「人は、何のために生きるのだろう?」 -74ページ目

「人は、何のために生きるのだろう?」

「自分だけの幸せ」ではなく、「誰かの幸せを自分の喜びにする生き方」にあるのではないか。
我欲ではなく、愛情を中心に生きる。
そんな生き方を、歴史や社会、身近な出来事、そして人生の「なぜ?」を通して、皆さんと一緒に考えていきたいと思っています。

 

 

 

神様はアブラハムに言われた。

 

「お前は、空の星を数えることができるか。浜辺の砂を数えること

 

ができるか。私は、お前の子孫を空の星のように浜辺の砂のように

 

するであろう。」

 

アブラハムは質問して言った。

 

「主よ、そのために私のなすべきことは何でしょうか?」

 

神様はアブラハムに言われた。

 

「お前は、私のために鳩と羊と牛と供え物をしなさい。」

 

アブラハムは、すぐさま準備に取り掛かった。

 

悪魔は心の中で言った。

 

「神様はまだ諦めきれないのだろうか。往生際の悪いことだ。アブ

 

ラハムに三大責任を担当させようとしている。しかしそんなことは

 

させない。必ず失敗させる。今度はどんな手で攻めようか。アブラ

 

ハムは、前もっての訓練を相当受けている。正攻法では難しいかも

 

しれない。油断かうっかり作戦で攻めよう。善悪分立の公式に従っ

 

て、神様に対する供え物は必ず二つに裂かなければならない。

 

神様の命じた鳩と羊と牛の祭物の中では鳩だけが小さい。牛と羊を

 

裂くことに全力を投入させて鳩を裂くことを忘れさせよう。」

 

アブラハムは供え物を準備した。牛と羊は裂いたが、何と鳩は裂か

 

なかった。神様に捧げるには、善悪分立の公式に従って必ず供え物

 

は裂かなければならなかった。裂かなかったことにより悪魔の部分

 

をそのまま捧げたことになり、悪魔の侵入を許す結果となった。荒

 

い鳥が恐ろしい暗闇の中で襲い掛かったという聖書の記録はそのこ

 

とを示している。

 

悪魔は言った。

 

「私は本当にラッキーだ。私の計画は百発百中だ。アブラハムをも

 

見事に罠にかけることができた。人間が責任を果たすことができな

 

い限り神様は無力だ。愚かな人間をうまくコントロールすれば私の

 

支配は永遠に続くだろう。」

 

神様はアブラハムに言われた。

 

「お前の子孫は他国に旅人となり、異国の地で400年間虐待を受

 

けるであろう。ノアからお前を迎えるまで400年を要した。40

 

0年間はお前を立てるための期間と言っても良い。それが失われれ

 

ば私はその期間を悪魔に渡さなければならない。しかし400年が

 

終われば、お前の子孫を解放するために私は摂理を開始するであろ

 

う。」

 

神様の命令は細心の注意を払って取り組まなければ、取り返しのつ

 

かない事態を招いてしまうことを思い知ったアブラハムは、今更な

 

がら後悔して心の中で言った。

 

「私は何と愚かなことをしてしまったのだろう。羊と牛を裂くのに

 

真剣で鳩にはそれだけの注意を注ぐことができなかった。」

 

ミカエルは神様に質問した。

 

「ご主人様、三度以上の延長はできないことを教えていただきまし

 

たが、背水の陣とも言うべき三度目の責任者アブラハムまで失敗し

 

てしまいました。もうこれで悪魔は永遠に人類を支配することにな

 

るのですか。」

 

神様は言われた。

 

「三度目のアブラハムは失敗した。しかしアダムの使命が三度まで

 

延長できたようにアブラハム自体にも三度までの延長が許される。

 

少し理解しにくいであろう。詳細に説明することにしよう。」

 

ミカエルは真剣なまなざしで神様の説明に聞き耳を立てた。

 

「トライアングルは三度までの延長を許している。アダムトライア

 

ングル、ノアトライアングルと延長し、最後がアブラハムトライア

 

ングルとなった。この最後のアブラハムトライアングルはアダムと

 

ノアの失敗ゆえに発生したトライアングルと言える。つまりアブラ

 

ハムトライアングルは自己のトライアングル完成の責任のみならず

 

過去の二つのトライアングルの責任を成就することを示している。

 

従ってアブラハムは使命完成を成し遂げるに当たって鳩と羊と牛の

 

三種類の供え物が必要だったのだ。このように過去の失敗を一度に

 

清算することを縦的失敗の横的清算の公式と呼ぶ。もっと詳細に言

 

えば鳩はアダムトライアングルの失敗の清算を意味し、羊はノアト

 

ライアングルの失敗を清算するためにあったと言える。この二つに

 

成功すれば、アブラハムは自己の責任に挑戦できるようになったは

 

ずなのだ。しかし鳩を悪魔に捧げたことによって全ては崩壊したの

 

だ。」

 

ミカエルは更に質問した。

 

「アベルもノアも供え物は一つでしたが、何故アブラハムには三種

 

類の供え物が必要だったのかが分かりました。しかしご主人様、ア

 

ブラハムが三種類の供え物に成功した時には一体どうなさるおつも

 

りだったのですか。」

 

神様は答えられた。

 

「あせらず時の流れを注意深く見ていなさい。」

 

つづく