アオタケ囲碁通信 -4ページ目

週末は碁会所へ

大岡山の林囲碁クラブに行ってきました。

平日にしてはかなり盛況で、ほぼ満員。
自分も三局打たせてもらったけど、楽しかったです。


絵画の転売の仕事をしている三段の方からは
一か月にどれくらいの月商なのか、
利益率や扱う商材はどれくらいなのかと聞かれ
助言も色々頂きました。

「とにかく売上を上げろ」
「競合のいない商品を探せ」
「買ってるお客さんの属性を徹底的に調べろ」
「売れない在庫は即損切りして二度と買わない」
「仕事なんてのはただの暇つぶしだ」


碁会所にいた棋士の先生からは

「大木君は序盤は問題ない。
だが石が競る中盤のねじり合いやヨセで
途端に弱くなる。明らかに実戦不足なので、
詰碁と実戦をひらすら繰り返しなさい。
そうすれば五段までは絶対にすぐ行ける」

「難しい詰碁はやらなくていい。
初段クラスの詰碁本を10冊買って
ひたすら回し読みしなさい」


というアドバイスを頂きました。


先生は非常に厳しい方らしく、
アドバイスしたことをしなかったり忘れると
激詰めされたり見限られてしまうらしいので、
当面は言われたことをしっかりやりたいと思います。


碁会所って天国だ。
これで席料500円とか1000円ってのは
明らかに安い。有難いけれど^^

価値提供する側とされる側のいい関係を
長く続けていこうと思ったら、
手土産や土産話持って行くとか、
お客さん連れてくるとか、席料の数倍くらいは
何かお金以外の形で持参していきたいものです

日本棋院の労働組合でストライキ

日本棋院の労働組合でストライキが起こっているようですね。

YahooニュースとかGoogleにはほとんど何もソース無いですが、
Twitterで検索すると今日の棋院前の様子とか、色々載ってます。



以前、とある棋士の先生から聞いた話ですが、日本棋院では、理事自体は投票で選ぶ一方、理事本人が直接実務に常時関われない影響で、その理事が外部から側近を数名誰でも承認を得ずに自由に呼べる仕組みになっており、ここで外部から呼ばれる(理事の所属元の会社等から呼ばれる)社内政治のプロや招聘制度自体が棋院の施策やモラルを内部から腐らせている元凶とのことです。

働く人がいなくなったり、棋院が機能しなくなると困る人は本当に多いと思います。機関紙・免状発行・棋戦運営など勝手にやる組織が俺だ俺だと乱立してた倒幕後の時代の二の舞になるかもしれない。だけど不当な扱いを受けていることが分かっている状態で働かされるのは、職員の人達が可哀想です。

日本棋院に就業して働く人って、僕の偏見ですが、率先して主体的に何かをするようなリーダータイプの人の集まりでは元々無いと思うので、こうやってストに踏み切るのは相当な負のパワーが溜まっていると思うんですよ。

真の一次情報は棋院で働くとか囲碁界上流の情報に深く携わることでしか見えてこないと思うけど、そこまで深入りしたくはないんだよな。棋院内部でクーデター考えてる方がいたら、頑張ってほしいとしか言えないし、自分は自分のやるべきことをやろうと思う。

中途半端が一番良くない

先週は宝酒造杯の札幌大会、
昨日は乱石会という有段者の碁会に参加。

結果、両方とも負け越したのですが、
ここ最近の対局を通じて感じたことがあります。


それは、中途半端に強くなりたい願望を持っていたり、
中途半端に勉強するのが一番良くないということです。



全力を尽くした上で負けるのと違って、
中途半端に取り組んだ上で負けてしまった場合、
負ければ負けるほど自信が失われていいきます。



中途半端でも時間などのリソースを
そこに投じている以上、人生を浪費しているどころか、
自らマイナス方面に突っ込んで行くのと同じです


周りを見渡しても、敵か目標を設定して
「絶対に負けない」と決めてアクセル全開にするか、

燃え尽きる OR 完全に割り切って勝負から速攻で撤退し、
別分野にエネルギーを注ぐ対象を切り替えてる人の方が、
うまくいっているケースが多いと感じます。碁も仕事も。


上司や先輩の
「やる気がないなら辞めろ」は、言い換えれば、

「自分の自信を失うことに時間を使うくらいなら、
 他のことでもいいから、自分に自信をつけることや
 情熱を向けられることにエネルギーを向けろ」

「もし未練があるなら、本気でやれ」


という意味も込められている場合があります。
(本当にただただ理不尽に感情で怒っている場合もありますが)


色々手を出すことで全部中途半端になってしまうのは、
自分のやる気や活動限界をまだまだ持て余しているか、
逆に今の自分にとってプラスになるための許容範囲を
超えてしまっているということだと思います。


中途半端は、やめよう。

向源に来たらこれを食え!日本橋編

向源はイベント自体も楽しく興味深いものですが、
せっかく普段行かない会場に行くからには、
会場近くにある美味しい店を堪能し、
五感をフル稼働して1日の時間を堪能してもらいたい!

