「はっはっはっはっは!!
わらわはホオヅキの精じゃ」
そんなセリフを急に思い出した。
高校生の頃に姉の演劇の手伝いに行った際、1番記憶に残ったセリフ。ストーリーは覚えていないけど…
ホオヅキの精はまるまると太っていた。
そんなことを思い出してしまうくらい
祖母の仏壇に飾ってあったホオヅキが、
鮮やかな黄金色のドライフラワーになっていた。
それはさながら、あの世の入り口のように
母が顔面神経麻痺の治療をしてからというもの、
せん妄でやや介護が必要になってしまった。
そんなこんなで誰も仏壇を管理していなかったので偶然そんな現象が起きていた。
私はといえば役には立たないけれど休みの日には必ず実家に帰るようになった。
なので必然的に仏壇のある部屋にも顔を出す事が増えた。
そんなある日、たまたま仏壇のある部屋にオレンジの西陽がさしこんでいた。
西陽は怪しくもあり、ホオヅキはまるで黄金の輝きをまとっているようなどこか幻想的な光景だった。
今日は少し冷えるね
みんなやがて逝ってしまう日がやってくるのだよ。
ホオズキの精とそっとそんな話をした気がしたのだった。