中国の山奥から都会に降りてきた仙人が流れるような一連の動作のなかに様式美さえ感じられる。彼は何をしているのだろう。
一種の幻想的な...
いや、ここはただの薄暗い中華屋だ。
我にかえると、仙人に見えるのは店主であって長く伸びた髭がスープに付着しそうである。
スープを丼に、麺を湯切し、弟子が盛り付けをする。
一連の動作が美しいのは勿論なのだが座って咥えタバコを燻らせている様が本当に只者ではないジジイ感が出ている。
仙人にいきなり殴りかかった若者は自分では気づかないうちに一回転し、道に転がされていた。というエピソードが聞こえてきそうである。
焦がし葱なのか、仙人の薬膳的な何かなのか、定かではないが美味い。
何か店の歴史、店主の年輪を食べているかのような、そんな一杯である。
先日、店が改装してから店内に仙人の姿はなく、どこぞの若造がラーメンを作っていた。
それはきっと若い男に化けた仙人なのではなかろうか。
それとも仙人は若者に免許皆伝をし、山に帰ったのであろうか。
そんなことを思いながら今日も喜楽の中華麺をズズーと吸ってホフホフと口の中での年輪を楽しむのであった。
完
ザ躍動感!!!
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喜楽
東京都渋谷区道玄坂2-17-6
営業時間 11:30~20:30
定休日 水曜日
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