Cside
"ん?どうして不貞腐れてるの?"
「.....キムさんが禁止って言うから...」
"あ、まさかチャンミン....
昨日セックスお預けだったの?"
「!!!!」
"図星か。チョンさんも律儀な人ね。
私からの禁止令を守るなんてw"
「キムさん!本気で言ってなかったんですか!!」
"本気だったわよ。
仕事に支障は困るから。でも....w
まさかきっちり守るとは思ってなかったから驚いちゃった"
「.....ユノはそういう人です...」
"また惚気?"
「そういう意味じゃないですよ!!」
"はいはい、ほらチャンミン撮影の時間よ。残り少ない撮影なんだから可愛くて綺麗なチャンミンを残してきて"
「..........キムさん...」
"ほら行った行った!"
「.....はい。行ってきます」
僕が自分で選んだ道だけど、
こうやって、キムさんと一緒に撮影をするのも残り少ないんだな~と思うと、
ちょっとだけ寂しくなった。
そんなことキムさんに言ったら、
怒られるんだろうから絶対に口にはしないけど、キムさんとの時間を大切にしていこうって決めた。
なんの記憶も無く、
雨の中僕を拾ってくれたキムさん。
ユノも言ってたけど、どう見たって不審者なのに、
こうして僕と一緒にお仕事をしてくれたなんて感謝でしかない。
ありがとう。キムさん....
Yside
"聞いたぞ!独立すること決心したんだって?"
『ん、ドンへのお陰だよ』
"なんだよ気持ち悪い..."
『本気で思ってっから、背中を押してくれてありがとな』
"..........ユノ...お前まさか....."
『なんだよ?』
"俺のことお前のブランドに誘ってんの?"
『は?!』
"いや、ユノが俺のこと誉めるとか100億年あり得ないだろ!"
『..........俺の感謝の言葉を今すぐ返せ!』
"嘘!嘘だよ!"
『ふんッ!』
"..........まぁでも...決心してマジで格好いいよユノ。頑張れよ"
『..........ドンへ...あぁ、頑張るよ』
このブランドでは俺のデザインはなかなか受け入れてもらえなかった。
結構キツイ時期が長かったけど、
それでも頑張れたのは同期のドンへが、
いたから。
そんなこと言ったら、
明日雨か?嵐か?なんて揶揄ってくるだろうから言わねーけど、
ライバルでもあり、仲間でもあり、同志でもあった。
ドンへがいたから、
俺はここで落ちぶれなかったって思ってる。
ありがとな、ドンへ....
「ここが僕たちの新しい家...」
『都心からはかなり離れてるけど、
家の中は結構広いんだ』
「自然がたくさんあって気持ちいい....」
『入ろ!リビングと寝室と作業部屋と、
あとチャンミン用のウォークインクローゼットもあるんだ』
「すごい...大丈夫なの.....そのお金...」
『ん?気にするな、ブランドも好調だから』
俺は既に退職をし、新しくU-Knowというブランドを立ち上げた。
今までお世話になってきた人たちに声をかけたり、新作が出たら置いてもらえるようにセレクトショップに営業しに行ったりしていた。
そこで良い反応をもらえたから、
幸先はいい感じだ。
しかもまだチャンミンが専属モデルだと公表していない段階だから、
もし公表したら.....もう少し認知度が上がるかもしれない。
とはいえ調子に乗らず、初志貫徹を忘れずにチャンミンのためにも一生懸命、
真摯に働くと心に決めた。
「すごーい!ウォークインクローゼットが広い!!」
『沢山服をもってたから、
やっぱり専用のウォークインクローゼットが必要かなって』
「ありがとう!」
チャンミンはモデルってのもあるけど、
やっぱりマネキンの時から
服を着るってことが好きなんだと思う。
本人は気づいていないけど、
だからチャンミンは絶対にモデルを続けてほしい。
あ、俺のブランドだけで。
「大きいベッドだ!」
『今まではセミダブルで2人で寝るには狭かったけど、これなら大丈夫だろ?』
「うん!でも僕...狭いベッドでユノとくっついて寝るのでもよかったよ?」
『.....広くなっても、くっついて寝ればいいから』
「うん!ユノ大好き!!」
子供みたいにはしゃぐチャンミン。
俺にギューッと抱き付いてきて、
上目遣いで大好きだなんて、
目の前にはベッド、
なんにも考えてないんだろうけど、
俺はこのままベッドへ押し倒しても
罪にはならないだろう。
「.....ゆの...?」
『チャンミン.....』
「あー!!キッチンが広い!」
『.................』
「3口コンロだ!便利だよ~」
『..............気に入ってもらえてよかった』
キスするタイミングだったんだけど....
まぁ、これがチャンミンだ。
これから時間はたっぷりあるのだから、
焦らず暮らしていこう。
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