【時刻表に掲載なし!?】JR小海線の隠れ臨時快速 | しなのは走るよ♩♫どこまでも☆♩♫♬

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よろしくお願いします。

みなさんこんにちは。


グリーン車に魅せられ、通算100回以上在来線特急・新幹線のグリーン車を乗り通したゼルファーです。


本日は山梨県小淵沢駅に来ています。



今回はこの小淵沢駅から


時刻表に記載のないJR小海線の隠れ臨時快速列車


に乗って、長野県の中込駅まで行ってみようと思います。




 小海線の時刻表




旅行日は2021年10月9日。


まず(株)交通新聞社から出版されるコンパス時刻表10月号の小海線のページをチェックします。


写真を見ていただくと、小淵始発の列車は普通列車のみで1日10本。


特に『快速』表記の列車はありません。



続いてこちらの写真は巻頭に掲載される臨時列車のページ。


快速HIGH RAIL1号・2号・星空の記載がある他は何もありません。


今回乗車する列車は、これら時刻表のどこのページにも掲載されていない隠れた快速列車となります。



さて。その列車とは??




 八ヶ岳高原列車5号



こちらは改札口上部に掲げられた電光掲示板。


3段目の小海線の案内を見ると


八ヶ岳高原列車5号


と表示されています!


今回乗車するのはこの列車です。




 4番線から発車します



列車が発車するのは4番線


こちらが13:19発快速八ヶ岳高原列車5号中込ゆきです。


運用されるのはJR東日本長野支社所属のキハ110系気動車2両編成


小海線内の普通列車に割り当てられる車両です。



形式としては『臨時快速』の扱いになっていますが、特に指定席券や乗車整理券などは必要なく乗車券のみで利用できるので、『青春18きっぷ』も使えます。




 車内の様子



中に入って車内を観察します。


座席配列は進行方向左側にボックスシート、右側にシングルシートが並びます。


通路はやや広め。


ブラインドがカーテンになっている以外特に目立った設備は無く、純粋に『ローカル線を走る普通列車』という雰囲気です。



始発の小淵沢では全てのドアが開いていますが、ワンマン運転なので乗り降りする際は前寄り車両のドアから乗り降りします。


乗車側のドアには整理券の発給機



降車側のドアには運賃箱両替機



そして運賃表です。


見た目は快速、中身は鈍行。


『快速』表示との差が面白いです。




ちなみにお手洗いは後ろの車両にあります。

いつもなら写真を掲載しますが、今回は諸事情によりカットさせていただきます。



 停車駅



快速八ヶ岳高原列車5号は小淵沢を出ると、甲斐小泉、甲斐大泉、清里、野辺山、信濃川上、佐久海ノ口、小海、終点中込の順に停車します。

小海線は星空が描かれた駅名版となっているのが特徴的ですが、これは日本で最も標高の高い地点1,375mを通る鉄道路線を象徴してこの様な駅名版になっています。

この事から、小海線は『八ヶ岳高原線』の愛称で親しまれています。



 小淵沢発車



列車は定刻通り13:19に発車。

しばらくは進行方向左側に中央本線を眺めながら走行します。

中央本線に別れを告げた後、南アルプスが魅せる雄大な山並みが視界に入ってきます。


ここは小諸方面に向かって緩い右カーブを描いており、小海線の中でも人気の写真撮影スポット

小海線を紹介する旅行ガイドなどの写真に、南アルプスを背に走る列車がよく紹介されます。

なお小淵沢駅は標高886.7mですが、ここから野辺山駅(1,345.67m)まで一気に459mを駆け上がります。



 信濃川上までは各駅停車



小淵沢を出発後、信濃川上駅までは各駅停車で進みます。


写真は野辺山駅手前の清里駅の駅名版。



標高1,274.69mにある駅で、標高では野辺山駅に次ぐ国内第2位の駅になります。


ここから国内の鉄道最高地点1,375.67mまで、さらに100m上ります。




 国内最高地点1375.67m



野辺山駅が近づくと、鉄道路線として国内で最も標高の高い1,375.67m地点を通過。


かつてここには1986年に開設された『フォトデッキ駅』があり、臨時列車が2本だけ停車しました。


いわゆる仮乗降場として開設された様ですが、様々な事情により同年中に廃止となったとの事。


もしこの駅が現存していたら、鉄道路線として国内で『最も標高の高い地点』と『最も標高の高い駅』の称号を独占していた訳ですが、そうは問屋が卸さないという訳です。




 宇宙(そら)に最も近い野辺山駅



先程の国内最高地点を通過して約3分。


野辺山駅到着。


ここが、国内最高の標高1,345.67mにある鉄道駅です。


トロリーバスやロープウェイの駅を除けば、普通鉄道の駅として日本一。



いつも鉄道旅行で車窓からなんとなく眺める宇宙(そら)も、何故かとても近くにある感じがしてきます(笑)



