「人は、何のために生きるのだろう?」 -78ページ目

「人は、何のために生きるのだろう?」

「自分だけの幸せ」ではなく、「誰かの幸せを自分の喜びにする生き方」にあるのではないか。
我欲ではなく、愛情を中心に生きる。
そんな生き方を、歴史や社会、身近な出来事、そして人生の「なぜ?」を通して、皆さんと一緒に考えていきたいと思っています。

 

第九章 ノアトライアングル


真っ暗闇の世界がどれほど続いたことだろう。

 

神様は絶望に打ちひしがれながらも、決して休まれることはなかっ

 

た。

 

神様は心の内で言われた。

 

「とにかく信頼できる人物を見つけ出さなければ・・・。」

 

暴虐に満ちた人間世界をさまよいながら、神様に帰ろうとする、た

 

とえかすかな本心の叫びでもキャッチしようと耳をそばだてた。

 

神様はミカエルを呼んで言われた。

 

「ミカエルよ、私はようやく一人の義人を見出した。ノアだ。彼は

 

悪に染まらず正しい道を歩んでいる。きっと彼は私の目的を達成し

 

てくれるであろう。」

 

ミカエルは言った。

 

「ご主人様。アダムトライアングルの失敗以来10代目になりま

 

す。歳月は1600年も過ぎ去りました。この間に悪魔に染まった

 

暴虐の民は、手のつけられない状態になっています。あなたは一体

 

どうなさるおつもりですか?」

 

神様は言われた。

 

「私は地上世界を造った。その目的は地上界で三大責任を完成する

 

ことによって愛の完成者を造ることであった。そのために宇宙環境

 

を造り人間を造った。私が人間を造って親になったように、人間に

 

も人間を生み出す仕組みを採用した。それが結婚制度だ。私は創造

 

の法則によって宇宙を造り、親子の法則によって人間を創造した。

 

人間は創造の法則に従って環境を整備し、親子の法則を満たすため

 

に結婚と出産を経験する。つまり三大責任を全うすることによって

 

親として完成する。親としての完成はWHYの完成であり、一言で

 

言えば愛の完成である。私の本質が愛であるから、人間は愛の完成

 

をすることによって完全に私と一体となることができる。

 

ところがこともあろうに愛の完成どころか、愛は歪められ破壊され

 

嫉妬と復讐と不倫の愛になってしまった。このままでは歪んだ愛が

 

止め処もなく拡大する。それが地獄だ。歪んだ愛の生産地はこの地

 

上である。従って、この地上をこのまま放っておくことはできな

 

い。」

 

神様はノアに言われた。

 

「ノアよ、私はお前によって人間の責任完成に挑戦しようと考えて

 

いる。ノアトライアングルの責任者として、まず使命完成を成し遂

 

げてくれ。そのためにお前が果たすべき責任を示そう。悪魔と一体

 

となり地を暴虐で満たした人類を私は滅ぼそうと考えている。お前

 

は糸杉の木を使って箱舟を造るのだ。私の示す通りにしなさい。お

 

前の言葉を受け入れて、悪から離れ私に帰るものは箱舟に入ること

 

ができる。また何の罪もない動物までが人間の悪のゆえに滅ぼされ

 

るのは忍び難い。彼らはそれぞれ対になって箱舟に入ることができ

 

る。その種を保たせるのだ。お前が箱舟を完成すれば私は速やかに

 

40日間にわたる洪水を起こす。邪悪に満ちた人類は洪水で死に絶

 

えるであろう。」

 

悪の限りを尽くす人間に対して、このままではただで済まないと感

 

じていたノアであっても、神様から具体的な計画を知らされ、いて

 

も立ってもいられなくなった。

 

邪悪な人々はノアをあざ笑って言った。

 

「ノア、とうとうお前は狂ってしまった。この晴れた空を見よ。晴

 

れた空から雨が降ることができるだろうか。

 

お前は神様の声を聞いたのか。悪霊の声を聞いたのだ。お前は日頃

 

から俺達と付き合おうとしなかった。そのくせ突然姿を見せて叫ぶ

 

「悔い改めよ」と。神様が洪水で人類を滅ぼされるだと。神様とは

 

どこのどいつだ。日頃から狂っているお前の言うことをどうして聞

 

けるだろうか。狂っているのはお前の方だ。」

 

ノアの心はどんな孤独にも避難にも嘲笑にも揺れ動くことはなかっ

 

た。固く神様の言葉を信じ、気の遠くなるような大事業、箱舟建造

 

に挑戦した。

 

ノアの妻と三人の子、セム、ハム、ヤペテとその妻達は、時には疑

 

う心を持ちながらも何とか支えようとノアに従った。

 

こうして箱舟は完成した。

 

つづく