桜の蕾、もうすぐ春だね。
境内に春の鳥が響く。
とても長い間、
お参りする人たちを見守ってくださって、
形を失いつつあるお稲荷様。
形を失いつつあるお姿を
残すのではなく、
きれいなお姿でなら、
撮影を許していただけるかな。
光が、こんな風に、
弧の輪郭となる理屈は分からない。
もうすぐの、君の誕生日のことを考えたら、
懐かしい君のマリンバの演奏が、脳内で再演されて、
音色とともに、楽器の縁が一瞬、
虹色の光で煌めいた。
驚きとともに、
もう一度見たいと思ったけど、
それはもう、なぞる記憶で、
自然に浮かんだものではない。
仏壇の前で、
また、見られるかなと、目を閉じた。
目をとじた暗がり中に光の模様が浮かんできて、
それは上空から見た海岸線になって、
きらきらと輝いていて、
心の中で、しばらく魅入ったけど、
それも、再現はできない。
心に浮かぶものは、一期一会。
いや、写真からこぼれている見ているものも、
一期一会かな。
今日も、
君に、君たちに、
ありがとう。
おかげさま。