 八ヶ岳高原線の真骨頂



写真は信濃川上駅までの区間走行中のところです。

進行方向両側には高原野菜のレタス畑が広がります。


レタス畑を抜けると周囲は森林。

曇り空とのコントラストがふつくしいです。


信濃川上駅の沿線案内図がステキ。


千曲川はいつもより水が澄んでいます。


レトロ調な佐久海ノ口駅の駅名版。

小海線には『海』の名称が付く駅が全部で4駅あります。

長野県は海無し県ですが、海の名称が付く駅名版や長野県出身の力士『御嶽海』など、違った形の海がたくさんあります。


ふつくしい自然の中に溶け込む人々の暮らし。

車窓から眺めるこれらの沿線風景は、人間のジャングルで疲弊した心の荒野を草原に変えてくれます。

これが八ヶ岳高原線の真骨頂です。



 小海駅を探検



小海駅では列車との行き違いのため、10分少々停車をします。

ここでほとんどの乗客が降りてしまい、車内は私を含めて数人になりました。

発車まで時間があるので、小海駅を少し探検してみます。


小海駅は2面3線の駅で1日に約160人が利用します。

標高は865.1mなので野辺山駅からは一気に480m以上下ってきた事になります。


2番線ホームから列車を望む。


石碑がいい味を出しています。


この先は中込・小諸方面。


列車を背にそびえる駅舎の時計塔。


ちなみに小海線は2007年からキハE200系気動車が運用されています。

世界初のハイブリッド気動車ですが、大まかな走行原理はトヨタ・プリウスなどのハイブリッド自動車と同じで、エンジンとモーターを組み合わせて走行する事により、上り坂でのトルク不足やCO2排出量の削減など、従来の気動車よりも環境に配慮した車両となっています。



 小海から先は9駅連続通過



小海を出発後は中込駅に向けて、時折小海線の最高速度85km/hで光速走行。


写真は長野県道2号線と並走中です。


収穫前の稲穂が実る田園は金色の絨毯。

この中をぐんぐん進みます。

中込までは途中に9つ駅がありますが、この列車はすべて通過。

雰囲気は特急列車の様です。


もうしばらく進むと、住宅街の車窓に代わります。


左右に住宅街が見えてきました。

ここまで来ると、中込駅は目と鼻の先です。



 終点中込駅



小淵沢を出発して1時間37分。


14:56に終点中込駅到着です。




なお今回乗車したこの列車ですが、以下の様にいくつかの謎があります。


⚪︎なぜ時刻表に記載がないのか

⚪︎なぜ中込までの中途半端な運行なのか

⚪︎そもそも列車の名称的に観光列車なのか


これらの謎について補足していきます。




 補足事項



こちらの写真は(株)交通新聞社出版のコンパス時刻表2019年8月号。


実は『八ヶ岳高原列車』という名称の列車は臨時普通列車として、毎年7月〜9月の行楽シーズンに小淵沢〜野辺山間を2.5往復運行されています。


10月号の時刻表に記載が無かった理由は、元々9月末までだった列車の運行が単に10月まで延長されたからという事です。



続いてこちらの写真はコンパス時刻表2021年6月号。


先程の2019年8月号の時刻表と見比べると、八ヶ岳高原列車5号だけ快速列車に格上げされて、しかも中込までの運行形態となっています。


過去の時刻表を調べると、2021年から快速列車に格上げとなっていますが、なぜ5号だけこの様な運行形態に突然変わったのでしょうか??


これは恐らく20年ほど前に小海線内で運行されていた『臨時快速やっぴー八ヶ岳号』を復活させたものと思われます。



上の写真は小型全国時刻表2002年10月号(左側ページの上部に『14.9.20訂補』とありますが、これは『平成14年9月20日』を意味します)。


これを見ると、小淵沢9:15発『快速やっぴー八ヶ岳号中込ゆき』という臨時快速列車の記載があり、この列車は今回乗車した快速八ヶ岳高原列車5号と発車時刻は違いますが小海までの停車パターンが全く同じで、中込までの運行となっていることがわかります。


つまり八ヶ岳高原列車5号は、快速やっぴー八ヶ岳号を改変して復活させた列車になるという訳です。



以上の点を踏まえると、この列車はイベント満載の観光列車とは言えませんが、多客期に輸送人員を増やすための増発列車とも言えません。


ゆえに観光列車と呼んでいいかは微妙なところですが、7月〜9月限定という運行時期と列車の名称を考慮すると、HIGH RAIL1号・2号・星空と並んで小海線の観光列車と呼べそうです。




 おわりに


今回は時刻表に記載のないJR小海線の隠れ臨時快速八ヶ岳高原列車5号に乗車した時の記録についてお伝えしました。


2022年以降も運行されるかは不明ですが、小海線を走る新たな観光列車として定着すれば乗り鉄の楽しみも増えるので、今後の動向を見守りたいと思います。



私のブログをここまで閲覧いただきありがとうございます。


感謝してます。




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