高梨水渡のてくてくSTORY

高梨水渡のてくてくSTORY

緑茶ともちもち系をこよなく愛する大学生です。歌とスポーツ大好き。好奇心大事にしてます!笑

こんにちは、高梨水渡(たかなし・みなと)です。
たっしーって呼ばれています。

趣味:バレーボール、カラオケ、アカペラ、お笑い、ギター、小説づくり、ボーイスカウト、スキー、スノボ、テニス、カメラ・写真、、、あ、ブログも趣味の一つです(笑)

マイブーム:もちもち、アカペラ!!!!

最近はアカペラとカメラにのめりこんでます。


駄作ばかりですが小説書いてます。
読んでくれた方はぜひコメントください♪

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このブログを書くの、1年ぶりくらいか。
こんなに久々なのに、泣きながらキーボードを叩いてる。
ここに書いたところで、きっと殆ど誰の目にも触れないだろうから。
Facebookではなく、ここを選んだ。



たったいま、「ボクたちの交換日記」を観た。
しょっぱなからすっごく面白くて、さすがウッチャンだなぁ~って笑いながら観てた。
だけど後半から、涙が止まらなくなって。
映画が終わって、エンディングロールが流れて、全てが終わっても、涙が止まらなかった。

夢を諦めることは、本当にすごいこと。
夢は諦めるな。仕方なく夢を諦めるのは、夢を諦めてでも守りたい人がいた時だけだ。








夢。
わたしの夢ってなんだ。

私は2回、いじめに遭った。
1度目、小学校高学年の時。
相手は陸上一家のエリートで、日本代表に選ばれるくらいスターで、私なんかには到底敵わないような子だった。
あの時、いつか絶対に見返してやる。有名になって、テレビに出たり、人生において彼らより成功して、見返してやるんだって、そう思ってたよね。
学校でも、家でも、いい子を演じ続けて、ありきたりの、先生から褒められるような夢を語って、でも内心では、彼らを見返すことが何よりの夢だった。

なのにいつしか、やっぱり自分は平凡で、上の下くらいでありたいと思いながら中の下くらいで、有名になりたいなんて夢は忘れたって思い込んで。
中学で2度目にいじめられたときは、そりゃあ辛かったけど、やっぱり私ってこの程度の人間なんだなーって妙に納得させられて。
理不尽だと思いながらもどこかで仕方ないって思ってる自分がいて。
高校に上がってからも、みんなに嫌われないか。つまんねぇやつだな、うざいやつだなって思われていないか。周りからの評価に怯えながら、必死で好かれようとして、でも結局みんなにとって嫌いじゃないけど特別好きってわけでもないやつでしかなくて。
大学に入ってから、平凡に生き続けてきた私がちょっとだけチャレンジをした。
それはやっぱりすぐ先に就活が見えていたからっていうのが正直なところだった。
平凡のままじゃ終われないって必死にもがいて、もがいて、もがいて。
でも、いざ就活になってみたら、やっぱり私はただの平凡な私でしかなかった。
夢はどんどんどんどんハードルを下げていって、内定がもらえたら、ってそれしか考えられなくて。

ただ世間から必要とされたい。
そんな一見ちっぽけだけど実は深い夢を夢だと思ってる自分が謙虚で素直で向上心があって誇らしいんだって納得させてた。

心の底にある隠しポケットの中でほんとはふつふつと煮えたぎっている、短絡的で自己中心的で身勝手な夢を、誰にも悟られまいと必死に隠しながら。

いいのか。
ほんとにいいのか。
このまま平凡という名のそれなりにでこぼこして先の見えない道を歩み始めて。
ほんとにいいのか。

簡単に、諦めていいのか。
平凡でそこそこ幸せな人生っていうのは、ほんとに夢を諦めてでも守りたいものなんだろうか。
どうも、遅くなりましたがあけましておめでとうございます(*^^*)

新年の抱負をまだどこにも書いてないので、やっぱりここに書いておきます。
ブログは日付で遡れるのがいいところだからね。

今年の目標は、
必要とされる人間になる
ということ。

似たような目標何度も立ててる気がしますが、今年はちょっと特別。
抽象的な目標じゃなくて、いろんな意味がこもってます。

まずはやっぱり、就活が始まる年だから、それまでに自分がどう"企業にとって必要な人材"になれるか、を考える。
そんな人材になる努力をする。

それから、アカペラでも、たっしーがいなきゃだめだって言われるくらいになりたい。
イベントのスタッフとしてもね。

あとは、人と人との繋がり。
たっしーと繋がりたい、とひとりでも多くの人に思ってもらえたらいいな。
あわよくば、たっしーが必要なんだ!って思ってくれる人にも出会いたいですね。(彼氏が欲しいということです←)


