弟子

 

この言葉自体

現代では もう

あまり 馴染みのないものかもしれませんね、、うーん

 

 

ゆえに

 

お弟子さんの仕事

 

なんていうのも

ピンと 来ないかもしれません

 

 

現代ならば

 

落語家さんや 芸人さん

 

宝塚の 下級生さん

 

この方々の お仕事が

それに 近しいのでしょうね

 

 

 

歌舞伎の世界の

幼少期のお稽古が

 

虐待 !? だと

 

バッシングされるゲッソリなんていう

 

信じがたい話が

実際にある この現代では

 

 

とっても 厳しい

お弟子さんの仕事は

 

ひょっとすると

 

「ハラスメント」

 

なんて 言われちゃうのかも、、、?うーん

 

 

 

さて

 

こちらのブログでも

数回 お話していたように

 

 

僕の 芸能界入りは

 

大川橋蔵先生 に

 

弟子入りしたところから

始まったのですが

 

 

やはり この世界は

大変厳しいものでしたあせる

 

 

 

僕が 弟子入りした当時は

 

兄弟子さんが

お二人 おられました

 

 

弟子入りしたとて

 

すぐに 先生の

付き人をさせてもらえるわけではありませんあせる

 

 

弟子入りして 初めのお仕事は

 

まず

 

兄弟子さん達のお仕事を

ひたすら見て 勉強する

 

という ところからでした

 

 

兄弟子さん達は

 

先生の行動を

つぶさに目で追い

 

先生が 今何を欲しているか察して

 

先生が口にせずとも

実に 絶妙なタイミングで

 

その答えを 形にしておられましたびっくり

 

 

そんな 兄弟子さん達の行動は

 

「見て学ぶ」

 

とは言え

 

言うほど 単純なものではありませんあせる

 

 

それを 必死に見ようとするあまり

周囲に 気配りができず

 

 

逆に 兄弟子さん達の動きを

邪魔してしまったりして、、、アセアセ

 

 

兄弟子さんに

 

「とりあえず これ 持っとき」

 

 

先生のお茶が入った

水筒を 手渡されました

 

 

「 これ 持っといてな、

 

先生が 飲みたいタイミングを見計らって

お茶入れて お出しするんやで 」

 

 

ひとまず

 

お茶係お茶 を

 

仰せつかったわけです

 

 

それくらいなら 出来るやろうと

思ってみたものの、、、

 

 

なかなかどうして、

 

 

人の【望み】なんて

カタチのないもの

 

簡単には

読めもせず、、、汗

 

 

いつも 先生から

 

「 お茶 」

 

と言われてから

水筒を開ける事ばかりですあせるあせる

 

 

慌てて蓋を開ければ

コップを滑らせ 落っことしあせる

 

なんとも手際の悪い始末、、、えーん

 

 

そのミスをフォローして 

お茶をいれてくれた

兄弟子さんの 手際の良さを見て

 

 

お茶汲みひとつも

満足に でけへんのかと

泣きたくなりました、、ぐすん

 

 

その後も 必死に

見て 考えて

 

先生の行動を 目で追っかけて

 

「 今や! 」

 

と お茶を入れて お持ちするも

 

先生は 無反応、、、はてなマークはてなマーク

 

 

「ちゃう、今やない」

 

と、兄弟子さん。

 

 

、、欲しくないから 受け取らない。

 

当たり前ですよね。

 

 

またダメかあ、、、ぐすん

 

 

肩を落として

先生の メイクボックスの整理をしたり

先生用の ディレクターチェアをかたしていると

 

「 お 茶 」

 

先生の声、、、アセアセ

 

ああ、、先生に言わせてしまった、、、!!アセアセ

 

 

慌てて 駆け寄り

お茶を支度し

 

先生に お出ししようとした時

 

カップは 手から滑り落ち

先生の 目前に落下、、、ダウン

 

 

またそれを 洗わんならんわ

 

再度 支度するまで

先生を お待たせするハメになるわで

 

大失態の連続です汗汗汗

 

 

お茶ひとつの事なのに

こんなに 泣かされるとは、、、えーん

 

 

でも 橋蔵先生は

 

お待たせしても

もういい、代わりを、

とは 仰らず

 

僕のお茶を

じっと 待っていてくださいました

 

 

 

「待つ、という事は

 今飲みたい時なんだよ」

 

優しく 教えてくださったのだと 思いますぐすん

 

 

そんな

失敗だらけのお茶係

の 僕に

 

兄弟子さんたちがつけた

ニックネームは

 

【水筒坊や】

 

ああ、、なんとも屈辱的です、、、えーん

 

 

しかし、、


これは

 

先生が 偉そうぶってたのではありません

 

 

これは 単純に

偉いお方にお仕えする、

だけのものでは ありませんでした

 

 

この

 

【相手の思いを察して迅速に行動に移せる】

 

 

 

役者として 芝居をする上で

 

感じる・察する・行動する

 

 

非常に 大切なプロセスで

 

弟子修行における

日々の 日常的行動の中で

 

先生が 身につけさせようとした事でした

 

 

それを

役者として 食べていくようになってから

気づかされたのでした、、ぐすん

 

 

こと

 

殺陣

 

という

 

阿吽の呼吸

が 肝である事に於いては

 

このプロセスは

絶対に 抜いてはならないものです

 

 

弟子修行で

それを 身につけたおかげで

 

殺陣にも 芝居にも

活かす事が できました、、アップ

 

 

 

弟子入りして

二年以上が過ぎ

 

 

お茶を お持ちして

 

先生が 

黙ってそれを

受け取ってくださるようになった頃、、、

 

 

 

 

僕は こうして

 

先生の肩に

直接 袢纏を

掛けて差し上げる事も

させて頂けるように なっていましたほっこりキラキラキラキラ

 

 

先生の 所作や

お着物の 着方なども

 

基本的な 一通りの事は

判ってきて

 

銭形平次の 十手も

お預かりできるように なったのですほっこり

 

 

それから 徐々に

お芝居も させて頂けるようになり、、、

 

 

日々、精進の積み重ねで

今日が あるわけです、、キラキラ

 

 

失敗だらけで

 

お茶一つ 満足に入れられないと

涙した 厳しい弟子時代

 

 

何ひとつ 無駄な経験は

ありませんでした、、、ダイヤモンドキラキラ

 

 

現代では

 

厳しい事 辛い事

 

初めから 排除するような傾向が

強くは ありますが

 

やはり

 

辛く厳しい経験は

 

後の 己の豊かさに

確実に 繋がります

 

 

極寒の冬雪を越すから

春の暖かさチューリップ赤 ありがたさが

身に染みて感じられる

 

 

まさに そういう事、

なんですね、、、ほっこり

 

 

 

しかし、、

 

 

 

うちの家内も そうですが

 

 

何も言わなくても

 

その時の僕の

「ほしい」が

 

気が付けば そこに

ちゃんと置いてあったりびっくり

 

 

そういえば、あれ頼んどかなきゃ、、

思った時には

すでに それをしてくれていたりびっくり

 

 

相手の望みを

察して形にするという

 

僕には

あんなに 難しかったお仕事

 

 

世の中の

 

母上様や 奥方様は

 

日々の生活で

自然と それをこなされているんですよねびっくりあせる

 

 

頭が 下がりますね、、、ありがとう、、お願い100点