もう、ポスター見ただけで「しょーもなさそうだなぁ」と伝わって来ます。しかし、「そこが絶妙に面白い!」って事は偶にあります。それになんたって、釈ちゃん(由美子さんです)が出てる!コリャもう「お行きなさい…」でしょ。(イミフだと思われた方すみません🙇どーせ大した事は言って無いので、お気になさらず)


2021年制作の本作が漸くの日本公開って事らしく、結構あちこちの映画祭やら採点サイトで好評なのだとか。当然、"好評"の前に"好事家に"が省略されているのは暗黙の了解なのでしょう。

そんな軽いノリで鑑賞しましたが、中々面白いのですよ。もちろん観客も軽いノリでいてくれないと困りますが。(ワタシなどホンワカしてたら、数分間寝てたくらいなんすから)


オクラホマの高校生、日本特撮オタクのショーンとヴィクラム。ヴィクラムの家にホームステイする日本人留学生のミキがやってくる。3人で日本でオオコケしたヒーローアニメのDVD鑑賞をしていると、突然画面から彼等に向かって放たれたビームによって彼等はその体に超能力を宿す。同時にショーンの通う空手道場を中心に広がる世界征服の陰謀。オタク達は陰謀を止められるのか⁈


監督のエリック・マキーバー氏は日本の特撮ヒーロー物やアニメを観て育った世代だそうで、もう全面的にその想いが溢れています。比嘉クリスティーナさんや釈由美子さん、岩松了さんなどの場面は普通に日本語で、当然あの何度も見た"外国映画の変な日本語"じゃありません。そしてミキの英語は恥ずかしい程のカタカナ英語。リアルです。でも空手道場は完全インチキ。一時期テレビでやってた海外のなんちゃって道場やらレストランに本物の日本人を送り込んで、ある日一気に実力解放、間違いを正す!みたいな番組に登場した、正にあんな感じのインチキ道場で、そこがまた絶妙にリアル。留学生のミキがインド人家族のヴィクラムの所にホームステイすることになった経緯も絶妙に納得のユーモア。もう、その辺り(つまりほんの序盤)で、すっかり心許してしまったのです。こりゃこの監督の日本愛はホンモノだ!ってね。緩めに進んで行く物語も、バトルシーンも、愛に溢れたオマージュでした。

ちょっとだけ調べたらどうやらこの監督、日本に住んでいた(いる?)らしいのです。

昨今ではYouTubeなどで訪日外国人のインタビューなど幾らでも見られますが、日本在住の人も含めて、日本に興味を持つきっかけが、アニメ・マンガ(特撮ヒーロー物含む)と言う人がほとんど。今やゴジラなんてハリウッドの柱キャラの一つな訳で、サブカルの力の凄さを意識せずにはいられませんが、コレはまた一歩別のフェーズに入ったのかも知れない…と、大袈裟かも知れないけど、そう思いました。


ワシの若い頃はアメリカに対する憧れって拭いがたい物じゃったが、隔絶の感がありますなぁ…

(完全に年寄りではないか…)