「人は、何のために生きるのだろう?」 -76ページ目

「人は、何のために生きるのだろう?」

「自分だけの幸せ」ではなく、「誰かの幸せを自分の喜びにする生き方」にあるのではないか。
我欲ではなく、愛情を中心に生きる。
そんな生き方を、歴史や社会、身近な出来事、そして人生の「なぜ?」を通して、皆さんと一緒に考えていきたいと思っています。

 

 

 

ノアはぶどう酒を飲んだ。酔いつぶれたノアはぶどう畑で真っ裸で

 

寝てしまった。かつてアダムとエバが裸をなんら恥じることのな

 

かった再現だった。裸のノアをハムは見た。

 

神様はハムに語りかけた。

 

「ハムよ、お前は次男として私の側に立っている。私の言葉を聞き

 

なさい。今ノアは裸で眠っている。私が眠らせたのだ。かつてアダ

 

ムは裸を恥じなかった。それと同じ立場に今ノアが立っている。

 

お前は今、裸のノアを発見した。

 

今からお前がとる態度によって、お前は私の計画を進めることも、

 

破壊することもできる。さあハム、お前はノアを保護し守り支えな

 

さい。そうすればお前はノアの真事権を相続し最後の敬慕完成に挑

 

戦できるようになる。」

 

このような事態をじっと見つめているだけの悪魔ではなかった。

 

悪魔は自分の所有する人間が洪水審判で一気に霊界送りになったこ

 

とに激しい怒りを持っていた。

 

悪魔はハムの心に巧妙に働きかけた。

 

「ハムよ、よく考えなさい。お前の父のだらしなさを。酒に酔いし

 

れて真っ裸で倒れるなんて・・・。お前の父はいつも仕事だ、神様

 

の命令だと言ってお前達と時間をとろうとしない。それでも父親と

 

言えるのか。」

 

ハムは心の中に去来する相反する二つの思いに揺れていた。

 

「お父さんは本当にわかりにくい人だ。世間の付き合いは悪く、突

 

然神様の声を聞いたと言って箱舟を造り出す始末。お母さんは、そ

 

んなお父さんのことが理解できなかったようだ。いつも私の耳元

 

で、「仕事仕事のお父さんは、家族のことなんか考えてないのよ。

 

ノアは神様と結婚すればよかったのよ」と寂しそうに言っていた。

 

もっと関心を持ってもらいたかったに違いない。「ハム、決してお

 

父さんの様にはならないでね」とも言っていた。いつも神様、神様

 

と叫んで家族を顧みないなんて許されるだろうか。」

 

ハムは心の整理がつかなかったので、セムとヤペテに父が裸で寝て

 

いることを告げてしまった。

 

「しめた!」

 

悪魔は小躍りして喜んだ。

 

「ハムはノアを最後まで守ろうとはせず、その使命をセムに任せて

 

しまった。セムは長男のゆえに私に所有権がある。セムなら思い通

 

りに動かせるだろう。」

 

悪魔はセムとヤペテを動かした。

 

即ちセムとヤペテは裸を見ないように後ろ向きにノアに歩み寄り、

 

着物を着せてその場を立ち去った。

 

神様所有のアダムが裸を恥じることはなかった。そのアダムを再現

 

したノアだったが、ノアの子供達はノアの裸を着物で覆い隠すこと

 

によってノアの裸が恥ずかしい状態、つまり、アダムとエバがイチ

 

ジクの葉で隠した悪魔所有状態の再現であることを証明する結果と

 

なった。

 

悪魔はこのようにしてノアトライアングルを再び悪魔側に引き込ん

 

でしまった。

 

酔いが覚めてハムの行動を知った時、ノアはハムの子孫を呪って

 

言った。「ハムの子孫は呪われて他の兄弟の奴隷となる。」

 

ハムはノアを保護し守ることができなかった。

 

そのことゆえに真事権の相続に失敗し調和完成に失敗した。

 

結局、敬慕完成まで進むことができなかったのである。

 

ミカエルは神様に言った。

 

「ご主人様、人間は本当に信頼できるのでしょうか。ハムの所有権

 

はあなたにあったではありませんか。それでも悪魔の誘惑に乗って

 

しまうとなれば、もはや希望を持つことは許されないので

 

は・・・。」

 

神様は答えられた。

 

「もともと私のものだったアダムでさえ、ルシファーの言葉に惑わ

 

されてしまった。たとえハムが私の側にあっても、彼は私の言うこ

 

とを選ぶ権利も反逆する権利も持っている。その代わり、たとえ悪

 

魔の側にあるからと言って、常に悪魔の言うことを聞くとは限らな

 

い。彼らも私の下へ帰る可能性が充分あると言える。」

 

ミカエルは言った。

 

「またしても悪魔は侵入しました。ノアほどの義人でも結局は敗北

 

なのでしょうか。」

 

神様は答えられた。

 

「責任は3つある。三大責任のことだ。これは3つ揃って初めて完

 

成と言える。一つ足りなくても結局は敗北だ。ノアは私に対して

 

は、全く問題なかった。しかしノアは使命完成のみに集中して、次

 

の調和完成、更にその次の敬慕完成まで心が届かなかった。

 

アダムには助け手としてエバが必要であった。しかしエバは助け手

 

どころか悪への道先案内人となってしまった。その再現清算の公式

 

により、ノアには助け手としてノアの妻の協力がどうしても必要

 

だったのだ。ノアの妻にはノアとハムをつなげる重要な使命があっ

 

た。ノアが使命完成を成功した後においては、ノアの妻に助け手と

 

しての責任があった。ハムの心をノアへ向けさせる使命があったと

 

言える。このことを母子協調の公式と呼ぶ。大切な公式だ。記憶し

 

なさい。ノアは神様に真心を込めながら同時に妻の信頼を得ること

 

にも力を入れなければならなかったのだ。」

 

つづく