味噌汁 次の一手 【干す 其ノ弐】 | Ta助の厨房

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料理人 Ta助が
真の「食」を求める旅録

さて、〝干す〟を使いながら
実際に味噌汁に仕立ててみる。

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【 赤味噌仕立て
    厚揚げ 蕪 蕪菜 管牛蒡 椎茸  粉山椒 】

【 分量 】(4人前)
蕪(正味)120g 蕪の葉120g 牛蒡80g 厚揚げ100g 椎茸50g
だし(いりこ)500~600cc 赤味噌(角久八丁)25~28g
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【 下処理 】
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① 蕪は皮をむき櫛形に、椎茸も一口大の櫛形に切り、
  3時間程度天日干しする。
 (後に触れるが、味噌汁の実は柔らかいものであれば
  大振りに切っておくのが良い。)

②蕪の葉は2㎝長さに切る。

③牛蒡は、市民講座では笹に打つとしたが、
 実際は管牛蒡にしてあるので、こちらを紹介する。
 
 牛蒡はシャキシャキした食感を持っていると
 思われがちだが、実は少し違う。
 牛蒡の特徴は、柔らかく旨味のある外周と、
 食感と繊維質の高い中心部の2層構造になっている。
 
 この外周の部分だけを使用したものが、管牛蒡である。
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③-1 牛蒡を適当な長さに切り、米のとぎ汁で柔らかくなるまで炊く
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③-2 黒ずんだ円が見える。
     八百屋用語で〝天使の輪〟と呼ぶ維管束に沿って
     円を書くように竹串を突き刺し回しながら中心部分をくりぬく。
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③-3 切り口の両側からくりぬいていくことで、
     画像のように2層に分けることができる。
     手に持っている右側が使用する柔らかい外周である。
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③-4 を熱湯で再度湯がき、米のとぎ汁の臭いを抜き
     八方だしに漬ける。

それなりの手間がかかるので、
講座資料では笹を打つに置き換えた。
こうすることで、柔らかく、汁と一体感のある牛蒡が味わえる。
ただし、食感を楽しみたい方にはあまりお薦めはしない。

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④厚揚げは油通しし、1~2㎝角に切って水気を
 しっかりとふき取っておく。

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牛蒡は画像のようにななめに切っておいた

【合わせる】
⑤沸騰させた分量のだしに、
 蕪と椎茸、蕪の葉の順に加え火を通していく。
 火加減は沸騰までは強火、沸けばすぐに中の強に落とす。

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⑥牛蒡、厚揚げを加え火は中火程度に落とし温める。
 (画像は分量が多いので御留意ください。)

⑦赤味噌を溶き入れさっと沸騰させ火を止める。

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⑧盛り付け、粉山椒を振る。

【ポイント】
◆赤味噌仕立ての場合、味噌を溶いた後
 瞬間的に沸騰させることで香りを立てることができるが
 決して煮込まないようにする。
◆ここでは、市民講座でのもう一つの技法(蒸し炒め)は
 次回紹介する為あえて使用しなかったが、
 蕪の葉で使用できることを付け加えておく。