◆出汁の基本は、アミノ酸のひとつグルタミン酸とヌクレオチド構造を持つ有機化合物イノシン酸や
グアニル酸との相乗効果で生じる〝旨味〟を食材から引き出すことにあるわけで、かつお節と昆布で
とる鰹だしはその最たるものであることは周知されていようかと思います。
一方、出汁が何なのかを抑えていれば、必然的に出汁がとれる食材も、かつお節と昆布以外の
組み合わせが見えてまいりましょうし、アサリやシジミの味噌汁には出汁を入れないでよいと
言われる理由も頷けましょう。
ただし、旨味はそれだけではぼんやりとしていて、美味いわけではありません。
ここにいわゆる〝塩〟が入ったときに爆発的な美味さを発揮する、それが〝美味い味〟だと言え、
鰹だしで言えば、〝あたり〟をつけることで〝吸地〟に変わるのがそれでしょう。
出汁の話題はエンドレスになりますのでまた時間のある時にまとめるとします。
さて、豚肉には豊富にイノシン酸が含まれますので、これを煮ることで生じる煮汁にグルタミン酸を
生じる食材を合わせてやれば、旨味を感じることのできる美味しいスープが出来上がります。
例えば、白菜と豚肉の牡丹鍋などはそのいい例。出汁を使わずとも美味しく頂けるのはこのため
ですが、今回は、塩をきかせた豚肉を昆布出汁と合わせシンプルに煮込んだものを
紹介したいと思います。
前置きが長くなったので、明日作り方の紹介するとして、
副材の「あじまるみ大根」を登場させておきます。丸大根の特徴は、甘味もさることながら、
炊いた時の肉質の感触にあろうかと思います。煮崩れるわけではなく、でもトロットしていて
弾力がありながらも、箸がスッと通る・・・なんとも表現がややこしいのですが、
大根にしては肉質がきめ細やかであり、でもカブのようにぐちゃっとはならない、
といったところでしょうか。やや大根臭もやわらかく感じられ、比較的美味い大根だと思います。
大根をはじめ根菜も美味しい季節がやってきますね。