「カーネーション」 第26回 | たっちん日記

「カーネーション」 第26回


小原家。


ラジオから流れているのは「きよしこのよる♪」。

居間で料理の手伝いをする静子達。

この子らも成長してきたんですね。

そこに八重子が訪ねてきます。

おっ、清子が喋った。


2階の部屋。

糸子から結果を聞く八重子。

わざわざ訪ねてきてくれて、ええ人やなあ。

これ、どない?と、袖が振り袖になったワンピースのデザイン画を見せる糸子。

そらまた何で?と笑う八重子。

普通やって言われたよって、どっか変わってた方がええんかなあ思てと答える糸子。

はよ持っていかな、他に先越されてまう!と、かなり焦っています。

焦る糸子。

そないびっくりするぐらい変わってんでええんとちゃうん、百貨店の店員さんがそんなびっくりするぐらい変わってる服着てたら、安心して買い物できへんわと言う八重子。

支配人は制服は百貨店の顔やて言うちゃったわ、そら、顔て考えたら、あんまし変わっちゃってもまずいかもしれへんなあと考える糸子。

いろんな格好のお客さんの中で、ぱっと目について、この人に案内してもろたらうれしいなとか、この人から買いたいなとか、そういう服ちゅうんがあるんとちゃうんかなとアドバイスする八重子。


[そういえば、うち、昨日-]

[回想]

和服姿の女店員に案内される糸子。 

[店員さんの事ずっと見ちゃったけど、正直そないええとこに連れてってもらえそうな気はせえへんかった。そやけど、あれが-]

洋服の制服姿の女店員に案内される姿を想像する糸子。

[もっとうれしなるような、ええとこに連れてってもらえそうな後ろ姿。]

そうや!閃く糸子。

[どないしたら気に入られるやろうて考えてたから、しんどかったんです。うちがうれしなる服を描こう。見てるだけで楽しなって、話しかけたなる、ついていきたなる、そんな服を描こう。]

ペンを走らせる糸子。


夜。

机に向かい洋服の絵を描く糸子。


明け方。

デザインが完成します。

襖をそっと開け、出来たんか?と尋ねる善作。

善作の姿にちょっと驚きながらも、うん、でけたと答える糸子。

見せてみいと言い、部屋に入ってくる善作。

え?けど、洋服やでと言う糸子。

わしが見せてみいちゅうてんじゃ!黙って見せんかい!と、まだ寝ている子供達を起こさないよう、小さな声で怒る善作。

デザイン画を取り出し、善作に見せる糸子。

絵を見る善作。

同じ糸のもんやさかい、わしにも洋服は分かると言っておきながら、感想は“ふ~ん”だけかい!笑

しかし、何や、かったるい話やな、さっさと見本を作ったったらええやないけ、こんなちょろちょろした絵見せられるより、現物をやな、これですっちゅうて、ば~んと見せられた方がよっぽどおもろいでと言う善作。

うん、ほんまやな、そっちの方がおもろいわと同意する糸子ですが、作るには生地代や時間もかかるし、あかんかったら丸損です。

そら、賭けやなと言う糸子。

けど、そっちの方がおもろいでと言う善作。

お父ちゃん、生地代ある?と尋ねる糸子。

ない!(きっぱり)笑笑


大きな木箱を取り出してくる糸子と千代。

[そんな時の奥の手がこの箱です。うちらが神戸箱と呼んでいるこの箱には夢みたいな宝物がようさんしもてあります。-]

箱の中から派手な帽子やおかしなお面を取り出す糸子と千代。

[全部、神戸のおばあちゃんから送られてくるプレゼントやらお祝いやらで、どれもこれもごっつい素敵なんやけど、使いみちがありません。おばあちゃんはいまだに何も分かってへんのか、はたまた全部分かってやってんのか、とにかく、まあ大概は妹らの文房具に化けたり運動靴に化けたりします。]

千代さん、お面を見て、あらお父ちゃんて言うたな。笑


質屋。

[心斎橋の質屋を2軒、道具屋を2軒回って-]

神戸のおばあちゃんからのプレゼントを質入れする糸子。


生地屋。

[生地屋は10軒ぐらい回って、その日見た中で、3番目くらいにええ生地を買いました]

買う決める糸子。

[それが精いっぱいでした。]

一番ええ生地じゃなくって3番目っていうんがリアルですね。

わずか数十秒のシーンで質屋や生地屋のセットもこしらえて、丁寧やなあ。


小原家。2階の部屋。

生地を広げる糸子。

よし!生地に型紙を合わせ、ハサミで切り始めます。


夜。

生地を縫い合わせる糸子。


妹達はすでに寝ています。

生地にアイロンをかける糸子。

かたわらにはお握り。

おばあちゃんが作ってくれたんやろなあ。


明け方。

洋服の胸元に大きなリボンを縫いつける糸子。

これで完成です。

[よう考えたら、丸2日寝てませんでした。]


作った洋服を着て鏡を見る糸子。

ええんちゃう?フッと微笑みます。


居間。

朝食の時間です。

なあ、見て見て!その姿をみんなに見せる糸子。

うわ~!千代や妹達から歓声が上がります。

こんな人、百貨店にいちゃったら、何や話したなるやろ?ついていきたなるやろ?と聞く糸子。

なるなる!と答える一同。

お父ちゃん、どない?と聞く糸子。

お前な、そのまま着ていけ、支配人の目の前にそれ着てば~ん出て行ってやな、「これです」言うちゃれ!その方が話早い!ほんで、おもろい!とアドバイスする善作。

うん、そやなあ!笑顔になる糸子。

[さえてる。さえてるわ、お父ちゃん。案外、洋服屋のんが向いてんちゃうやろか。]

人の事やったら的確なアドバイスができるのに、自分の商売はさっぱりなお父ちゃん。笑

もしかして、小原呉服店を小原洋品店に変えるつもり??


木岡履物店。

靴売ってほしいと保男に頼み、ついでにつけに頼むわ糸子。



通りを行く糸子。

[ほんな訳で、うちは初めて自前のハイヒールで、岸和田商店街を歩く事になりました。根岸先生は言うてた。]

[回想]

堂々としなさい、洋服を着て胸を張って歩くという事をあなたの使命だと思いなさいと言う根岸。

[脚寒いけど、うちは負けへんで!]


心斎橋百貨店。

この前の女店員に、おはようございます!と挨拶し、店内に入る糸子。

糸子の姿を目で追う女店員。

店の隅でコートを脱ぐ糸子。

和服姿ん時は分からへんかったけど、尾野さん細っ!

洋服姿の糸子を見る女店員。

あ、そや…、女店員に近づき、どないですか?お宅らの制服にと尋ねる糸子。

襟と袖とベルトが白で、胸にリボンが付いた紺色のワンピース。

ええわあ、うちも着たいですと微笑む女店員。

おおきに!おおきに!と頭を下げ、よっしゃ!ほな、行ってくら!と気合を入れる糸子。

行ってらっしゃいませ!と微笑む女店員。

ええ子やなあ。

エレベーターの前で花村が来るのを待つ糸子。

上へ参ります、上へ参りますの声が何とも言えん。

[そろそろ降りてくる時間やな。あかん、緊張してきた。せっかく作った見本や。一番格好よう見せな。着てるうちがしみったれちゃったら、元も子もあらへん。胸張って。あかんかったらどないしよう。]

深呼吸をする糸子。

[胸張って。]

目の前を横切る花村。

あ…こんにちは!小原でございますと声をかける糸子。

緊張して声が上ずってる。笑

見本、作ってきましたと言う糸子。

ほう、糸子を見る花村。

どないでしょうか?と聞く糸子。


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