発達障がいって? | 特別支援学級教員のブログ~人生、何事も勉強~

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3浪した大学受験、充実した大学時代を経て、小学校特別支援学級の先生になりました。
そんな日々に思ったことについて、たまに更新していきます。
コメントとか待ってます。

今までこのブログの「教育実習日記」で、発達障がいについての記述を多数しました。
でも良く考えたら、普通の人には「何のこっちゃ?」って感じですよね。

では最低限のことを知って貰おう、で「教育実習日記」にリンクを貼ろう、というのが今回の企画です。
↓個々の障がいについてはこちら
自閉症って?

ADHDって?


今回はその概論を。

発達障がいを一言で表すと、
「発達凸凹」
です。
例えばこれを読んでる貴方。好きな教科・嫌いな教科、あった(ある)と思います。
スポーツが得意な人も居れば、勉強が得意な人も居る。
みんな、発達凸凹なんです。仲間なんです、実は。

でも、その発達凸凹に「社会的不適応」が入ると「障がい」となります。
学習障害(ある特定の分野だけすっごく苦手な人。全体的な知能はごく普通)なんかその最たる例で、
例えばビートたけしなんかは、あれだけ頭の回転が速くて言語能力は天才的なのに、計算に関しては九九もままならないんだとか。典型的な演算障がいです。

トム・クルーズは字が読めないので、テープレコーダーで脚本を覚えているそうです。典型的な読み書き障がい(ディスレクシアとも)です。しかし、彼の役者としての才能は説明するまでもありません。

多くの発達障がいの人は短期記憶(ワーキングメモリー)が少なく、多くの指示を覚えてられません。
例えば私が出会った自閉症の子にこんな子がいました。先生が「学習帳の○ページ出して。」と言うと周りをキョロキョロ。授業に付き添っていた私が横で、
「学習帳だって。(出したのを確認して、)○ページだって。」
と教えると、ちゃんと指定されたページを開くことが出来ました。

彼が先生の指示を聞き終わった時には、もう「○ページ出して」しか頭に残ってなかった訳です。
だから、まず何を出すのかが理解出来なかった。
その時は私が横に居たから良かったものの、いつもその先生がそんな指示を出しているのかと思うと、ゾッとしました。

しょっちゅうブログにも登場する「特別支援教育」とは、視覚・聴覚障がいや肢体不自由は勿論、そういった発達障がいや知的障がいの子に対する教育のこと。私の大学での専攻分野です。
「特別支援教育」という言葉くらい常識だと思っていたのですが、先日工学部の友人から「知らない」と言われ、ちょっとショックでした。
以前は「特殊教育」と言われていた分野で、2007年に法律等でも「特別支援教育」と書き換えられました。
それに合わせて、「盲学校」「ろう学校」「養護学校」と呼ばれていたものはまとめて「特別支援学校」と言われるようになりました。
但し未だに「○○養護学校」と呼ばれているのが殆んどなのは、世の中にその名称が根付いているため、わざと変えないようにしているようです。言わば愛称みたいなもので、学校教育法に基づけば、正式名称は「○○特別支援学校」なんです。


因みに、私がここまで「障害」ではなく「障がい」と書いて来たのは、前者の表現を嫌う人がいるから。マイナスなイメージが大きくなるからでしょうね。最近は特別支援教育関連のセミナーとかでも、後者で表現されることが殆んどです。

・・・と、これで説明し切れたか心配ではありますが、取り敢えず概論はここまで。
明日は、個々の障がいを扱ってみたいと思います。