細かい目標としては、
・スカートはいたりお化粧したりしても「お、珍しいね」と言われなくなる
・自分の写真見て憂鬱にならないようにやせる
・単位落とさない
・無駄にサボらない
・迷わない
・フランス語検定受ける

ってところですかね。

今年も、どうぞ宜しくお願いいたします。
こんばんは。
ご無沙汰です。
たっしーです。

小説途中のまま全然更新しなくなってごめんなさい。
ちょっと色々あって物理的にも精神的にも余裕なくなっちゃってww
たぶん「アカペラでゆこう」は書き直すと思います。絶対完成させるんで、よかったら気長に待ってください。

というわけで、何で突然ここに現れたかと言いますと。

やっぱり毎年ブログで振り返りしてきたから、今年もここで振り返りしようと思ってね。


今年を漢字一文字で表すなら、

ですね。

去年と同じく、アカペラに明け暮れた1年でしたが、"歌うこと"よりも"出逢うこと"の方が印象深い1年だったように思います。だから去年は「歌」だったけど、今年は「逢」。


2年生になり、実家を出て東京の親戚の家に下宿し始めました。
やっぱりこれが自分にとって一番の変化だったなぁ。
生活圏が都会になったことで、世の中の見方とかいろいろ変わりました。

"サラリーマン"という人たちを初めて実感。
地元だと大人って研究者か先生くらいだから。
スーツにネクタイで早朝の電車に揺られ、夜は酔っ払った足取りで終電に駆け込む。
ドラマの中の人だと思っていた彼らを目の当たりにして、色々と考えさせられました。


同じく4月から、塾講を辞めてお弁当屋さんのバイトを始めました。
サークルの先輩の地元、というだけで決めたバイト先だったけど、本当に店長もメイツさんもいい人ばかりで。
去年初めてバイトを始めたわけですが塾講ってなんか学校の延長みたいなとこあるじゃないですか。
だから販売のバイトを始めて、あぁ仕事してるな!って初めて感じました。

一緒に働いてるメイツさんはいろんな人がいて。
塾高の時は同じくらいのレベルの大学生が殆どだったし、授業終わればすぐ帰ったから話したりすることもなかったけど、このバイトを始めて、自分とは全然違う生き方をしている人の話を聞けたり、すごく自分にとってプラスになりました。
つい先日はバイト先の繋がりで初めてフラメンコのライブを見に行って、新鮮な経験もさせてもらったし。


従姉妹の結婚式に呼ばれたこと。初めての"結婚式"でした。
やっぱり結婚したいな、子ども欲しいな。って思った。

あと、その結婚式のパーティでカメラマンを頼まれた方と繋がって、カメラ好きのコミュニティに足をふみ入れさせてもらいました。
全く知らない人たちと、写真を撮るだけでわいわい盛り上がる。
ラインアート楽しかったな。
社会人の"お友達"もたくさんできました。


そしてやっぱり、アカペラを通じての出逢い。

アカペラサークルでは今年もたくさんのバンド組ませてもらいました。
多いときで一度に9バンド。
こんなにたくさんの人たちが一緒に歌ってくれるなんて、ほんとにほんとに幸せです。

サークルとしても、今年は幹部学年で、私は発表会係長になり、先日のクリスマスコンサートまで、いろんな人の助けを借りながら、がんばりました。
タイムテーブル組むのとか大変だったけど、楽しかった。

JAMという大きなアカペライベントにも、スタッフとして関わらせてもらいました。
イベント運営の大変さ、人と人との繋がりの大切さ、そしてアカペラの素晴らしさ。
色んなことを学ばせてもらいました。

困ったときに助けてくれる人がたくさんいました。
優しくなぐさめてくれる人。
厳しくアドバイスしてくれる人。
何も言わず見守ってくれる人。
いろんな人に支えられて今の自分があるんだ、と気づかせてもらいました。

また、JAMのスタッフをやったことがきっかけとなり、他のアカペラサークルのライブにも足を運びました。
アカペラに魅せられた人たちがこんなにいるんだ。そのパワーを肌で感じました。
他の大学の友達もたくさんできたし、かつての同級生や知り合いと思わぬ再開をしたりもしました。


人って、繋がるもんなんですよね。

ひとりの人と出逢うことが、
少しずつ少しずつ繋がって、広がって、
数え切れないくらいの人との出逢いになる。

あぁ、人間に生まれてきてよかったな。
そんなことを思いました。


来年も、今までに出逢った人との繋がりを大事にしたい。
そしてひとりでも多くの新しい出逢いがありますように。

2012年、私に関わってくださった全ての方々に、
ありがとうございました。

それでは、よいお年を。
小説「アカペラでゆこう」を書き進めたいのですが、忙しくて書けてません(>_<)

