10〜14才の頃、ワタシにとってマカロニウエスタンは最高の映画でした。リアタイで観た訳ではないけど、あの頃はTVの民放各局の夜9時代にロードショウ番組があって、色々観る事が出来たのですよ(関東基準です。あ、当然TV東京除きます)  だから特に子供にとっては、古い作品だとか、今のトレンドじゃないとか関係なく、どれもただ「昨日観た面白い映画」であって、先入観無しに親しめたのは幸運でした。

いい加減な事に、白人が出てるのは全部アメリカ映画だと思ってましたし、何故"西部劇"と"マカロニウエスタン"が違うニュアンスで言われるのかも分かってなく、正直気にもしてませんでした。

西部劇全般が好きでしたが、マカロニウエスタンがより面白いヤツとして認識していました。

マカロニウエスタンと言えば、クリント・イーストウッドとエンリオ・モリコーネでしょ。まぁ、ジュリアーノ・ジェンマと言うスターもいましたし、この人の出演作も好きでしたが、圧倒的にカッコイイのはイーストウッドとあの音楽ですよね。それは踏まえた上で、実はワタシのお気に入りはリー・ヴァン・クリーフだったのです。あのとんがった顔、射る様な目に憧れてました。なんせこっちはのっぺり顔のチンチクリン、しかし悲しいかなガキンチョのワタシは「アレになれるんじゃないか」と思っちゃったりして…イヤハヤお恥ずかしいハナシです。


思い出話はさておき、その代表作がスクリーンで

観られるなら、しかも直近で観られるなら、更には「夕陽」と「続」にはリー・ヴァン・クリーフが助演しているなら!是非観ておきたい、と言う訳です。

「荒野の用心棒」

「夕陽のガンマン」

「続 夕陽のガンマン」

共通するのは主演:クリント・イーストウッド/監督:セルジオ・レオーネ/音楽:エンリオ・モリコーネ

これらが俗に"ドル3部作"と呼ばれる事は初めて知りましたが、所謂"ドル箱"だったと言う意味ではなくて、前2作の原題に"DOLLER"が入っているからなんだとか。


確かに3作に繋がりはなくあの唯一無二の音楽とイーストウッドのあの衣装だけしか繋がりはありませんでした。ワタシの記憶に残っていたのも、それプラス"クリーフのダンディな衣装"と"右太腿横ではなくて左腹前に装着されたクリーフの拳銃"、"最後の決闘シーン"だけでした。

西部劇の何が好きだったかって、タイマン決闘シーンですよ。あの緊張感が堪らなかった。だけど改めて観たらこの3部作はそう言う意味での決闘がほぼなかったのですね。「用心棒」は、マカロニウエスタンの伝説、イーストウッド・レオーネ・モリコーネの出世作。これで彼等の名は世界的に!でもねぇ、20歳位になってから知ったのですが、黒澤明の「用心棒」のリメイクだし…リメイクだって事だって初めは認めてなかったて言うし…。後に本家「用心棒」観たらこっちの方がずっと良いと思ったし…。


実際に3本観てみたら、

「用心棒」音楽とイーストウッドは最高にカッコいい!でもミフネの方がカッコいいし、シーンカットだってクロサワの方がカッコいい。

「夕陽のガンマン」3部作の中では一番好きかな。わかりやすいストーリーだし、オルゴールを使った決闘もオシャレ。

「続 夕陽のガンマン」話し盛り過ぎ感が…。クライマックスの決闘の墓場のセットは、後に映画ファンがそっくり残されていたその場所に再現しようとしたらしい。確かにシーンとしては美しかったけど、決闘自体はイマイチ。兎に角、上映時間3時間弱はやり過ぎでしょ。

っと、まぁ、思わず少年時代に戻ってしまった…と言う訳にはいきませんでした。

しかし、3本ともモリコーネのテーマ曲からのオープニングには心踊りましたよ。

同時に、当時TVロードショウに付き物だった映画解説者(淀川さんが有名ですね)が、どうもマカロニウエスタンより、西部劇の方が好きそうな感じ(ガキンチョのワタシがなんとなく感じ取った事です)、その訳も改めて理解しました。


こう言う企画がシネコンで観られるのはイイネ👍