都御魂剣の例もある通りで霊剣もあったと思いますので、ここは普通に「剣」としておきたいと思います。

龍海：聖の居た場所が問題となりますが、聖人がいたのは「かいらい国の水晶のむろ」と描写され、そこは「きまん国の南へ九十日行った所」と描写されています、きまん国は存在していて『きまん国物語」とする本が伝わっており、かつ「貴船の本地」とある事から、貴船神社と関係している事も分かります。

龍海：きまん国は鬼の住む所とも書いていますので、「きまん国人」が「鬼」だと知る事が出来ます、検索すると、「？‐前478年。前11世紀末，周武王が，舜の子孫の嬀満（きまん）を宛丘(河南淮陽県)に封じた国。春秋時代には12の有力諸侯の一つとしてかなりの地位を保っていたが，前7世紀以降，侯位相続をめぐる内乱がたびたびあり，しかも楚･斉･晋の間にあって，その圧迫に苦しみ，前531年楚の霊王に滅ぼされた。」と出てきます。

龍海：おそらくこの「嬀満（きまん）」の興した国が「きまん国」だとすると、その場所は、

龍海：仮に１日２０ｋｍ（古代の移動距離は１日１０～３０ｋｍをベースとして）移動したとすると、９０日で１８００ｋｍとなります、そこで地図上で確認すると、

龍海：このように中国の南の端となってしまいます。

龍海：この位置から南へと投げたのなら、龍宮もシャカライ国も「西沙諸島」とか「海南島」または「フィリピン」にあったと考えなければなりません、では「きまん国」の位置が違うのか、「南へ」というのが違うのか？、はたまた全てが違うのか？、この辺りが伝承の面白いところです。

龍海：他の人なら「嫌になる所」ですが、謎を解いてきた側の者としては「そう伝わるには意味がある」と後からなら分かる事が殆どなので、解いてしまえば理解出来るのだと思います。（現時点では不明）

龍海：「きまん国」に関しては正しいと思います、何しろ日本人の系譜である事が書いていますし、「きまん国物語」が伝わっている時点で、日本へと戻っている事は確実だろうと思います。（鬼と呼ばれる部族も一緒に来ている！）

龍海：京都の貴船神社と直島の貴船神社とで「祭神が違う」ことが気になってはいましたが（京都から勧請した訳では無いと考える）、ここでその知見が生きてくるのです、瀬戸内海には他にも貴船神社が何故かあるので貴船神社の痕跡を辿ると「鬼の移動ルート」を知る事が出来ると今なら確信しますね。（笑）※鬼の一族は王権と仲良くした者は「貴船」となり、逆らい続けた者達が「鬼」となった可能性が疑われますね、そして龍船を造り漕ぎ手となったのは「鬼の一族」なのかも知れません。

龍海：そしてこの物語は「ワールドワイド」な物語で日本へと入る前の記憶を伝えている事は間違いないでしょう、となると「全文」を解読しないといけないでしょうね～（泣）、私は意味がとれれば良いので「作業が早い」のですが、本職は「正確性」に拘る（他の研究者から批判されるのを恐れる）ので、何をするにしても作業が遅いことになります。

龍海：とりあえず、初回の考察を終わりたいと思います。

　龍海

読みやすい『厳島の由来』を元に考察を加えます。