なんか詩でも書きたくなったのでちょっと。

「またあした」っていい言葉だなぁ、と思っただけのことです。
お目汚し失礼しますww

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またあした

そう言って手を振ったあなたは
今何を考えていますか

またあした

そう言って背中を向けたわたしは
あなたのことを考えています


過去の失敗を悔やまなくたっていい
だって今日の終わりをあなたと迎えられたんだから

未来の不安に泣かなくたっていい
だって明日もあなたに会える


笑顔のいちにちをありがとう


寝ている間でさえ
あなたはわたしに笑顔をくれる

ふつうの毎日だって
きらきら輝かせるまほうを知っている


またあした

あなたといっしょに
 倉庫には、誰もいなかった。
 「ここでいいんだっけ?」
 「うん」
 愛歌がキーボードを収納場所へしまったその時。
 
 「「・・・グゥ」」
 静かな倉庫に空腹の音が響いた。
 お互いに顔を見合わせ、お腹に手を当てた。
 「あっはははは」
 2人は同時に笑い出した。
 「どっかご飯行くか!」
 「そうだね」
 倉庫の鍵を閉めると、愛歌は再び秀祐の後ろに腰掛け、2人は近くの定食屋へ向かった。

 「渡辺さんは、どうしてアカペラやろうって思ったの?」
 2人して同じく注文した唐揚げ定食を待ちながら、秀祐は愛歌に問いかけた。
 「うーんとね、新歓ライブあったじゃん?あれ、偶然聴きに行ったんだ。ほら、親が音楽教室やってるって前話したでしょ。今まで音楽関係の部活とか避けてきたから、そろそろやってみてもいいかなーって思ってて。偶然チラシをもらったから、行ってみたの。そしたらさ・・・」
 愛歌は、あの時の感動を思い出していた。
 秀祐は相槌を打ちながら聞いてくれている。

 「チューターの夏帆さんと友梨果さんのグループがアカペラでゆこう歌ってて、ほんとに楽しくて、わたしもこの曲歌いたい!って思ったの。あのグループのリーダー、ベースの人かな?その人もめちゃくちゃかっこよくて・・・」
 「そっかぁー。渡辺さん、そのベースの人の名前知ってる?」
 秀祐は、意味ありげに愛歌を見つめた。
 「えっ?うーん、夏帆さんが"りゅうちゃん"って言ってたような・・・」
 「山田隆佑。俺の兄ちゃん」
 「ふーん。・・・って、うそっ!!?ほんと!?」
 秀祐は面白そうに頷いた。
 新入生グループでは、1曲決めたものを発表会まで練習していく。
 愛歌のグループ"Sweets"は一青窈のハナミズキを歌うことになった。

 「私、リードやりたいな」
 明稀がそう言った。ピアノが得意な明稀は高校時代にバンドを組んでいたらしく、ハナミズキはその時キーボード&ボーカルで歌った曲なのだそうだ。

 話し合いの結果、明稀リード、愛歌が1stコーラス、奏が2nd、秀祐が3rdで憲斗がベースというパート分けになった。

 「渡辺さん、ちょっとここ教えてくれる?」
 秀祐が楽譜を手に愛歌のもとへやってきた。

 楽譜も読め、音感もあることが判明してから、愛歌はグループのメンバーから頼られるようになっていた。
 特に秀祐は美声ながらもリズムや音感に弱いところがあり、何かと言っては愛歌に指導を仰いでいた。

 「秀祐、そこもうちょっと高めかな」
 練習を重ねていくうちに、グループ間では名前を呼び捨てするようになっていたが、秀祐だけはポリシーがあるらしく、さん付け・君付けを貫いていた。

 この日、いつものように放課後のSweets練を終え、愛歌がサークルの倉庫にキーボードを返しに行く当番になっていた。
 「チャリ、乗せていこうか?」
 秀祐がサドルに腰掛けた状態でそう言った。
 愛歌は自宅生のため、自転車を持っていなかった。
 「やったぁ!」
 愛歌は秀祐の後ろに飛び乗った。

 無事、愛歌はアカペラサークルに入ることができた。
 
 今日は、新入生グループの顔合わせの日だった。
 このサークルでは、はじめに新入生だけのグループを組まされる。今年の新入生は全部で29名。6人または5人ずつのグループが5つできるという。

