◆冬場から初夏にかけての味覚 コウイカ。
肉厚の身は、ねっとりとした食感に加え、甘さがあり、非常に美味であることは周知されるとおり。
ただし、火を通しすぎると、ゴムのような強い弾力のある身質に変化してしまうため、
生食できる鮮度であることと、加熱は最小限にとどめることをまず考えるところでしょうか。
料理の話題は後日として、まずはその水洗いから上身にするところまでを。
【 コウイカ 水洗い 】
①胴部に石灰質の甲をもつためコウイカ(甲烏賊)。
この甲を覆う皮に切れ目を入れ、皮を左右に広げて甲を取り出す。
②甲を取り除くことで見えた、内臓との間の薄皮を逆庖丁で引っ掛けるように切り裂く。
内臓と身の間に手を入れ接続部をはずし、足を引っ張り上げるとともに内臓を取り外す。
③筒イカ(スルメイカやヤリイカなど)に比べれば小さいエンペラではあるが、
このエンペラ部と、身の間に指を入れ、エンペラを皮ごと引っ張りはがす。
④身の内側をきれいに洗い、爪(堅い2か所の突起)、両端、裾の固い部分を切り取り成形する。
⑤裏表両面の薄皮を剥く。庖丁で繊維の向きに対し垂直方向に浅く切り込みを入れ
ゆっくりと引っ張りはがし、残ったものはペーパータオルなど乾いた紙または布で拭き取る。
薄皮が残り易く、手間取るとすればこの箇所だけ。
外皮(黒ずんでいる皮)は、途中でちぎれてしまうようなこともなく容易に剥け、
透明感のある乳白色の身とすぐに出会うことが可能です。
あまりにこの乳白色が艶やかで、滑らかで、ほのかに透けるようなその透明感に
惹きつけられ、あぁ、食べるのが何だかもったいなくも感じてきました。
でも明日は料理しちゃいます。