おやつ | 立石動物病院ブログ

おやつ

大の右党である僕にとって最近の日本の政治動向は…、おっと右党違いですな、右党の僕にとってはおやつは何よりの嗜好品です。


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診療合間の手持ち無沙汰にポリポリ、食後のひと時にムシャムシャ。スイーツの無い人生なんて考えたくない!と糖尿病を患うことを何より怖れるアラヒフ親父です。

なのでおやつを食べたがるワンちゃんの気持ちは痛いほどわかります。あげたい飼い主様の気持ちもやはり痛いほどわかります。
でも、ワンちゃんにおやつはNO!なんです。

ペットショップで、ヘルシージャーキーを買ってきたり、無塩の煮干を買ってきたり、無添加の馬の干し肉を買ってきたり、愛犬の喜ぶ顔を思い浮かべながら、いそいそと購入されるそれら全てNO!と言わざるを得ません。
それらを食べて何の問題も無い子も沢山います。煙草を吸っても肺癌にならない人と同じように。
それらを食べて元気になる子もいるでしょう。浴びるようにお酒を呑んでもただ陽気になるだけで肝臓を壊すことがない人がいるように。
でも、医者が患者さんに呑みすぎ吸いすぎに注意して下さいと言うように、僕らはしつこく飼い主さんにメッセージしていかないといけません。特に、既に消化器や肝臓に異常がでているワンちゃんには声を大にしてその生活習慣の改善をお願いしなくてはなりません。

飼い主様とお話ししていて、一番抵抗されるお願いとなることが多いですが、僕らは挫けずそれらのおやつを与えないように伝えていきます。

勿論、おやつとして与えても問題無いものもあります。
例えば、普段与えているドライフードを数粒とか、人用のお肉屋さんで買ってきた鳥でも豚でも牛でも、そのお肉に熱を通してあげるとか、量さえ適当であれば全く構いません。
可愛いワンちゃんのために一手間使ってあげてもらえると嬉しいのですが…。

おやつを食べ慣れると体の変調の他にも幾つかの弊害がでてしまいます。
おやつのような刺激のある味に慣れてしまったために日常の食事への関心が弱まってしまうこと。
おやつだけで留まらず人の食事まで欲しがるようになり、剰えには盗み食いまでしてしまうこと。
飼い主様とのおやつコミュニケーションに増長して主従関係が逆転してしまうこと。
おやつコミュニケーションが常態化してしまったためにおやつ無しの生活がワンちゃんだけでなく飼い主様も受け入れられなくなってしまうこと。

問題多しです。

ここまで言っておいてなんですが、誤解を解くために更にもう一言言わせてもらいますと、僕は基本的にはおやつ賛成派なんです。
来院のご褒美におやつをねだるワンちゃんは結構多くて、病院に飛び込んで入ってくる子も、信じられないでしょうが、中にはいるんです。ルールさえ守れれば、ワンちゃんとの絶好のコミュニケーションツールの1つにはなると思っています。


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(2人で揃っておやつを貰ってくれればいいのですが、大体奪い合いになります。)


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(おやつを貰う前の一瞬だけとても静かになります。)


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(でも、ホント一瞬だけ。
我慢しきれずおやつに飛びかかってきちゃいました。)


ただ、来院されたワンちゃんや飼い主様の中で、上手くおやつを与えられているご家庭はとても少ないように感じています。

もう一度、飼い主の皆様に正しいおやつの与え方を考えて頂けたらと切に願ってやみません。