家族が好きな事もあり
僕も、時折
宝塚歌劇を観劇いたします
近年の その人気度ゆえに
そう簡単には
見に行けないのですが、、
特に近年、宝塚は
時代劇のバリエーションが出てきたので
興味深いですし、
何より
宝塚歌劇の観劇は
僕のこの歳になっても、
ものすごーーく
勉強になるのです
観に行くたびに、
感嘆、感服
長年 お仕事を共にしている
清家三彦氏が
殺陣師を務めている事もあり
時代劇モノは
特に 観に行きたくなるのです、、
最近では
星組
さんの公演を
幾度か拝見いたしました
洋物も含め、でしたが、、
宝塚での殺陣、
何度見ても、
本当に素晴らしいです
近年の
テレビや映画で見る殺陣とは
明らかに、各段に
レベルが違います。
昔の時代劇の殺陣をみるような
まさに
「胸をすくような」
殺陣です
あんなプロの方達の技術を
何がどうすごい、などと
僕がお話するのも
おこがましくは ありますが
殺陣をプロとして扱う者
一個人としての お話です、、
僕が、いつも感心するのは
まず、スピード感。
誰でもは出せないスピード感と、
それを賄える身体能力、、
あれだけのボリュームを
あれだけのスピードでやっていながら、
まったく必死に見えない。
しんどくないはずはないです。
あれだけやれば、
呼吸さえも 辛い事態もあるでしょうし
きっと袖では
大変な事になっているでしょうに
舞台上では、
それを微塵も見せない。
あれだけ動いても
息で肩を揺らしもしないのは
プロの仕事だなあ、、と思います
舞台上では
ただ動くだけでも
大変な体力です
あれだけの大きな舞台では
端から端の距離も長く
当然、少しの動きでも
移動距離は長い。
その分
大変な体力を要するものですが
彼女たちはそれに加え、
いろんな 「道具」 を持って
縦横無尽に 動き回ります
手に持つ小道具の種類が
僕らと比べて 格段に多い。
しかし、何を持たされても
完璧に扱ってみせる
僕らも当然
いろんな武器などを持って
殺陣をやるわけですが
我々よりも
「モノを持って扱う」
という技術には
うんと長けておられるのでは、、と思います
そんな中で
演じておられる、殺陣。
見ていて
「胸をすく」
のは、
やはりリアリティです。
殺陣の 重要なポイントである
「この斬り合いをするのになぜこうなったか、
どうしてこの殺陣なのか」
を
熟慮して
理解した上で
殺陣をされているのでしょう
彼女たちの殺陣には
ものすごく説得力があり
リアリティがあるのです
形だけ覚えて
つけられた手を
ただ消化しているのではない
だから
あんなに引き込まれるのだと思います
そして 僕が
毎回舌を巻くのが
彼女たちの
「聴く」 能力。
彼女たちは
ミュージカルに お芝居と
常に 音と共に動いているからでしょうか
音楽と音楽の間 の殺陣や
音楽を流しながらの殺陣、
その音を聴きながら
しっかり カウントをとって
殺陣ができているのです
我々の殺陣は
「阿吽の呼吸」
が基本です。
もちろん、
舞台で音楽の流れる中
殺陣をやる事も多いですし
殺陣田村のように
音楽に合わせて演じる、のが
大前提の殺陣もあるのですが
彼女たちのように
つぶさに音楽のカウントを取りながら
殺陣をやる
なんていうのは
簡単な事ではないのです。
もし、我々が
宝塚の あの音楽の中で
殺陣をやったなら
早く終わってしまったり
音楽との終わりが揃わなかったりと
どこか一致しなくなるのでは、、
と思いますが
彼女たちの
音楽と動きのタイミングは
完璧に一致です
僕は、見るたび
その完璧さに
感嘆、感服つかまつり、なのです
一番最近では
星組さんの
「GOD OF STARS -食聖-」
を 拝見したのですが
礼真琴さんの
如意棒の扱いには
見とれてしまいました
あんなに美しく
長物を扱える人の姿を目にしたのは
と～っても珍しいことで
（本当にいないのです、長物の上手な人、、
）
長物（槍や薙刀など）の
大好きな僕としては
あの如意棒で
一瞬にして
目と心を奪われてしまいました
タカラジェンヌさん、
みなさん 本当に素晴らしいのですが
礼真琴さんの
体幹の強さ と
身体の安定感 は
人並みならないものがあります、、
きっと彼女は
持って生まれたモノも
おありなのでしょうけれど、
それを最大限、それ以上、
にするため
努力、努力の人なのでしょう
鍛錬が、
その動きに如実に現れているようです
下半身の安定感、ブレなさ。
殺陣の美しさの根幹は
腰の安定感であり
腰がきっちり据わっているから美しい
ものなのですが
礼さんの、あの安定感は
とんでもない
努力鍛錬の結果であろうとお見受けします。
やはり、殺陣って
下手な人が相手だと
正直、やっていて
ちっとも面白くないのですが
礼さんを見ていると
「うわあ、、こんな人と殺陣やれたら
ものすごーく楽しいだろうなあ、、、」
と、
ワクワクしてしまうのです。
礼真琴さんとは
ぜひ殺陣をやってみたいものです、、
ただ、、
彼女のあのスピード感に対峙するなら
僕、もう少し若かったら
なおよかったかもしれません、、
対峙する相手が
遠慮なく動いてくれないと
殺陣、面白くないですからね、、
脱線、失礼、、
ちと、いちファンの
ただの惚気みたいになってしまいました
いずれにしても、
宝塚観劇団の 皆様の素晴らしさは
ひとえに、
努力・鍛錬に起因するものですね
ひたすら 努力と
創意工夫の上に成り立ってきた
「人の手仕事」
によって
長年 作品づくりをしてきた僕らには
大変 胸を打たれるものなのです、、
今、コロナの影響で
各公演をはじめ
宝塚の劇場も中止となっており
大変 残念で
この業界も
深刻では ありますが、、、
一日も早く この騒動が
終息いたしますように、、、