自治組織の移り変わり
◎Point.戦前の地方政治
天皇→(強い権限)→帝国議会
↓任命
府県知事←(強い権限)←内務大臣
↓ ↓強い権限
↓ 府県会
↓選定
市町村長→(強い権限)→市町村会
当時の都道府県知事は、国のお役人さん、いわゆる官僚が、地方に派遣されて就任していました。今のような知事選挙などは無く、天皇や政府が知事を任命していました。その府県知事・または内務大臣が市町村長を選び、決めていました。以上の人事に庶民が入るすきは無く、実質的には首長はすべて国が決めていたことになります。
一方、帝国議会・府県会・市町村会の議員は、国民が選ぶことができました。しかし、高額の税金を払っている人、つまり一部の大金持ちしか選挙権はないため、皆の意見がしっかり反映されているとは言い難いものでした。
また、首長の権限はとても強く、地方政治において議会の影響はさほど大きいものではありませんでした。
戦前の地方政治は、「地方自治」とは形だけで、実際は中央政府の言いなりにならざるを得ない、国民の意見を無視したものでした。
◎Point.戦後の地方政治
政府(省庁)
↓委任↓
↓事務↓
知事 ↓
都道府県 ↓
議会 ↑ 市町村長
↑ ↑ ↑ 市町村
↑ ↑ ↑ 議会
↑ ↑ ↑ ↑
(選挙)(選挙)
↑
市民(国民)
戦後、首長や議員は全て、国民による選挙で選ばれるようになりました。
しかし、完全に「地方自治の本旨」に則ったとは言えない状況でした。その大きな原因が、機関委任事務と団体委任事務です。
○機関委任事務
…地方自治体を国の下部機関と見なし、国の命令によって地方が行うもの。強制力がある。
○団体委任事務
…国から仕事を任されはするが、任された地方自治体は、やるかやらないかを自由に選択出来る。
問題は機関委任事務です。本来、国が責任を持ってやるべき仕事を、地方に押し付けているということです。
つまり、本来地方公共団体は国から独立した存在であるはずなのに、国の下っ端としてこき使われていたことになります。
◎Point.日本が目指している地方政治
市町村長⇔ 都道府県 ⇔政府
⇔議会 ⇔議会 ⇔国会
↑ ↑ ↑
< 市民(国民) >
要は、国と地方の対等な関係です。
国が、「補助金をやるからオレについてこい」と言って地方を服従させるのではなく、国と地方が対等に意見を出し合い、力を合わせて政治を行うことです。
一応、現在も建前上は対等ということになっているのですが、実際は全くそんなことはありません。
近年、国から地方への許認可権(国による、「これやってもいいですよ」という地方への命令。つまり、国がNOと言えば、地方が独自の政策を行うことは不可能)、国の出先機関(地方に設けられた中央省庁の出張所。地方自治体の活動に大きな影響を与えているとされている)などをなくそうという動きにあります。しかし、民主党政権になり、その動きが進行しているようにも見えます。
これからの動きに注目です。