妊娠が判ると、お腹の赤ちゃんの成長のためにも、日々の食生活には気を遣われるママさんがほとんどだと思います。
しかしながら、妊娠中のママさんの身体は出産に向けて変化していき、その変化に伴って食欲が無くなったり体調が崩れやすいために、どうしても必要な栄養が不足してしまいやすい状態でもあるんですね。
厚生省の食事摂取基準では、妊娠中のママさんの必要エネルギーは、通常の女性と比べると初期で+50kcal、中期で+250kcal、後期になると+450kcalにもなります。
出産が近づくにつれて、ママさんと赤ちゃん共にたくさんのエネルギー・栄養が必要になってくるんですね。
また、各栄養素についても鉄分では、通常時と比べて初期で+2.5mg・中期から後期で+15.0mg多く摂ることが推奨されています。
たんぱく質についても、中期で+10mg・後期で+25mg;など、やはり出産を控えたママさんの身体にはたくさんの栄養が必要になってくることが分かります。
妊娠していないときと比べて、やはりお腹の赤ちゃんに栄養を届けることが必要になり、身体が出産への準備で変化していく際にもエネルギーが必要になってきます。
しかしながら、初期のつわりの時期など、なかなか思うように食べられずお腹の赤ちゃんの成長を心配されるママさんも少なくないようです。
妊娠中の身体は、赤ちゃん第一に栄養はしっかり届けられるようになっているため、無理をしてストレスを溜めてまで食べる必要はなく、食べられるときに食べられるものを口にすることが大切になってきますね。
ただ、症状によっては水分までも受け付けられないような状態になるママさんもいるので、あまりに症状が重い場合はかかりつけの先生に相談することが必要になります。
また、つわりの時期などを経ても、食べ物の好みが変わってあまり食べられなくなると感じられるママさんも多いようです。酸っぱいものや、油ものばかりが食べたくなるという感じです。
これらの食べたいものばかりを食べていると、当然栄養状態にも偏りができてしまいますから、食欲があるときには栄養バランスを考えた食事を心がけることが大切です。
加えて妊娠後期には、子宮が大きくなることで消化器官が圧迫され、その影響であまり食べられないと感じることも多くなるかと思います。
そうした場合も、やはり温かい和食を中心とした、必要な栄養をバランス良く摂れる日々の食生活が大切になってきます。
特に不足しがちな栄養素としては、上述の鉄分などは、赤ちゃんに栄養を届けるために血液量が増えることから、しっかり日ごろから摂りたい栄養素なのですが、どうしても不足してしまって貧血気味になられるママさんが多いようです。
またカルシウムについても、妊娠中に不足してしまうと、赤ちゃんに必要な量を届けるために、ママさんの骨から優先的に届けていく母体の働きがあります。
そのため、赤ちゃんには栄養は届いていても、ママさん自体の骨がもろくなり骨粗しょう症などに繋がりやすくなってしまうんですね。
妊娠中は、身体の変化からしっかりと食べられない時期も多くなりますが、お腹の赤ちゃんのためにも、バランス良い食生活は意識的に続けていくようにしたいですね。