「あまちゃん」から観るアイドルとは | AKB48、とある地方ファンの呟き

AKB48、とある地方ファンの呟き

とあるきっかけからAKB48のファンになりました。地方ファンの立場からいろいろと思ったことを綴っていきます。

現在、NHKで放送中の朝の連続テレビ小説『あまちゃん』
実際にご覧になってる方も多いと思います。

先日のMJでAKB48の被災地訪問では、
渡辺麻友さんたちAKB48のメンバーがロケ地を訪れる場面も放送されていましたね。
(ロケ地は岩手県・久慈市ドラマ上は北三陸市という架空の町)

かくゆう自分も出勤前に観るのが日課となっています。
8時からの総合は観れないので、7時半からのBS放送を観ています。
(その前の『純情きらり』も好きな作品だったので併せてみています)

子供の頃から朝ドラを観るのがほぼ週刊となっていた自分から観て
『あまちゃん』は実に朝ドラらしい、朝ドラだなって思います。
ブラスバンド風のオープニングテーマを聞くと不思議と高揚した気分になります。

最初は女子高生が海女さんになって、町おこしを・・・ていうストーリーかと思ってたんですが
(そういえば数年前、美人過ぎる海女さんってネットとかニュースで話題になってたなあって思い出しました。

このドラマでは「アイドル」というのが大きなテーマとして取りあげられています。
主人公の天野アキ(能年玲奈)と足立ユイ(橋本愛)の2人は「潮騒のメモリーズ」というユニットを組み、いわゆるご当地アイドルとして、彼女たち目当ての観光客も続々とやってくる状況。そんな中、考古学の研究ということで、北三陸に来ていた水口琢磨(松田龍平)が東京の大手プロダクションのスカウトマンだという事実が判明します。

田舎暮らしが嫌で、東京に憧れる上昇思考の強いユイと、東京では暗く目立たない子だったが、北三陸の人々と触れ合いを通じて、明るさを取り戻すアキ。紆余曲折はありましたが「今しか出来ない」ということで上京を決意する2人。周囲は大反対でしたが、2人の熱意に打たれるかたちで2人を送り出す・・・っていうのが現在までのストーリーです。

今後、このドラマを語る上で重要となってくるのが、水口の上司であり、有名プロデューサー通称「太巻」こと荒巻太一(古田新太)が掲げる「GMT47」プロジェクト。
GMT47はGIMOTO(地元)の略で。47都道府県のご当地アイドルを東京に集結させてユニットを作ろうというなんとも大掛かりな計画です。
(ドラマの中では上野と品川に劇場を作ってライブをさせるような話も出ていました。東の玄関口が上野で、西の玄関口が品川ということらいいです)
そもそも半年以上もスカウトマンを現地に派遣している時点で、随分大掛かりだなって思うし、オーディションを行った方が手間がかからないのになあって思ってますが、そこはまあドラマの世界なので。

作者は否定しているらしいですが、太巻はどことなく秋元Pを意識して描かれています。そもそもGMT47というネーミング自体が、AKB48をオマージュ、模倣しているのは明らかです。
このドラマにはアキの母親役として小泉今日子さんが出演されていますが、彼女自身は80年代を代表するアイドル歌手であり、このドラマでは実在のアイドル(松田聖子・モーニング娘。等)の名前は出て来ますが、彼女の名前はもちろんありません。当時を知る世代から観れば、一種の違和感を感じる部分ですが、一種のパラレルワールドとして捉えればいいのかと思います。(今後登場する、鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)も架空の人物ですが、薬師丸さんといえば角川映画のヒロインを数多く務めた女優さんです)

昔の映画や歌番組なども随所に挿入されており、どこか懐かしさを覚える演出となっています。脚本家の宮藤官九郎さんは数々の有名ドラマを手がけていますが、数多く貼られた伏線と、分かる人には分かる小ネタに思わずニヤリとしてしまうことも
(30~40代くらいの世代で80年代のアイドル全盛期を知ってる人間には心憎い演出となっています)

小泉今日子さんがドラマの中で『潮騒のメモリー』を歌う場面がありました。自分にとっての小泉今日子さんはアイドルっていうより歌手のイメージが強いです。1991年発売の『あなたに会えてよかった』はミリオンセラーであり、彼女にとっての代表曲といってもいいでしょう。
ドラマの中で久々に彼女の歌声を聴いて、どこか懐かしさを感じた人も多かったのではないでしょうか。

AKB48自体も登場人物の台詞の中で「あの人数の多い・・・」「秋元某・・・」と出て来ていますので、ドラマの中でも実在するグループとして描かれているようです。ドラマの時間軸でいうと2009年夏といえば、第1回の総選挙があって、『言い訳Maybe』が発売された頃。初めてオリコン1位を取るのが次の『RIVER』ですから、当時はブレイク前で全国的な知名度としてはまだまだ低い状態でした。
(当時放送の『週刊AKB』の企画で、前田敦子・篠田麻里子・小嶋陽菜の3人が原宿を歩いていてもほとんど気づかれなかったくらいですから、今から考えると隔世の感があります)

ドラマの舞台はこれから東京に移るようで、全国から集まったGMT47のメンバーとして、アキはAKBでいう”選抜メンバーを目指す”という展開が予想されます。

大島優子さんが出演するのでは?という噂がありますね。実際のところどうなんでしょうか。その時はやはり本人役としてでしょうか。
(朝ドラでは、将棋の羽生名人や競馬の武豊騎手が本人役で出演なんていう前例もありますし、ない話ではないと思います)
アイドルを描くということでそこの中にAKB48がどう絡んでくるのかが見所です(その辺りは大人の事情で手が加えられる可能性もあり得ますが)

このドラマの魅力はいろいろありますが、一番大きいのは主演の能年玲奈さんだと思います。
清涼飲料水のCMにも出ていますが、透明感のある笑顔がアイドルっぽいなあと思います。
彼女の友人ユイ役の橋本愛さんは正統派美人系と2人の対比も興味深いですね。
(入山杏奈さんにも似てるような気がします)

いかにも自己顕示欲の強いユイに対して、「みんなを喜ばせたいから」という純粋な理由でアイドルを目指すところも好感が持てます。



『あまちゃん』は時系列では2008年夏から始まり、現在は2009年の夏です。
ということは2011年の3月11日もいずれやってくることを示唆しています。
あの震災をどのように描くが、このドラマの最終目的となっているような気がします。
ご当地アイドルが上京し、故郷に錦を飾るというのはベタな展開かもしれませんが、
ドラマは9月まであるので、どんな展開となるか引き続き追って行くつもりです。

ずっと書きたかったネタでしたが、総選挙などあり、ちょっと落ち着いてからと思ってこのタイミングとなりました。


最近、アイドルってなんだんだろうなあって考えることが多くて、いい歳した大人が年端のいかない子たちを応援するっていうのは、端から見ればおかしな光景かもしれません。AKB48劇場で行われる生誕祭を観て思うのですが、ファンあってこそアイドルは成り立つと思うし、被災地訪問の光景で子供たちが喜んでいる笑顔を観るとこっちもほっこりとさせられますし、アイドルの存在意義というか、アイドルとは人々を元気づける存在であるということを改めて認識することができます。
『あまちゃん』がアイドルという存在をどう捉え、描いていくのかも注目したいです。