アルバムを見ると
去年の今日
僕は 魚釣りをしていたようです
クラゲさん かわいかったなあ、、
今年は おでかけできないけど
今は じっと
ガマン、ガマン、、、
前回は
一生悔やむような
とんでもない失敗談を
お話しましたが、、
もうひとつの
忘れられない
【失敗談】 があったのを
ふと 思い出しました、、
それは
橋蔵先生のお弟子さんだった頃。
僕は
オフの日も ずっと
先生と
時間を共にしておりましたが
ある オフの日。
「ランタン、今日はお買物に行くよ」
先生が仰せです。
「はい」
お出かけ、と言われれば
何を出して
どう支度したらいいか
もう、しっかり心得ていた頃です。
ちゃちゃっと支度をしましたが、、
いずこへ?と問えば、、
金物屋。
釘やトンカチが欲しいとの事。
先生が工具を欲しがるなんて、、?
尋ねてみます。
何をなさるんでしょう、、、?
「 鳥小屋を作るの 」
えっ
「 鶏、飼いたいの。」
、、、
僕が弟子入りして以降、
先生が
ペットを飼った事はありませんでしたが
何故、ここに来て、、
しかも、鶏、、、?
さらに聞きますと
どうやら
自分の作った小屋で
鶏が卵を産み
その新鮮な産みたて卵で
美味しいご飯
これが
先生の思い描く
理想図のようです。
なるほど、、、。
そんなわけで
先生と僕は
街の金物屋さんへ、、
板などの材料は
東映の美術部さんで
余り材料なんかを
調達してありました。
準備が整い
先生のお宅の
裏庭。
「さぁ~、作るよ」
僕自身
こういうの初めてでしたが
先生のDIYなど
見た事がありません
おまけに鳥小屋、、
またえらい急に
珍しい事を
思い付かはったなあ、、
僕は 頭に
が出ながらも
先生のご指示に
従っておりました。
さて。
小屋、というからには
設計図
なるモノが
あるはずですが、、、
、、、
先生が
設計図としてお持ちだったのは
「こんなの」
で 描かれた
もんのすごい ざっくりな
完成予想図の殴り書き。
みたいなものでした。
「こんなの。作るの。」
えっ、これでやるの、、、
張り切って
作業にかかる先生、、
僕も 必死で
動き回る先生の
サポートにかかります
木を切り 組んで
釘を打ち、、
ああでもない、こうでもないと
作業を重ね、、
完成~
昼前から 作業にかかり
夕方まで。
ほぼ半日を費やし
橋蔵(の鶏)豪邸の完成です
僕が両手を拡げたくらいの幅と
胸の高さ、くらいの
結構な大きさ。
細竹の格子に
エサ箱に
傾斜の屋根もついていて
かなり 立派なものです
こんなの(笑)
すごい本格的やなあ、、
こんなの 家で造れるもんなんやあ
ちょっと 感動する僕。
改めて
鶏小屋を 眺めます
住み心地も良さそうや
鶏さんが入るのが
楽しみやなあ、、、
ん、、、?
、、、、、
不思議な事に気づきました。
小屋をぐるっと一周し
全貌を見直しました
、、、、
振り向くと
達成感いっぱいの
笑顔で佇む先生、、
蘭 「あの、先生、、、」
橋 「 ん? 」
蘭 「出入り口は、、、」
橋 「ん、、、?」
蘭 「鶏さんは、どこから入るのでしょう、、」
橋 「、、、、、」
まじまじ 小屋を眺める先生
しばらく凝視して
僕を見て
「 あはっ、、
扉、ないねえ 」
ないんかーい!
新喜劇ばりに
コケそうになりました。
さすがにもう夕方、
日も暮れかけており
この日はここで中断、、
後日
格子の部分だけ作り直し
無事、扉ができました、、、
それから数日後。
当時でいう
「番頭さん」
的存在の方が 調達してこられ
住人、いえ
住鶏さんが
二羽、おいでになりました。
無事、扉から入られて(笑)
あとは
しっかり栄養つけて頂いて
先生待望の卵を
立派に産んで頂くのみです
、、、が
待てども待てども
鶏さんは 卵を産みません。
もちろん雌鶏ですし、
いい大人です。
鶏冠も 育たないのに
体ばっかり
どんどんデカくなる鶏さんたち。
先生も心配され、
マネージャーさんに尋ねます。
「栄養が足りないのかねえ、
どうして卵産まないんだろうねえ」
「えっ、、あれ、ブロイラーですよ、、」
「 えっ 」
どうやら、
「卵を産んでもらう」
という
先生最大のミッションが
伝わっておらず
単純に ペットとして
鶏を欲しがっていると思った番頭さんが
ブロイラーをもらってきたのだそうで、、
結局
先生の理想は叶わぬまま
超大作の鶏小屋も
いつしか 空き部屋となり、、、
あの後 あの小屋
どうなったんやろう、、、
しっかり者の橋蔵先生の
ちょっとお茶目な
失敗談、でした、、
あっ、先生、、
ばらしちゃってごめんなさい、、