2026年解散総選挙の、かつてなさ
日本のデモクラシーは、乱世に突入しました。
今年2月8日の選挙は、かつてないような解散総選挙で、かつてないような国会の構成という結果になりました。前例がなく、誰も経験したことがない、解散総選挙とこれからの国会です。
1月19日、高市首相が23日衆院解散の意向を表明。23日、解散後の閣議決定で、27日公示、2月8日投開票が決まりました。受験シーズンであり、例年以上の寒波や大雪に日本が見舞われている時期の選挙です。
ちょっと前に、石破内閣で解散総選挙をやったばかりでした。本来4年任期である衆議院議員の、在職日数1年3カ月での解散は、内閣不信任案の可決を受けない解散としては、戦後最短。かつてない在職日数の短さです。
通常国会冒頭での解散は、1966年12月の例がありますが、これは佐藤栄作内閣が「黒い霧事件」というスキャンダルに見舞われ、野党が早期解散を求めての解散でした。通常国会は、「常会」として憲法にも定められ、内閣総理大臣が施政方針演説を行い、国の予算を決める重要な国会です。それを、冒頭で閉会してしまう今回の解散は、このことだけでも憲法違反ではないか、との指摘があります。総理大臣の都合で、この時期に解散総選挙を行ったのは、戦後かつてないことでありました。
ちなみに、4年という衆議院議員の任期も、憲法に書いてあることで、よほどのことがない限り、尊重されるべきです。選挙から4年間、国会で、予算をはじめ、国政に関する審議が重ねられ、国民はその議論を参考にして、各政党や個々の議員の評価をするというのが基本です。
解散から投開票日まで16日間、というのも、かつてない短さでした。今回は期日前投票が多く利用されたので、そのような有権者にとっては、投票まで、16日間よりもさらに短い期間しかありませんでした。
この、かつてないような解散総選挙を、「突発選挙」と呼ぶ人や、「突然最短選挙」と呼ぶ人がいますが、その結果は、自民党だけで衆院の三分の二、自民・維新の与党で四分の三という、戦後かつてないような国会の構成です。
かつてないような、与党の超圧勝という結果です。自民党が316議席獲得しましたが、当選議席数は実は330で、比例候補者数が足りないブロックがあり、比例議席を14人分も他党に譲渡しなければならなかったという、自民党すら望んでいなかったような結果でした。
参議院が法案審議で衆議院と異なる採決をしても、衆議院で三分の二以上の賛成があれば、参議院の議決をくつがえせます。ちなみに予算は衆議院の議決が普通に優先で、予算については、衆議院で過半数の賛成があれば、参議院が反対しても予算は成立します。
自民党だけで三分の二、維新と合わせて四分の三の議席数があれば、衆議院の各委員会の委員長ポストを与党が独占できますし、委員会の議題や日程を決める理事会メンバーも与党が圧倒的に多くなり、国会運営を与党ペースで進めやすくなります。かつてないような与党有利の国会、野党不利の国会です。
この、かつてなさは、本当にすごいもので、今、日本には、日本国憲法の下での戦後の民主主義が経験したことがない、今までと全く違う国会が存在しているのです。日本のデモクラシーの質が変わった、日本の政治史が違う時代に入った、と言えるくらいです。与野党にそれなりのバランスがあるのが、議会の「平時」であり、今や、日本のデモクラシーは、「乱世」に突入しました。
もともと、国政選挙は、国民が国会の構成を決めるものであって、国民にとっては勝ちも負けもないのですが、今回は特に、与党が勝ったとか野党が負けたとかいう以上に、かつてないような国会の構成になったという、事の大きさこそが、重要だと思います。
ごく少数になった野党も大変ですが、かつてないほどに巨大化した与党も、国民が納得するように国会の運営をすることは、たやすくないでしょう。前例がありませんし、経験もないわけです。マスコミを含め、国民による、政府のチェック、行政のチェックを、強化すべき時です。
日本政治は、まったく新しい時代を迎えました。その未来は、かつてないような破局を迎えるのか、かつてないような新しいチャンスになるのか。決めるのは、日本国民です。国民の政治参加を促す、政治塾「いわて政友会」としても、この状況にふさわしい活動をしていきたいと思います。(終)