『COVER 70's』(柴田淳


先日『COVER 70's』が発売となり、ネット上でエロいと話題?になっていた初回盤を購入しました。

ブックレットの中にご本人が書かれた文書があります。具体的に何が書いてあるかはぜひご購入されて読んでみて頂ければと思いますが、「語られている」イメージを持ちながら読みました。お人柄が出ているのかな(妄想)。

アルバムを聞くと、もはやそこには'70年代の世界が広がります。私は'77生まれですが、小さいころから音楽を聴いてきたわけでは無かったため、残念ながらほとんどの曲は"初めて"聞く曲となりました。

この'70年代の世界を創りあげられた柴田淳さん、ご本人もおっしゃるように、「うた」のルーツがこの時代から培われてきたのだと思いました。決して「演じる」ことなく、「柴田淳」としてうたわれている。でも生まれてきた空間はまさに'70年代の世界。

決して古いという意味ではありません。当時の音楽や原曲を知らないため、これが世の中で「名曲」とされていることすら分かりませんが今の時代には無い(失ってしまった)ものがこの曲の中に流れていると思います。


サウンドも現代と異なりますが、今と一番異なっているのは「ことば」でしょうか。


かねてから「思うことをハッキリと言わない日本人」とされ、それは「悪」として主張することが全て「良」とされてきたわけですが、主張することが全て「良い」とは限らないということを思わせてくれます。

たとえて言うなら、「ぼくはこう思っているよ。きみはどう思う?」と相手に"語りかける"感覚。

「オレはこうだ!」じゃなくて、「ぼくはこう思ったけど、あなたはどう感じたの?」と自分の意思を持ちつつ相手のことも尊重するというか。


当時を知っている方も、ナウい(←古いか…。)方々も、「'70年代の曲をふたたび」ではなく「柴田淳のうたううた」として、ぜひ聞いてみなされませませ。