Cside








「緊張する....」




こんなに緊張するのは初めてじゃないかな?
心臓が飛び出てしまいそう。
バクバクと早い鼓動が周りの人たちに聞こえてしまいそうだ。









ガチャッ





『チャンミン?準備はでき、...た?』

「ゆの..緊張してやばい.....」

『.................』

「ユノ?」

『.................』

"チョンさん照れてるでしょ"

「照れてる?」

『キムさん!』

"正解みたいねw"





今日はついにユノのブランドU-knowの撮影だ。
何故キムさんがいるかというと、
ユノはデザインとか布関係は色々と関わってきたから人脈があるけど、
モデル.....要は僕の撮影に関することは一切人脈がない。
カメラマンもメイクさんも撮影場所についても、




直前になって慌てて探していたけど、
なかなか見つからなくて。




で、僕がキムさんにお願いをしたってわけなんだけど、






「照れてるって?」

"チャンミンが想像以上に綺麗で可愛かったからよ"

『!!!!』

"図星ねw"

「え?だってユノがオーダーしたメイクだし、ユノがデザインした衣装だよ?」

"ふふ、チャンミンもまだまだね"

「???」

"じゃ、私は奥で撮影を見学させてもらうわ。思いっきりイチャイチャしていいから。むしろイチャイチャした方がいい写真が撮れるから"

「はぁ....??」





キムさんってたまによく分からなくなる。
今日の撮影に関しても、
正直お願いしづらかった。


僕はもう事務所を辞めてるし、
別の.....ユノ専属のモデルを選んだ。
キムさんからしたら一生懸命育てたモデルが裏切ったのだから、
本当なら僕からのお願いを引き受けるわけがない。



でもキムさんは快く受けてくれた。






電話でお願いしたとき、



"世間にイチャイチャを見せつけてちょーだいね"



なんて言われてたけど、
ユノはデザイナーだから写らないんだけどな...とはなんとなく言えなくて、

「..........えっと、その...はい」



という返ししかできなかった。



























「照れてるの?」

『照れてるっつーか、まじで可愛いすぎて焦った。ドキドキしてる』

「ドキドキって緊張で?」

『いや、チャンミンへの好きがまた大きくなったって意味』

「........../////」

『可愛いすぎるー!こんなの写真に納めたらチャンミンが狙われる!』

「.................」

『世間にチャンミンの可愛いさを見せびらかしたい!でも見せたくない!!』

「どっち?」

『どっちも!!!』






ユノはいつもこんな僕を可愛いと言う。
正直こんな男の僕が可愛いわけないのに、
でもコレクション後は撮影でも笑顔を求められていたから、
世間的には僕は可愛い分類なのだろうか。

















だって、あそこにいる女性スタッフさんも、
メイクさんだって可愛い。
こんなにたくさんの女性がいるのに、
ユノは僕にだけ可愛いって言う。







デュフ...////






やばい。
一人でニヤついてしまった。






















Yside





可愛いすぎる!!
俺のイメージの何百倍も可愛い。
こんなの世間に出したら絶対に襲われるか、ストーカーされるか、そこらの男の夜のオカズにされちまう!!




でも、ブランドのイメージモデルとしては最高すぎる。
宣伝効果はすごいことになるだろう。






あー!!
私用は厳禁だけど、




やっぱチャンミンが可愛いすぎて罪だー!























 "いいよチャンミンくん。
そう目線こっち、うんいいね"



カシャッ





カシャッ





"じゃあ今度は微笑むように笑ってみて"




カシャッ




カシャッ








"不貞腐れてるわよ"

『仕方ないです』

"ふふ、さすがね"

『こんな可愛いチャンミンを世間に出すんですから不貞腐れもしますよ』

"やっぱり勿体なかったかしら、
退所を認めるのは"

『......すみません。
キムさんが認めなくても俺はしつこく説得しましたよ』

"しつこそうよね....チョンさん"

『認めます』

"チャンミンとの夜もしつこいの?
嫌われちゃうわよ"

『しつこくないです!!!』

"えー、そうなの?私の妄想ではしつこいけどね"

『もっ、妄想?!!』





"チェック入りまーす。
10分後にまたお願いします!"

「ユノ!どうだった?僕大丈夫かな?」



カメラマンの一言で飛ぶように俺のところに来たチャンミン。
チャンミンが言う大丈夫?はモデルとして務まっているかだと思うけど、
それは何の問題もない。


無いけど!
何度も言うが、ある意味大丈夫ではないと叫びたいところだけど男らしくいたいし、
デザイナーとしてここは私用を挟まず客観的に意見を言わなくてはならない。



『大丈夫だったよ、さすが俺のチャンミンだ』

「よかった!」






"チェック終了でーす。
問題無さそうでしたので、本日はこれにて終了....."

"ごめんなさい、ひとつお願いが"

『???』




カメラマンから終了の言葉が出たけど、
キムさんがカメラマンの言葉を遮るかのように言葉を発した。






『どうしましたか?』

「キムさん?」

"すみません、ブランド立ち上げ記念にデザイナーとモデルのツーショット撮影もお願いできませんか?"

『「えっ?!!」』

"あー.....大丈夫ですよ"

"ありがとうございます。
チョンさん、そういうことだからメイクお願い"

『はぁ?!え、ちょっ何?!』




俺はチャンミンのメイクを担当していた女性二人に引きずられるようにメイク室に運ばれ、俺の人生で触れたことのない化粧品を顔中に塗られた。




"チョンさんの鼻高すぎ!
ノーズシャドウ不要ね"

"口元のホクロはセクシーなのでコンシーラーで消しませんよ!"

『.................』




俺は知らない単語に脳内パニックで、
何も答えられなかった。






一体これはなんなんだよ!!!








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