原作は「悪童たち」と言う中国の小説(ズー・ジンチェン著)だそうで、本国でもドラマ化されて人気だったんだとか。そんな事とはつゆ知らず、オープニングロールに何人か中国名があったので、日中合作なのか?と思った、と言うだけの話で、だからどうだと言う事ではなく、大変面白く好みの映画だったので、少し前にその界隈で名を轟かせた「三体」(劉慈欣著)と言うSFがNetflixで映像化される事もあって、流石中国、侮れん、と思った、と言う事です(別に侮ってなどいませんが)。因みに「三体」は読了していて、空間的にも想像的にもスケールの大きさに感心したものです(映像化には期待してません)。


東登(岡田将生)は沖縄のトップ企業の創業一族の一人娘の入婿で、夫婦仲は冷え切っており、離婚を口に出され、保身の為に社長夫妻(義理の両親)を殺害するが、その現場を偶然動画に納めてしまった地元の中学生・安室朝陽(羽村仁成)、上間夏月(星乃あんな)・上間浩(前出耀司)から脅しを受ける。登も朝陽も数学に秀でた才能を持つ、所謂天才肌であり、夏月と浩は血の繋がらない兄弟だが父親がクズで家出していて、朝陽は母子家庭で父の再婚相手の女性から、娘を殺した、と嫌がらせを受けている。


ちょっと大袈裟な設定なんだけど、振り切った面白さがある。それでいて中学生達の日常描写、特に朝陽と夏月の仄かな恋心なんかがサラっと描かれていて上手い。流石はガメラのみならずモスラ、キングギドラまで見事に復活させた金子修介監督なのでした。

物語は大まかに三つのフェーズになっていて、最初のフェーズから次に移った時に、「あゝそっちに行っちゃうんだ…」と正直ちょっとガッカリしました。これまでの経験上、多分ここから緊張感が抜けた感じになって行くのだろうなぁ、と予感したのですが、見事に盛り上げてくれました。

これは出来るだけ予備知識なしで見た方が面白い!

なのでこれ以上は書きません。