僕 お気に入りの
インド綿の タイパンツを
急ぎ お洗濯したくて
家内は お仕事に出ているし
まあいいや、
このくらい自分で やってまえ、、と
洗い方も聞かずに やったところ
見事に 色が出て
斑模様に なってしまいました、、
大失敗です、、(泣)
インド綿は
色落ちしやすいそうですね、、
ちゃんと 聞いてから
やればよかったです、、反省
聞かずに 行動して
大失敗したことが
過去にも ありました、、
橋蔵先生に
弟子入りして 間もない頃。
先生が
東映京都での お仕事の折
その休憩時間の 楽屋での事です、、
先生の 楽屋に
お客様が おいでになりました。
いつも
来客時の対応も
てきぱき こなす
頼れる兄弟子さんたちは
先生のご用で
お出かけになっていて
先生と僕と お客様
楽屋に 三人きりです、、
まだ 不慣れな僕は
それだけで ドキドキです
何しろ
「水筒坊や」
(以前のブログでご確認ください)
の 僕ですから(笑)
何もなければ良いなあ、、
兄弟子さん達
早く 帰ってこないかな、、、
そう思ったのを
見透かされたようなタイミングで
「 ねえ、冷蔵庫のメロンを
お出ししておくれ、、 」
橋蔵先生から お声がかかったのです、、
ご用を申しつけられた事そのもの
ドキン としましたが
それ以上に
僕を 不安にさせたもの、、
「 メロン 」
この言葉です。
メロン、、、?
昭和39年 そこそこの事です
富山の漁村
けして 裕福とは言えない
田舎の家で 生まれ育って
おやつは 昆布や小魚だった 僕
この時代の 超高級品
メロンなんて 知る由もなく
信じがたい事ですが
メロンという言葉そのものが
初耳だったのです、、
メロンとは 一体何ぞや、、、
しかし
お客様も おられます
「 メロンて 何ですか?? 」
なんて
恥ずかしくて 訊くにきけず、、、
「冷蔵庫の」
と仰せですから
ひとまず 冷蔵庫に行けば
目標がある事は 間違いありません
ハイッ、、とお返事をし
ひとまず 冷蔵庫を開けました
、、、
そこには
表面にツタが絡んだような
小惑星みたいなものが
鎮座していました
、、、これがメロンというものか、、、
しれ~っと
冷蔵庫から取り出したものの、、
これ どうやって食べるの
てか これ食べられるの、、、
僕の目には
いびつに映った メロン様が
僕の小さな肝を 翻弄します
落ち着け、考えろ、
蘭太郎、、、
ひとまず 手に取ります。
皮、ぶ厚い、、
でも 中は柔らかそう、、
あっ、、、
そこで 唐突に閃きました
この感触、
田舎でも食べた事あるやつ、、!
田舎で 夏季に口にする
水菓子として
まくわうり
が ありました
今 手にしている
メロンさんは
まさに
あの まくわうりに
感触が 似ているのです
ならば、、
お袋がしてくれたように
皮剥いて 一口サイズに切る
これしかない、、
完璧な答えに たどり着いた僕
包丁を手にとり
先生と お客様を
お待たせするまいと
皮をむき
種をごっそり 取り除き
せっせと メロンをメッタ斬り、、
お皿にのせ フォークを添え
いそいそ お二人の元へ
お持ちしました
皮、硬くて
少しだけ 手こずったけど
お茶のコップみたいに
落としたりしなかったし
ちょっとした 達成感、、、
しかし、、
橋蔵先生と お客様は
目をまん丸にして
運ばれたメロンを 凝視しています
そしてその目線は 僕の顔へ移り
最後は お二人
顔を見合わせて、、
大爆笑。
えっ、、、ここ笑うトコですか、、、
キョトンとする僕に
「 あのねえ、、
メロンは 皮むかなくていいんですよ、、 」
と 橋蔵先生。
「 二つに割って、種取り除いてね、
お皿に 載せて、
スプーン添えりゃ いいんですよ、、 」
ええっ、、
続けて お客様
「 それにしても 坊や、、
よく こんなもの剥いたねえ、、、 」
、、、ガーン、、
どうりで、、
めっちゃ剥きにくかった、、、
「 いやほんと、よく剥いたものだよ、、
感心、感心、、 」
笑い続ける お二人
お褒め戴いてるのか 何なのか
複雑な 僕、、
とっても と~っても
恥ずかしい思いをしました、、、
聞くは 一時の恥
聞かぬは 一生の恥
とは 良く言ったものです、、
仰せつかった時点で
どのように お出しするんでしょうかと
一言 訊けばよかった、、
知らない事は きちんと聞いて知る
ということの
大切さを 痛感しました
今も 店頭でメロンを目にすると
ふっと 思い出し
笑ってしまいます、、
でもね、先生
おかげさまで
メロンの食べ方は 心得ましたが
僕は今でも
メロンより
まくわうりの方が好きです、、(笑)