はい、どーも!井上です!
関西を中心に精神科医かつ産業医しています!
ラフな人生をめざしていきましょう(^^)
突然ですが
もしあなたの友人などに
次のような症状があれば
どのようにアドバイスしますか。
・朝から元気がでない…
・朝は体が重たくて遅刻してしまう…
・顔色も青白くて悪い…
・フワフワとしためまいが起きる…
このような症状があれば
『うつ病なのかも…』
と感じる人も多いかと思います。
なので、友人であれば
『一度、心療内科に行ったらどう?』
と声をかけるのではないでしょうか。
ただ、実際には
うつ病のようで全く違った
体の病気もあります。
有名なのは
甲状腺機能低下症ですね。
ほかにも
普段から使っている薬の影響で
精神的な不調をきたすこともあります。
たとえば
ステロイドやインターフェロンといった薬は
副作用として精神的な不調をきたします。
このあたりは
心療内科や精神科を受診する前に
内科などでチェックすることができます。
ただ、これら以外にも
もっと身近なことが原因で
うつのような症状をきたすことがあります。
灯台下暗しな感じで
意外と見逃されています…
正直な話…
私自身も、ふとチェックするのを
忘れることがあるので
戒めのための記事にもなりますが
本日はこのあたりのお話をしましょう。
精神科の外来には
先ほどのような症状に困って
病院に来院される人はたくさんいます。
内科的に色々と検査しても
全く問題がなく
ただ、うつ病の診断基準もきっちりは満たさず
一体なんだろう…と悩むことがあります。
ふと、このような時
血圧に注目していると
低血圧であることがあります。
意外かもしれませんが
実は、低血圧が原因で
うつのような元気がでない症状を
引き起こしていることがあります。
血圧といえば
高血圧であることが
心筋梗塞や脳出血など
致死的な疾患のリスクが上がるので
注目されています。
しかし、その一方で
低血圧にはあまり言及されていません。
ただ、当然ながら…
『高血圧じゃないから
低血圧は全て問題なし!』
なんてことはありません。
そもそも、低血圧というのは
体の中では次の2つの状況のどちらかが
起こっていると考えられます。
①心臓のポンプ機能(全身に血液を送り込む力)が弱っている
②心臓から遠い場所である手足の先っぽ(末梢部位)の静脈血が留まっている
難しいことは置いといて…
要するに、低血圧でこのような状態だったら
血のめぐりが悪い状態なんだなと
思ってもらえたらOKです。
そして、血のめぐりが悪いと
からだの臓器の1つ1つの細胞に必要な
酸素や栄養、ホルモンなどを
届けることができなくなります。
とくに、立っている時は
頭が心臓よりも上にあるので
より脳への血流も減り
全身で色々な症状も出やすいのです。
少し余談ですが…
このような症状が起こるのは
血流が悪いからだけの理由ではなく
ホルモンや栄養などの
体に入ってくる材料が少なくなっても
同じようなことが起こるのです。
だからこそ
”食事が大切です”という話は
以前のブログ記事でしているので
参考にしてください。
⇓ ⇓ ⇓
①
②
つまり、うつのような症状に対して
材料そのものに注目して
食事から考えるか…
材料を運ぶ流れに注目して
血流から考えるか…
の違いであり、根本は同じです。
そのため
鉄という材料が少ない貧血の人も
同じような症状が出るのは
納得できるのではないかと思います。
ここまでで
低血圧が軽く考えていい疾患ではないことが
伝わっていることでしょう。
では、
どれくらいの血圧で値で
低血圧と判断すればいいのでしょうか。
1つの目安としては…
上の血圧が 100以下です。
ただ、実際には
普段から上の血圧が
100以下の人もおられます。
もし、100以下であっても
日常生活に何も問題がないなら
生まれ持った体質だと考えてしまって
心配する必要はありません。
では、健康診断などで
上の血圧が100以上なら
全く問題ないかといえば
そんなこともありません。
健康診断などのように座って測定する時は
上の血圧が100以上あるので
特に問題がないようにみえても…
立ち上がった姿勢で血圧を測定すると
血圧が21以上も下がっていることがあります。
ほかにも様々な診断基準がありますが
これを起立性低血圧といい
朝にスッキリ起き上がれない症状などが
でてきます。
特に若い人は
座った姿勢から立ち上がると
急にストンより血圧が下がるというよりは
10分くらいかけて
ゆっくり血圧が下がっていきます。
病院では専用の測定の器具もありますが
まずは簡易的に家で測定するとしたら
下記のような測定がいいですね。
寝転んだまま1回目の測定
3分後に2回目の測定
さらに、3分後に3回目の測定
ここで立ち上がる。
立ち上がってから3分後に1回目の測定
3分後に2回目の測定
3分後に3回目の測定
この6回の測定でどれほど
血圧に変動があるか確認します。
では、今日のおさらいです。
低血圧によって
うつ病のような症状が
出ていることがあります。
今日は、低血圧に関して
色々と話をしましたが
かなり奥が深いので
細かいことろまで話すぎると
木を見て森を見ずの状態になるので
とりあえず、このあたりまでにしましょう。
『もしかしたら…』と
思い当たる節がある人は
まずは普段の血圧を毎日のように
自宅で測定してみましょう。
血圧はとても身近ですが
低血圧は、意外と見逃されやすいうえに
診断も決して簡単ではありません。
必ず、患者さんの協力が必要です。
真剣に気になる患者さんには
下記の時間帯を目安にして
1日10回の測定を続けてもらいます。
・朝起きてすぐ
・朝食の前と後
・昼食の前と後
・夕食の前と後
・お風呂の前と後
・寝る前
血圧はたった1回を測定して
その結果に一喜一憂するものではなく
データを集める必要があります。
そのうえで
時間帯や体勢によって
血圧の変動が大きいことに
気がつくことがあります。
それによって
はじめて診断に一歩近づく感じです。
(下記、注意です)
最近、個人的な症状や治療の質問を
送ってくる人が増えてきましたが
目の前にいる患者さんですら
しっかり治せていない私が
会ったことも無いあなたの症状や治療などに
アドバイスなんて出来るわけがありません(T_T)
気になることは
必ず主治医の先生に聞いて下さいね ^^
では、今日はこのへんで!
=(大切なお知らせ… (*´ω`*) )=
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