ここはご存じ京都の四条通り。何十年ぶりかは忘れましたがこの場に立ちました。
道路も沿道のビルも変わったなぁ。
歩道と車道の境目には柵ができているし、車道は片道1.5車線みたいな感じになっている。
ビルも建て替えや改装が行われていて、さっぱりとした通りになってしまった。
昔より狭くなった印象があるのは、歩道と車道の間に作られた柵のせいでしょうか。
もう半世紀ほど前のこと。
私が幼稚園のころです。
私の記憶では正面に見える大丸百貨店の横に・・・確か・・・「丸物(まるぶつ)」という百貨店がありました。
(注意:早速ご指摘があり、丸物は京都駅の近くでした。おそらくは記憶違いで藤井大丸だったのかそれとも別のビルだったのか・・・・グレーっぽい大きな建物だった気がしたのですが・・・記憶とはこんなものですね。しかしチョコパだけはばっちりと記憶にあります。)
(丸物百貨店)
業績悪化で近鉄百貨店が買い取ったものの、いつの間にか跡形もなくなっていたような記憶があります。
その昔、父が時々丸物百貨店の中にあったレストランに私を連れて来てくれた。
そこは少し薄暗い感じのレストランで、父はきまって窓際の4人掛けの席に座った。
私は丸物のレストランに来ると決まって「チョコレートパフェ」を頼んだ。
おいしかったんだ。ここのチョコパ。
細長いグラスに細長いスプーンが刺さっている。
今から思えばとってもオーソドックスなチョコパでした。
テーブルに座ると、まだ「チョコパ」よりほんの少しだけ背が低かった私は、この大好物を見上げるようにしながら細長いスプーンを抜き出して、チョコシロップがかかったホイップクリームの部分から食べ始めるのがお決まりだった。
このホイップクリームが冷たくなくて柔らかくって・・・とってもおいしかったのですよ。
しかし私をレストランに連れてきたときの父の顔は、いつもつまらなさそうにしていた。
そして注文したのは決まってホットコーヒー。
砂糖とミルクを適当にカップに放り込んで、つまらなさそうに飲みはじめる。
私はそれを見て、『なんでそんなに不味そうなものを飲むのだろう・・・』
お父さんもチョコパを食べたら美味しいのに・・・。
と思いながら食べていた。
・・・って、そんなことを考えていた事があったなぁ・・・。
たしか、この辺にあったはずです。丸物百貨店。
チョコパを食べていたころから、もはや半世紀も経ってしまったのか。
「人間50年、下天のうちに比ぶれば、夢まぼろしのごとくなり。ひとたび生を受け、滅する者のあるべきか・・・」
この「敦盛」が好きだった織田信長もこの近くにある本能寺で50年近い人生を閉ざしてしまいましたよね。
目の前の大丸百貨店を見て思わず立ち止まり、そんなことを思い出し、少し寂しい気持ちで会社に戻った一日でした。