 ひとつの教室の中に、新入生とそのお手伝いをする上級生たちが集まった。
 「これから、みんなのグループを発表します。自分の番号を覚えておいてくださいね」
 黒板の前に立っている上級生がそう言った。一瞬にして、教室の中に緊張の糸がピンと張ったのが見えた。
 愛歌もまた同様に、緊張の面持ちで耳をそばだてた。
 「第1グループは、…」
 1人、また1人と新入生の名前が呼ばれていく。愛歌の名は、なかなか出てこなかった。

 「最後、第5グループ!ここは唯一の5人グループね。…、山田秀祐くん、渡辺愛歌ちゃん、以上!」

 秀祐くんと一緒だ・・・。

 あの日会話を交わしてから、愛歌は秀祐とアドレスを交換していた。今日まで1週間の間に、何通かメールのやり取りをした。「顔合わせの教室ってどこだっけ?」という様な事務的な内容に終始したが、敬語を使うのをやめ、タメ口で言葉を交わすくらいの仲にはなっていた。

 「それじゃあ、黒板に書いてある図に従って、グループごとに集まってください」
 先輩の号令で、ガタガタとイスをひく音が教室中を包んだ。
 一緒に来た友達と暫しの別れを告げる声や、同じグループに知り合いを見つけて興奮する声も重なって、騒然としていた。

 「渡辺さん!」
 新入生の大移動をボーッと眺めていると突然、後ろから声を掛けられた。
 振り返ると、秀祐がいた。
 「俺らこっちだよ?」
 「あ、うん」
 同じグループだね!よろしく。
 そう言いたかったが、なぜだか言葉が出てこなかった。愛歌は秀祐に続いて、目的の席についた。

 「みんな揃ったかなー」
 第5グループの5人が集まったのを確認して、先輩が喋り始めた。
 「はじめまして、3年の夏帆です」
 「同じく3年の友梨果です」
 「私たちはチューターって言って、来月の新入生発表会まで、みんなの練習とか色々お手伝いすることになります。何か困ったこととかあったら遠慮なく聞いてね。よろしく!」
 2人は愛歌たちに向かって笑いかけた。よく見ると、夏帆も友梨果も共に愛歌がライブで演奏を聴いたあのグループのメンバーだった。

 その後、新入生の自己紹介と、グループの名前を決める話し合いへと話題は移った。
 愛歌と秀祐、ピアノが得意で小柄な明稀、天然な発言をする奏、声が低く無口な憲斗の5人は、秀祐と憲斗の共通点が"スイーツ男子"だったことから"Sweets"というグループ名に落ち着いた。
 「失礼しまーす・・・」

 今日は、アカペラサークルの登録会。愛歌は指定された教室へ足を踏み入れた。
 そこには、愛歌と同じように不安そうな目であたりを見回す人や、一緒に来た友達とわいわいおしゃべりをしている人など、新入生と思われる人たちがたくさん座っていた。

 「適当に、すきな所に座ってね」
 入口近くで誘導をしていた先輩が声をかけてきた。
 あっ、あの時の・・・。

 そう、声をかけてくれたのは、先日のライブで「アカペラでゆこう」を歌っていたグループのリーダーだった。

 ライブでの感動を思い出しながら、愛歌は近くの空いている席に腰かけた。
 わたしも、あの先輩たちと同じサークルに入るのかぁ・・・。
 嬉しさと不安が一度に込み上げてきて、胸が弾んだ。

 教室は徐々に人が増え、席が埋まって行った。
 みんな自分と同じ新入生なのかと思うと信じられなくて、愛歌は目を伏せた。
 ガイダンスで同じ学科の子と知り合った他は、全く友達がいなかったから、楽しそうにお喋りをする彼らがとてもまぶしく見えたのだ。

 「・・・となり、いいですか?」

 突然、そう声を掛けられた。
 うつむいていた愛歌が顔を上げると、そこには、あの強面の男が立っていた。最初の登校日に校門で肩がぶつかった、あの男だ。

 「は・・・はい」
 声が震えるのを感じながら、愛歌は頷いた。

 「1年生ですよね?」
 「あ、は、はい。そうです」
 「やっぱり複数で来てる人多いですねぇ。僕一人だから不安で」
 「わ、わたしも・・・」
 言葉が妙に丁寧で、あの日とのギャップに驚いていた。
 そして何より、彼が新入生だったことが信じられなかった。

