・・・と言いたい所ですが、遠山の金さんではありません(笑)

 

 

 

 

1998年、テレビ時代劇

北大路欣也さん主演の

 

【清水次郎長】

 

博打場の壺振を演らせて頂いた時の僕です。

 

 

これが、僕が役者になって初めて墨を入れてもらった時でした

49歳、、、か。

 

 

この世界でこの仕事をして33年も経って、

刺青が初めてとは、、

ちょっと意外やなあ、、(自分で言うのも何やけど、、) 

 

 

やはり、刺青と言えば、

タイトルの通り、言わずと知れた

 

【遠山の金さん】

 

 

片肌脱いで啖呵切る

 

「この桜吹雪が目に入らねェか!」

 

の名ゼリフ。

 

毎度ながら 格好良いなあ、、ラブ

 

時代劇の役者としては 一度は演ってみたいと憧れました。

 

 

そんな僕に、

 

「ランタン、今日刺青やで」

 

と、監督からのお声かけ。

 

 

えっ、刺青、、?!びっくり 

 

「今日は刺青のランタンのカットからや」

 

なんと。僕に刺青の入る役が、、、!アップ

 

 

憧れの刺青。

喜び勇んで刺青部屋へ行きました。

 

 

刺青部屋

 

刺青を入れるための専用のメイクルームがあるのです。

 

ここに刺青絵師さんという、刺青をメイクしてくださる職人さんがおられます。

 

 

部屋に入った僕、

初刺青の嬉しさに、いそいそと定位置につきましたニコニコ音譜

 

 

 

刺青を入れてもらう時のスタイル。

 

刺青絵師さんと、

二名ほどのアシスタント的役割の方、

 

三名がかりで作業にかかります。

 

 

描かれる方は、皆さんが描きやすいよう、

あぐらをかいてどっしり座り、

 

手をつく台座、、、 お殿様の肘掛がちょっとイメージしやすいでしょうか、

これに手を乗せ、

自分で動かぬよう、努めてじっといたします。

 

 

描きはじめは、みなさんが黙々と描いてくださるのを、

ワクワクしながら、体が動かぬように目で追って見ては、

 

どんなんなるんやろうなあ、金さんみたいになるんかなあ、、、ニコニコ

 

と、完成図を思い描いてニヤニヤしておりました。

 

 

が、、、

 

 

終わらない。

 

 

予想していた時間と、作業の進み具合が、違います。

 

みなさん、ひたすらコツコツと描き進めてくださるのですが、、、

 

 

次第に、抗いがたい眠気に襲われ、

瞼が、、閉店いたしますよ~、っと、勝手にシャッターを降ろしにかかります。

 

 

動いてはいけない、、、!!

眠ると動いてまう、、、!!!ガーン

 

 

横になりたい、動けない、眠りたい、動けない。

 

 

激しい眠気と理性と葛藤と。

ああ、きっと江戸時代の拷問ってこういう感じなんやろうなあ、、、えーん

 

 

・・・・・・ カメカメカメカメカメ

 

 

 

ハイ、お疲れさん!

 

 

絵師さんから完成の合図があったのは、、、

 

作業開始から3時間も経った頃でしたガーン

 

刺青ってこんな大変なもんやったんや、、、汗汗汗

 

 

思えば、開始予定時刻の3時間前にメイク入りと言われて、

 

えらい早いなあ、、なんて深く考えもしなかったけど、

 

こういう事やったんやね、、、汗汗汗

 

 

僕のこの写真は腕から胸までしか写っていませんが、

実はこれ、背中にもびっしり描いてあるんです。

 

金さんの桜吹雪はもっと細かい絵柄だし、

歴代の金さん達は毎回これを耐えていらしたのか、と

舌を巻きました。

 

 

テレビで見ると、数分のカット。

 

あの胸をすくような格好良さの陰には、

気の遠くなるような裏方さん達の作業があるのだと、

改めて知った、良い経験でした。

 

 

みなさんが、

丹精込めて描いてくださった

刺青背負って、いざ本番。

 

ランタンのカットからやで!

と監督に言われておりましたが、、

 

背中のカットからのスタートでした(笑)ショック

 

 

だけど、みなさんがあれだけ手間暇かけて描いてくださった刺青だもの、

どアップのカットがあっても いいよなあ、なんて

楽しく 撮影を 終えましたニコニコ

 

 

どの世界でも 陰ながら しっかり支えてくださる

”縁の下の力持ち”

さんの存在があってこそ 成り立つものなのですね、、、照れ

 

 

 

しかし、僕、これ49歳て。

何か今のほうが 元気そうに見えるなあ、、、?