
Cside
"なぁ、1個確認したいことがあるんだけど"
「ん?何?」
パタパタ
皆がいるのにユンホさんが僕を抱き締めたりしたからすっごく注目されてしまった。
身体中が恥ずかしくて熱くなっているのを僅かながら手でパタパタと仰いでいると、
キュヒョンが結構深刻な声で聞いてきた。
"ユンホさんとどういう関係?"
「は?なんだよ急に」
"いや……ただの仲のいい先輩なのかなって思ってたんだけど、今日の二人を見てるとなんて言うかその……先輩後輩ってより恋人みたいな……なんかそう見えて…しまって"
「……////」
"ま、俺の勘違いだろうけどなw"
「…………ッ」
"悪い。あ、ほら最後の競技のリレーが始まる"
「……キュヒョン……」
"ユンホさんリレーにも出るんだろ?応援しないと"
「………キュヒョン!」
"なんだよ柄にもなく大声出すなよ…"
今までユンホさんとの関係も、過去も
アルバイトをしていた理由だって…何も話していなかった。
それなのにキュヒョンはずっと僕にユンホさんとの関係を聞かなくて……だからすっかり忘れていた。
キュヒョンには言っていた気がしていたけど、ずっと隠していることになっていたんだ……。
「ごめん…」
"なんだよ……今度は謝んの?"
「うん………ごめん…」
"変なチャンミンw"
今の僕には謝ることしかできない。
キュヒョンとは高校でできた友達だけど信用もしている。
もし僕とユンホさんの関係とか僕が行ってきた過去をキュヒョンが知っても変な目で見ることはない……と思うけど、
でもやっぱり怖い。
キュヒョンか離れたら…
僕を嫌いになったら……
だからごめん。
今は……本当にごめん。
パンッ
"最後の競技が始まりましま!
大逆転が予想されるリレーです!
現在トップは赤チームです。このまま逃げ切れるのでしょうか?!"
"俺たちの赤チーム強すぎw
ユンホさんのお友達の皆の彼氏さん?だっけ、第一走者でめちゃくちゃ速いじゃん!"
「……………すごいね」
"ユンホさん……は、おっアンカーみたいだ。タスキを掛けてる"
「アンカー……」
"アンカーってことは足まで速いのかよ"
「………………」
皆の彼氏さんことドンヘさんが第一走者でかなり2位以下と差をつけたお陰で、そのあとの赤チームの走者は逃げ切って1位をキープしている。
このままユンホさんにまでバトンを繋げられたら、ユンホさんは軽々とゴールテープを切れることになる。
お願い!
ユンホさんに有終の美を!
"うわっ!"
「あっ!」
"あーやっちゃったか…"
「………………」
"これやばいな…"
僕たちの赤チームの4走者目がカーブを回りきれなくて、転んでしまった。
独走していた赤チームが一気に最下位へと転落してしまった。
「ユンホさん………」
"あーこりゃもう無理だな"
4走者が立ち上がり必死に走り5走者へとバトンを繋ぐ。
でも前との距離は変わらない。
他のチームはここぞとばかりに声援を送ったり、飛び跳ねて喜んだりもしている。
「ゆんほ…さん……」
ユンホさんへバトンが繋がったけれど、アンカーはどのチームも速い人ばかり。
どんなにユンホさんが速くても追いつくはずがない。
だって他のチームのアンカーは陸上部だったり、サッカー部だから。
ユンホさんはダンスは上手だったけれど帰宅部。
"ユノー死ぬ気で走れーーー!!!!"
ドンヘさんがユンホさんへエールを送ったのがきっかけに、
赤チームの応援席から一斉に頑張れーとか行けーとか言葉にならない言葉を懸命に送る。
"ユンホさーん!頑張ってくださーーい"
キュヒョンもしれっと名前を呼びながら応援。
"ほら、チャンミンも!"
「え…でも僕は……」
"お前が叫ばなくてどうすんの!ほらユンホさんを応援しろよ!"
「………………」
"ほらッ!"
