先日で閉鎖し、解体作業に入った歌舞伎座です。
大正13年12月に竣工したもので、設計は岡田信一郎です。
構造計算は、東京タワーや京都タワーの設計で知られる内藤多仲です。
もともとは、中央にもうひとつ同形状でひとまわり大きな入母屋造でしたが
第二次世界大戦で焼け落ち、昭和26年に吉田五十八の手で修繕されます。
これは、最後の見学会で撮影したものです。
すでに取り壊しが始まっており、歌舞伎ファンに申し訳ない
とのことで、内部撮影は禁止という残念な見学会でした。
残念ながら、内部はほとんどが解体に着手されており
使われていた当時の面影はありませんでしたが
外観はかろうじてとどめていました。
1階にあった神社です。
これは、別の場所に遷座するようです。
歌舞伎座のように、RC造の建物を使い続けるためには
構造体を残して、内部を改修するスケルトン・インフィル
という工事方法や、方法はともかく改修して価値を上げ
一部を貸し出すなどして維持するという方法があります。
現在は、長引く不況の影響もあって新たに建設するという
代謝が減少しています。
バブル期にスクラップアンドビルドと呼ばれ
次々と歴史的建築物が壊されるという現実がありました。
神奈川県大磯町などのように、海岸沿いの大きな別荘建築
が次々と壊され、マンションになるという地域もありました。
どこまで譲歩できるか、によって考え方もいろいろある
のではないかと思います。
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