"よく話し合ってくださいね"

「ありがとうございました」

『先生ありがとうございます』






園長先生は、
僕があからさまに驚き動揺したにも関わらず、
"本当に愛せるのか、本当に子供を育てたいのかよく話し合って"

と嫌な顔もせずに話してくれた。




僕たちが園から出ようとしたら、
ふと視界にトラの縫いぐるみを抱いた女の子が他の子たちと遊ばず1人で砂遊びをしている姿が目に入ってきた。



なんとなく気になってしまって、

「お友達と遊ばないの?」

".................だれ?"

「僕はシムチャンミンです。
君の名前を聞いてもいい?」

".................わたしはイムアルム"

「綺麗な名前だね。よく似合ってる」

".................ありがとう"



アルムは大きな目でとても綺麗な子だ。
年齢は5歳ぐらいかな?
そんな子に綺麗だなんて可笑しいかもしれないけれど、でもやっぱり綺麗って言葉がしっくりくる。



"おともだち...いないから"

「え?あ、」




アルムはトラの縫いぐるみを握りしめなら走り去ってしまった。




『チャンミン?』

「あ、ごめん」

『あの子がどうしたの?』

「ん?ちょっと気になっただけだよ」

"アルムは両親を事故で亡くして、
引き取り手がいなくてここに来た子なんですよ。もうすぐ1ヶ月になるかしら"

「両親を事故で...ですか....」






それから僕たちはタクシーで最寄り駅まで行き、スウォン駅へと戻ってきた。




『チャンミン急でごめんね。』

「うん。すごく驚いた」

『ごめん。でも僕たちの愛の証でもあり宝物がほしかったんだ』

「僕もほしいけど...」

『それに.....養子縁組をすれば僕たちが夫婦同等の権利を得られるんだ。
だから、だから僕は』

「どういうこと?」

『養子縁組ができたら僕とチャンミンは結婚はできなくてもパートナーシップとして認められる。
そうすれば、法律上の夫婦までは保証されないけど夫婦と同じような権利が生まれるんだ』

「.................」

『もちろん権利がほしい為だけに養子縁組をしたいわけではないよ。
子供を育てたいってのは本心だから』

「.................」

『ゆっくり考えてほしい』

「........わかった」

『ありがとう』






スウォン駅には夕方に到着し、
駅近くのカルビ屋に入った。


『カルビ二人前と冷麺を二つ』

「冷麺やった!」

『ふふ、暑かったからね』




そうして僕たちは今日の出来事を話すことなく夕食を楽しんだ。
連続のカルビでもお店ごとに味もカルビの柔らかさも違って食べていて飽きない。
そのうえ今日は冷麺があるんだ♪



やっぱカルビには冷麺だよな~と
お腹一杯食べてホテルへと帰った。













ユノヒョンがシャワーを浴びている間に色々考えた。



養子縁組...
ユノヒョンが言っていたパートナーシップについて調べてみた。


「最近できた制度なんだ」


そこには僕の知らない法律の内容や、
メリット、デメリットが記載されていた。



「全然知らなかったな」









子どもか。
もちろんユノヒョンが権利を得るために養子縁組を望んでいるとは思えない。
ソミンさんの子どもを目の前にした時とても嬉しそうだった。
きっと子どもが好きなんだ。



じゃあ僕は?
子どもは嫌いではない。
スヨンのおかげで人として、大人として成長できたし、何より誰かのために生きることの楽しさを知れた。
スヨンの存在は僕にとっての宝物だ。



この思いをユノヒョンと共有できるのなら幸せなことだと思う。



でもそんな簡単に考えていいのだろうか。
子ども達の未来をきちんと考えてないと駄目なんじゃないか。










『チャンミン.....』

「あ、出た?じゃあ僕もシャワーに行くねッ!」

『チャンミン.....しよ』

「え?ちょっ!ユノヒョ...ンッ」




ユノヒョンからの急なキス。
僕の唇ごと食べられちゃうじゃ.....と思ってしまうほどの野性的だ。


どうしたの...?



「ふン.....ゆのひょ、ん待っんー!!」

『チャンミン...チャンミン...チャンミン....』


ほとんどうわ言のようなユノヒョンの声。



ちょっ、呼吸ができない!
僕が酸素を取り入れようと呼吸した一瞬を狙ったかのようなユノヒョンの舌。
まるで生きているかのような動きに、
身体中がゾクゾクとした。



「ン、あッん!ちょッ、ゆのひょん」

『ベット行こう』

「え?!僕まだシャワー...」

『いい、チャンミンの匂いを感じたい』



そう僕の意見など無視して有無を言わせない力で僕をベットへと導くユノヒョン。
この強引さに驚きが隠せないけど、
ほんの僅かだけど雄のユノヒョンにドキリッと、ときめいてしまっている。



あぁ、僕はこのままユノヒョンに食べられちゃうんだ。
なんて脳内で考えてる僕もどうかしてる。



そう思うと僕の下半身は素直だ。
ズボンの中で苦しそうになっている。



「ゆのひょん...ゆのひょん...ゆのひょん....」

『何?チャンミン感じちゃってんの?』

「............ん、今日も意地悪なの?」

『今日は意地悪かもね』

「..........いいよ。意地悪なユノヒョン好き」

『あー。言っちゃったね小悪魔チャンミン』ニヤリ





そうして噛みつくようなキスと、
身体中にキスをされ僕はユノヒョンに溺れていった。








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