東電が導入した東芝の「ALPS」はご存知でしょうね。
福島原発で溜まり続ける汚染水を除去する装置です。
さらに、この放射能除去装置「ALPS」は、汚染水のタンク1基が450トンあるのに対して、一日に500~1500トンの処理能力があるということです。
しかし、今年の春に試験稼働を始めて来年度中には溜まった汚染水をすべて処理し終えると言っていますが、今年の秋になっても本稼働しきれていないみたいです。
本稼働したとして、分離させた放射能物質はどこに埋めるかまでは決まっていません。
埋蔵方法は今月(10月末)に地層埋蔵することが決まったばかり。
ALPSは62種類の放射能を除去できると言われていますが、除去後の水はクリーンかと言えば、水(H2O)も放射能をあびる場合があるとのことです。(酸素だって水素だって放射性物質だからわかる気はします)
【主な放射能と半減期】
トリウム232 140.5億年
ウラン238 45億年
プルトニウム239 2.4万年
ラジウム226 1600年
アメシウム241 432.2年
セシウム137 30年
ストロンチウム90 28.8年
水素3 12.3年
コバルト60 5.27年
ポロニウム210 138.4日
ヨウ素131 8.04日
ラドン222 3.8日
フッ素18 109.8分
キセノン138 14.1分
クリプトン90 32.3秒
放射性物質自体は除去できますが、放射能は消すことはできません。
東電がなんだかまとまりが弱くて無計画に感じるのは、ビジョンが出来ていないのに行き当たりばったりでやろうとしているからでしょうね。
勿論少しでも早く出来ることをやって行くという精神は良いと思います。
しかし、そこですぐに胡坐をかいて先の行動を考えない印象が強い。
毎年1000万円づつ貯めて10年後に1兆円の原発対策費を貯めるというのも確かに金銭的な計画です。
(貯蔵タンクがどんどん増える)
しかし放射能除去には、もっと根本的な問題から考えないとダメなわけで、それをやっていないからこうやって書いています。
現状の行きあたりばったり対応は続けながら、せめて、まずは
①地下水脈対策
②放射能除去対策
③除去した放射能の保管対策
の3セットで考える事については、どうなのでしょうね。
私自身はイメージはあります。
①まず福島原発の北側に巨大なコンクリート壁を作る。
地上は0~1m程度で良く、地下に500~1000mほどのコンクリート壁を造り、地下水脈の流れを福島原発敷地内に入らないようにする。
②これは現状のALPSを稼働させて問題が無ければ実施
③除去された放射能は地層埋蔵と決まったとしても、ガラスで固めて炭素鋼容器に格納してその周りに特殊な泥で固めて放射能漏れと水の浸入を防ぎ、低温で保管するのだそうです。
(コンクリート壁の内側に核物質を地層埋蔵)
私の考えでは保管場所は福島原発の敷地内で、①で作った放射能癖の内側の地下1000m付近に埋蔵することになります。
今日本は穴掘って埋めようとしていますが、その場合ガラス固化して炭素鋼の容器に入れ、特殊な泥(放射能を通さず、中から漏れたものを吸収し、水に強い)で被い埋めるそうです。その際の最大の敵は地下水で、それをいかにして防ぐか日夜研究しているそうです。
放射能そのものがなくなるためには、自然になくなるのを待つしかなく、それにはその放射性同位体の種類によっては莫大な時間がかかります。
仕方ないので、コンクリ詰めにして散らばらないように保存しておいて、自然になくなるのを待っているんです。
放射能は自然消滅しか対策が持てないし、半減期が1000年を超えるものもあるので実際は出来るだけ安全に埋めて放置するしかないのですよね。
しかしこうやって福島原発の対策について私だけではなくいろんな人が考えて、徐々に対応が進んでいますが、どうやってもすっきりしないのです。
日本が原発を無くして、原発事故を収束できても、数年後には230基を超えると言われる建設ラッシュの中国を見ていると、結局は中国の事故が死の灰となって丁度今頃や春先にですが、偏西風に乗って黄砂とともにやってくることになる。
全く事故が起こらないと言うことの方が信じがたく、事故があってもおそらくは隠し通すであろう中国当局のことを考えると、私はいっそのこと、日本の原発もすべて廃止にはせずに稼働させてもいいと思っています。(せめて向こう30~50年、今の燃料を使い切るまでですけどね)