そんな想いから、今回はお勧めの店をひとつ紹介します。


今回紹介するのは、
三越前駅近くにある天丼屋、金子半之助です。





最大の武器は口の中で柔かく溶ける衣であり、
何の抵抗もなく胃袋にスルリと
吸い込まれていく食感には、

お客さんに

「心地良く美味しさを味わったまま
 満腹になってほしい」


という心遣いが明確に伝わってきます。


材料を細かく刻んで主張を抑え、
天丼本体を支えることに専念する味噌汁を飲む際には、
トップ棋士を献身的に支える奥様の姿が脳裏に浮かびます。


コスパも良く、唯一の欠点である長い行列さえ目を瞑れば、
神の一手に近付けるのは間違いありません。

向源日本橋当日はおそらく普段以上の混雑が予想されるので、
開店一番か、向源が終了後の時間帯に訪れるのをお勧めします。
http://tabelog.com/tokyo/A1302/A130202/13118694/


美味い飯を食べて、
囲碁やイベントを楽しんで、
楽しいGWにしましょう!

本番以外で培われる絆と、本番で培われる絆





先週土曜夜のアミーゴの懇親会で、参加者の大塚君に
アオタケの始まりから次世代構想を話したところ

「弱虫ペダルを読むのがお勧めです」

と言われたので、すぐにAmazonで全巻セットを注文、
日曜日の半日を使って一気に読みました。




弱虫ペダルは、週刊少年チャンピオンで連載中の、
高校自転車競技部の自転車レースを描いた漫画です。

2008年から8年間連載中で現在44巻まで販売しており、
2015年講談社漫画賞受賞、アニメ化や舞台化がされるなど、
同誌を代表する、大人気の長期連載漫画となっています。




この漫画の最大の特徴は、漫画の9割以上の内容が、
自転車レースの心理描写やレースの駆け引きを
徹底的に描いているところです。



恋愛要素はほぼ皆無、休日の様子や過去の回想なども
多少はありますが、ひたすら自転車を必死に漕ぎ
エースをアシストする選手、山登りを極める選手、
仲間を助ける選手などの鬼気迫る表情や躍動感などが
ノンストップで何十巻も描かれています。

初回のインターハイの3日間のレースだけで
19巻分も使っているのには、正直ビビりました。




そうなると当然、
・登場人物の精神的/技術的な成長
・仲間の絆やチームワークの向上
これらも全て「本番の試合」によって
起こっている様子が中心に描かれるのです。


これが、僕がアオタケの活動を始めたきっかけである
駅伝小説・漫画の「風が強く吹いている」になると
全く逆で、登場人物の成長やチームワークは
普段の練習や日常生活によって起こった面が
クローズアップされるようになります。


どちらが漫画として面白いのかは分かりませんが、
僕が思うに、弱虫ペダルのような
「本番・試合によって培われる絆」というのは、
その競技を実際に一定のレベル以上で
真剣にやった人にしか、分からないと思うのです。




例えば、ヒカルの碁だったら、院生になって
且つプロを本気で目指した人が監修をしないと
どこか違和感の残る漫画になると思うし、

弱虫ペダルを、自転車に乗ったことが無い人や
趣味の延長で自転車に乗っている程度の人では
描くのは難しそうだと感じる点がたくさんあります。


僕も学生時代はトライアスロン部に所属し、
18歳の時には国体に出場したことがあったので
界隈のことは大体知っていたつもりでしたが、
改めて、自転車同士の勝負はここまでシビアなのかと
とても新鮮な気持ちで読むことができました。


それくらい、この漫画は熱いです。




「本番で培われる絆」

これは、弱虫ペダルのように、
全国大会などの明確な目標が用意されており、
若い感性で目の前のことを純粋に吸収しやすい
学生時代の部活動等に見られやすい傾向があります。


「本番以外で培われる絆」

こちらは、誰かが最初から用意してくれる目標が減り、
目指すものや各々が取るスタンスに多様性が生まれる
大学生~社会人に多く見られるような気がします。


「大学や社会人で出会った友達とは、長く関係が続く」
という話をよく耳にしますよね?

その背景の一つは、学生時代の部活みたいに
目標設定や一致団結を顧問や学校や連盟から
設定されないからです。

自分の意思で自由に人と関わることができる環境は、
価値観を統一したり志を共にする状況が起こりにくい為、
そういう相手に出会えると、貴重な存在になります。




年齢を重ねる毎に、一つの大きな目標に向かって
全員が心をひとつにする機会は減っていると感じますが、
だからこそ、そういう場や仲間にもう一度巡り会えた時は、
その縁を大事にしていこうと思います。



追伸:
登場人物の中では、巻島さんが好きです。