Yside








"キムさん!やばいです!!"

"これは想像以上です!!"

『.................』



俺の顔に一通り化粧品を塗りたくったメイクさん達がまさに絵に書いたようにキャピキャピとはしゃいでいる。



はて、
やばいとは?
想像以上ってどんな想像してたわけ?




俺のメイク後の出来上がりが良くなかった...ということだろうか。
まぁ俺みたいな男が化粧をしても、
チャンミンのように綺麗になるわけないのだから想像できていたはずなんだけど。






"だから言ったじゃない。
私の目に狂いはないのよ"

"さすがキムさん!"

『あの~』

"あらチョンさんごめんなさい。
盛り上がってしまって"

『いえ...それって俺の化粧した顔がやばいぐらい変だってことですよね?
大丈夫です。わかってたことなので』

"は?"

"へ?"

『.................』

"チョンさん本気?
こんなに盛り上がってるのに。
イケメンって謙虚なのかしら、チャンミンも確か同じこと言っていたような..."

『.................』

 "チョンさんが想像以上にイケメンになりすぎちゃって女性達は色めき立っているのよ"

『俺の化粧した顔が?』

"えぇ"

『イケメン?』

"えぇ"

『.................』







キムさんもメイクさんも嘘をついているようには見えない。
しかし俺自身全くもってしっくりこない。




「ユノ.....めちゃくちゃ格好いいよ...////」

『えっ?!』

「どうしよう....」

『チャン...ミン?』



チャンミンが頬を赤らめながら、
俺を上目遣いで見てくる。
ちょっ、今のチャンミンのビジュアルでの上目遣いはやばいって!
普段でもやばいのに!!



ッ!






腰にきた。









「ユノ....////」

『チャンミン...』

「ユノ.....」

『チャンミン...』

"ものすごく楽しいときに(私が)申し訳ないんだけど、カメラマンさんが待ってるのよ。チャンミンもユノくんもカメラの前にさぁ行った行った!"

『「えっ?!ちょっ!!」』




やっべー


二人の世界に入りすぎてた。
あのままキムさんに止められなかったら、





きっと、




キスしてた。










キムさんも、メイクさんも、カメラマンさん.....たくさんの人がいる中でやらかしてしまいそうだった。



ほら、
チャンミンなんてさっきの頬だけでなく、
顔も耳も真っ赤で熟したトマトみたいだ。




















カシャッ






カシャッ










"チョンさんリラックスして。
チャンミンくんはそのまま目線はこっち"









カシャッ








カシャッ










"チョンさんもう少し自然な感じで、
チャンミンくんの肩に手を回してみて"











カシャッ









カシャッ











さすがチャンミン。
さっきまで顔を赤らめていたのに、
カメラの前に立つとやっぱりプロだ。
堂々とした姿勢にオーラが違う。





で、俺はあたふたしてカメラマンの指示にしたがうのに精一杯。
そもそもブランドの立ち上げ記念用の写真のはずなのに、
なんでこんなに格好つけてるんだ?









"じゃあ、互いに向かい合って"

「ユノ!向かい合ってだって」

『え、あっ、おぅ!』

"視線が絡むように見つめあって"

『..................』

「.................」







なんだこれ照れる。










"ハァァァ....."

"溜め息しかでない....."      





少し遠いところからキムさんとメイクさんの独り言?が聞こえる。


すみませんね。
溜め息ださせてしまって。
俺はプロじゃねーんだから
ポーズもキメ顔も、写り方?なんてものは無いんだ。






チャンミンの隣だと余計に俺のダメさ加減が目に見える。






まぁ、チャンミンが良く写ってるならいいかな









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