 「山田、秀祐です。よろしくお願いします」
 「あ、わたし、渡辺愛歌と言います。こちらこそよろしくお願いします」

 まだ会話はぎこちなかったが、秀祐がこのサークルでの初めての友達となった。
 第一印象こそ悪かったが、強面の割に柔らかな物腰と喋り口、そしてフレンドリーな雰囲気に愛歌は心を開いていった。
 その教室は、構内のはずれにあった。しかし、近づくとすぐに分かった。ドアは閉められていたが、かすかに歌声が聞こえてきたからだ。
 愛歌は恐る恐るそのドアを開け、中へ入って行った。

 薄暗い室内には、ちらほらとお客さんの姿があった。ステージは柔らかな明かりに照らされ、大人びた5人の学生がジャズ調の曲を楽しそうに歌っていた。

 ライブというと、バンドの耳が痛くなるような大音量のイメージしか湧かなかった愛歌にとって、それは新鮮な驚きだった。
 こんな音楽も、あるんだ・・・。
 楽器も何も使わず、声だけで音楽を届ける。
 合唱とは違って、1人ずつが違うパートを奏でていた。

 お洒落な和音を奏でた後で、その曲は終わった。
 パラパラと拍手が起こる。
 お客さんの人数からして適当と思われる拍手の量だった。

 「はい、1曲お聞きいただきましたが、いかがでしたでしょうか。あ、よかったら座席空いておりますので座って聴いていってくださいね」
 リーダーなのだろうか、低く通る声の男性が、ステージ上から愛歌に目を合わせて笑いかけた。それで初めて、自分が突っ立ったまま演奏を聴いていたことに気付いた。

 愛歌は少し恥ずかしさを感じながら、すぐ近くの席に腰かけた。

 「それでは、最後の曲になります。お聴きください、アカペラでゆこう」

 ━━ワン、ツー
 リーダーのカウントから、その曲は始まった。
 先ほどの曲とは違って、明るく陽気な雰囲気が会場を包んだ。
 自然と、手拍子が起こっていた。

 愛歌も、からだ全体でリズムを感じ、完全にその演奏に引き込まれていた。
 どことなく聴いたことのあるようなメロディー。
 アカペラ、というものの魅力がひしひしと伝わってくる曲だった。

 わたしも、この曲を歌いたい。

 アカペラをやってみたいな、と思うより先に、そう思った。
 
久々に、小説を書き始めました。
せっかくアカペラにハマっているので、アカペラと青春の物語が書けたらなぁ、と。
ゆっくり更新していくと思いますが、もしよかったら読んでください(*´`*)

* * *

 駅を出るなり,透き通るような青空と暖かな日差しが全身を包んだ。駅から歩いて10分の道程を,私は晴れやかな気持ちで歩いて行った。

 渡辺愛歌。この春栄進大学に入学したばかりの1年生である。
 1週間前に入学式を終え,今日は初めての登校日だった。校門の前まで来て,思わず足が止まった。いよいよ大学生活が始まるんだな、と感慨に浸っていたその時だった。


 ━━ドンッ
 後ろから歩いてきた強面の男と肩がぶつかった。

 

 「あ、すいませ…」
 「いてっ」
 男はそう言うと,むすっとした顔のまま愛歌を追い越してスタスタと学内へ入って行ってしまった。
 怖い人…。
 愛歌は軽く身震いすると,気合を入れ直して学内に足を踏み入れた。

 サークルは,特にこれといって決めているものがあるわけではなかった。ただ,何か新しいことを始めてみたいという漠然とした思いがあった。

 中学,高校と軟式テニス部に所属していたが,続けるつもりはなかった。テニスをやるなら硬式じゃないと,という気持ちも大きかった。さらに言えば,あまりスポーツは好きでなかったというのが本音である。


  愛歌の両親は共に音大の出身で,2人で音楽教室を開いていた。近所では名の知れた教室だったため,中学に上がると合唱部や吹奏楽部から入部を勧める声がかかった。音楽は大好きだったし,親から受け継いだDNAは正直なもので音感にも優れていたが,“サラブレッド”扱われるのが嫌で,音楽系の部活動を避け,テニスを始めたのだった。


  そろそろ、音楽をやってもいいかな。

  実家から遠く離れ,余計なしがらみの無いこの新天地で,愛歌の心にそんな思いが芽生えていた。

 サークルの日というだけあって,大学構内はどこもかしこも人だらけだった。様々なサークルの勧誘文句が飛び交う中,人混みの間を縫って歩いていくうちに,愛歌の手には数えきれない程のチラシが抱えられていた。

 

 もう、疲れた。
 ふと手元のチラシに目をやると,
 「お疲れでしょう?からだで奏でるハーモニーに、癒されてみませんか?」
という文字が飛び込んできた。

 それは,アカペラサークルのチラシだった。