コロナウイルス感染拡大防止で
休園していた 太秦映画村
やっと再開できたようです、、
撮影や舞台も
徐々に再開され始めました
東京でまた感染者が急増したりもして
不安は続きますが、、
元の木阿弥にならぬよう、
どうか順調に
もとの暮らしに戻れますように、、
映画村再開、という事で
今日は その
太秦映画村 で
たくさんの方々に
長らく愛された
撮影ショー
に ちなんだ
ちょっとした思い出話など
してみようかなと思います
福本清三 撮影ショー
いつ頃から やっていたのかなあ、、
10年は 続いていたと思います
確か、、
2011年に ラストショーをやりました
当時 売ってたTシャツ、、、
今も 大事に持ってます
僕は こうして
このTシャツ着て
キャップ被って
登場しておりました
毎週のように
通ってくださるファンの方も
たくさん おられたので
こちらを ご覧頂いてる方の中にも
そうそう、こんな感じだったな~、と
思い出される方も
おられるかもしれませんね
※増えたシワなどはお気になさらず、、、
基本的に
土日祝日の中でスケジュールを組み
映画村オープンセット内
屋敷町などで 開催しておりました
主役は 福本先生
僕ら 福本清三さんを
福本先生 と
お呼びしておりますが
それは、、、
時代劇でおなじみ
ヤクザの親分なんかが
用心棒の浪人者を
「 先生 」
と呼ぶ あれに由来しております
福本さんと言えば 「先生」
用心棒のお姿が 印象強いですね、、
その 先生を芯に
時代劇撮影における
撮り方、魅せ方、トリック、
殺陣の手の付け方、成り立ち方など
おもしろおかしく 解説しながら
最後に、手をつけたストーリーを
通しで演じる、、
といった具合に
盛りだくさんに 詰め込んで
解説と実践で お見せしておりました
僕は たいがい
MC 兼 殺陣師役で
出演者のみなさんに
殺陣の手をつけながら
つけかたや トリックなんかを
解説しておりました
(この頃 髪 多いな、、、)
これはもう ぶっつけ本番なので
毎度 ハプニングだらけでしたが
京都東映ならではの
ノリと アドリブで
毎回 お客様に お喜び頂け
無事に ショーが出来ておりました
さて
その 福本先生と言えば
絶対 切り離せないイメージ、
ありますよね。
そう
海老反り です
福本先生が 斬られて倒れる時の
見事な 海老反り
テレビの前でも
あの海老反りを 見ると
待ってました!!
と 大向こうを飛ばしたくなるものです(笑)
チャンバラショーの クライマックス
最後は 必ず
福本先生の
華麗な海老反り、、
ショーは 大拍手で
" 完 ” となります
その お客様の笑顔に
みんな これを観に来られたんだなあ、、
と
僕まで 笑顔に なるのでした
ショーの後は
福本先生と写真の撮れる
撮影タイムが 設けられておりましたが
先生は、、
何組 おいでになり
何組 握手を求められ
何組 お褒めの言葉を頂戴しても
「 いやいやいや んなもん! 」
慌てて手をブンブン 振って
撮影や握手が終わると 必ず
「 えろう すんまへん! 」
福本先生は
ひたすら ご謙遜なさいました
あれだけの キャリア
あれだけの 技術
あれだけの 人気
間違いないものを お持ちで
間違いなく 評価もご支持も頂いているのに
ひたすら 腰の低~~い姿勢で、、、
僕は あの先生の姿に
毎度 帯を締め直す思いがしたものでした
そんな ある日のショー。
クライマックス、
いつものように 先生の海老反り、、、
ん?
背面から バターン!!
、、だと 思って 見ていた僕は
いつもと 違う事に 気づきました
喉から絞りだすような
あの 断末魔の声、
ぐぅーっと 仰け反り、、、
少しだけ 弧を描くように
横に 流れながら
ふぅっ、、、と 海老反って
背面から バターン!!!
本当に ほんの少しの違いです
観客の方は 気づかないかもしれません
そのくらい 僅かな変化です
でも 確かに
いつもと 違いました
おお、、所作変えはった、、、
ゆっくり、ゆっくり弧を描いて、、、
スローモーションで見ているような 錯覚
クラッシック音楽を奏でるような
なんとも 流麗な
鮮やかな 倒れ方でした
大それた事を せずとも
こんな ちょっとした違いで
同じ 背面から倒れるのにも
表情が つくのだなあ、、と
目から鱗の 思いで
学ばせて頂きました
そのショーが 終わって、、、
ほっと一息 寛がれる先生に
何気なく お声をかけました
「 先生!今日、倒れ方、変えはったんですねえ
かっこよかったですよ~ 」
僕が 言い終わるかどうか、
くらいのタイミングで
「 んなアホなん言いな!! 」
顔の前で
ブンブンッと掌を振り
照れ笑いされる 先生、、、
「 ははっ、、すんまへん 」
このショーが
最終回を 迎えた日
僕は ふと
この時の先生を 思い出し
先生が こんなお方やったから
10年間も 続けて来られたんだなあ、、、
と
改めて 頭が下がりました、、
10年間
来る日も来る日も
皆様のご期待に応えるべく
海老反りで 倒れて
ひたすら 同じにならないよう
ひとつに あぐらをかかぬよう
少しずつ 少しずつ
創意工夫をして
日々改めて
ここまでやって来られたのだと、、
今も 舞台などで ご一緒する事がありますが
楽屋で 粛々と
身支度なさる先生に
「 先生 今日も格好ええですね! 」
と お声をかけると
途端に 顔をクシャッと崩し
「 んなアホなあ! 」
と はにかんだ顔と声が 返ってきます
これこれ、、、
これ聞くと
なんだかホッとするんですねえ、、、
一時期は 任侠映画もたくさんされて
ピラニア軍団にもおられ
あんなに 強面のイメージが強いけれど
とても 優しく柔らかい
素敵な 大好きな 先輩です、、、
先生!
これからも よろしくお願いいたします、、