僕は普段から大きな声を出すタイプでもなければ、周りがいるのにユンホさんと叫ぶだなんて高レベルなことできない……
でも、今…ユンホさんはチームのために必死に頑張って前を走るチームを追い抜こうとしている。
正直結構差があるし、こっから巻き返すだなんて、陸上部でも無理。
できてウサイン・ボルトとか?
でも、
「ユンホさーーーん!頑張ってーー!行っけぇぇぇ!」
ッ!
今、ユンホさん僕を見た?
目が合って……ニヤッて笑わなかった?
その瞬間、
"ワーーーーッ!!!"
"ユノーすんげーーー!!いいぞー!"
"ユノ先輩ー!格好いいーーー♡"
ユンホさんは1人、そして二人と抜いて行く。
その姿から他のチームのアンカーの人がスローで走ってるみたいに見えてしまうほど。
「ユンホさ、んッ!!」
"わーーーーーー!"
"すんげーーーー!"
"やっべぇ!"
歓声と共にユンホさんはゴールテープを切った。
Yside
"さすがユノ♪"
『なにがさすがだよ』
"あれから3人も抜くなんてオリンピック目指せば?"
『冗談はいいから』
"冗談じゃないんだけど"
俺は最下位でバトンを受け取り、そこから死ぬ気で走りゴールテープを切った。
2位だったけど。
"ユノ先輩格好よかったです!"
"あの……よかったら連絡先を交換しませんか?"
"インスタ交換も!"
『あーごめんね。俺恋人いるから』
"それでもいいので!"
"私たち気にしません♡"
『君たちじゃなくて、俺の恋人が気にしちゃうから』
"…………………ッステキぃ〜♡"
"格好いいぃぃ♡♡"
"おい、俺より皆の彼氏になるなよ?"
『俺はドンヘと違ってそんなこと言わないよ』
"俺よりモテるなよ?"
『はぁ?』
"みんながユノを見ている目がハートで嫉妬しちゃう!"
『意味わかんねぇ嫉妬ってなんだよ』
"ん?チャンミンの気持ちを代弁したまでだけど?"
『は?』
応援席に戻るとチャンミンが特徴的な眉をハの字にしながら俺を見ていた。
俺がニコッと笑いかけると、
チャンミンもニコッと笑い返してくれた。
眉はハの字のまま。
『チャンミン……』
「あの…すごかったです。とても格好よかったです…///」
『よかった。チャンミンに格好よかったって言ってもらえて』
「え?」
『チャンミン俺のこと応援してくれただろ?大きな声で。チャンミンの声で一気に闘志が湧いたよ』
「え?でも皆大きな声で応援していたので僕の声なんて……」
『チャンミンの声しか聞こえなかったよ。すっと耳に入ってきた』
「……そんなわ…け………」
『好きな人の声だけはちゃんと聞こえるんだよ』
「……………ッ、あの!」
『ん?』
「格好よすぎて、人気者になってしまってとても心配です…/// あっ前からも人気ですが………その…」
『チャンミン以外興味ないから人気とかどうでもいいんだけど』
「…………/////」
『チャンミンだってさっき女子に話しかけられてたじゃん。俺嫉妬しちゃうんだけど?』
「……………なんのことですか?」
『前髪ゴムの女子!』
「え?あ、これはそんなんじゃないですよ!?」
『…………わかってないの?』
「????」
『はぁぁぁ』
普段、人見知りで前髪で顔を隠していたチャンミンが実はこんなに可愛い顔をしていたと世間にバレてしまった。
ゴム女子のせいで嫉妬もするし心配もする。
「外した方が良いですか?」
『……………チャンミンのしたいようにすればいいよ』
「でも……」
『俺はチャンミンをどこかに閉じ込めたいわけじゃないし、いろんなチャンミンを見たいとも思ってるから』
「…………………」
"これより閉会式を行います。全生徒整列してください"
放送部のアナウンスが流れてきて、
ここで会話は矯正的に終わるしか無かった。
『チャンミン、閉会式だ。行こう』
「あの!ユンホさん……お願いがあります」
『ん?』
「その……後夜祭…の時に僕と一緒にいてくれませんか?」
『……へ?』
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