【緑の党が公認した三宅洋平さん(ミュージシャン)について考える】
2013年参院選では緑の党公認で立候補して17万票を集めながら落選したミュージシャン三宅洋平氏のことが話題になっています。
私は緑の党にも三宅氏にも興味はないのですが、17万票という票の多さが気になってこの記事を書いています。
得票の内訳は、今となってはわからないでしょうね。年齢層はどのあたりに多かったのか、本当の支持者はどれほどあったのか、反自民という意味での票はどれほどあったのか、実際はどんな政治思想団体の票が集まっているのかなどといったところです。
まず「緑の党」というのは、世界的な組織ではありますが環境保護を中心にした考えで先ほどの参院選で立候補した谷岡郁子さんの「みどりの風」とは関係がありません。
もともとオーストラリアが発祥で、ヨーロッパを中心に各国で同じ政治思想を持つ団体が散らばっています。
2001年に緑の党の国際組織であるグローバルグリーンズ(Global Greens,「緑の地球同盟」)が結成され通称グリーンズと呼ばれています。
日本でも昔から同じような思想を持った政党が結成されては消滅しており、昔は山本コウタローさんや田嶋陽子さんが有名でしたがモグラたたきのようにあちこちで結党されては消滅していてわけがわかりません。
要するに「エコロジーの知識、社会的公正、参加民主主義、非暴力、持続可能性、多様性」を理念としたアメーバ型(ゲリラ型?)の組織で、現在では昨年に緑の党グリーンズジャパン(Greens Japan) が結成されています。
国会議員は現在はいないはずです、地方の市議クラスでは結構多くいます。以前にみんなの党の川田龍平氏がそうでしたが、現在は離脱してみんなの党で活動し、今回の参院選でも再当選しています。
さて、そんな緑の党が公認した三宅洋平氏。
私はどうも好感を持てないでいます。
政治活動を行うこと自体は、どんな思想を持っていても構わないと思います。
山本太郎氏の無所属とか三宅洋平氏の無所属に近い緑の党からみれば政治活動には不利なわけで(たとえば選挙カーも一台だけしか使えないとかビラの配布枚数にも大きな制限があったりとか)、それをタレント知名度や音楽活動などでカバーしてゆくのもありだと思います。
しかし、その発言内容を調べてみれば、まず最初にもちろん脱原発。
この脱原発という言葉は人々の同調を得やすい言葉なので、最近はなんとも素直には聞けなくなってきています。
だからなのでしょうか、三宅氏は脱原発を唱えながら福島原発事故後に東京から沖縄にさっさと移住してしまいました。このこと自体は理屈に合っています。しかし私の正直な感想としては「とっとと逃げたな」と言うものでした。
脱原発だからとっとと逃げるのは理に適っていますが、なにか大事なものを無責任に置き去りにして自分だけ助かろうという感覚にはどうしても同調できません。
東京のみんなに「ここは危ないから離れたところに避難すべきだ」と先頭に立って訴えて、最後に自分が移住するならその気持ちが伝わるとおもうのですが・・・。
ほかにも調べてみれば何やら危うい言葉がドロドロと…。
選挙前に「オレは友達にヤクザだっていっぱいいるよ…いいやついっぱいいるぜ…」と選挙フェスで言ったとか。
ヤクザの友達を作るのはその人の勝手です。
・友達が多いのを自慢したかったのか
・ヤクザの知り合いということでハクを付けたかったのか
・世間から遠まわしに見られているヤクザも普通の人間だぜといいたいのか
・ヤクザは世間で言うほど悪いやつはいないと言いたかったのか
こんなところなのでしょうか。
ヤクザと言うのは、中にはフレンドリーな人も面白い人もいっぱいいますよ。しかしヤクザはどこまで行ってもヤクザなのですよ。
ヤクザ本人だってそう思っていることでしょう。
しのぎになると思ったら直接的にも遠まわしにも、何か考えるでしょう。
一旦牙を剥けば、ヤクザはヤクザですよ。それが稼業なのでしょうから。
2008年には大麻についてブログで「たかが大麻で、人を捕まえるほうが理不尽なんじゃなかろか…」と書いていたそうですが、言論の自由はあれこんなこと公の場でどうどうと書いてはさすがにどうなのかと。
大麻を使った経験のある人はかならず同じことをいいますね。
大麻を吸わない人は大麻が本当は合法かどうかなんて興味が無いし、大麻の話題すら出さないですから。
ミャンマーやアフガン北部のケシ畑から闇の巨大流通ルートを通じて世界各国に流れ込んでいる闇経済にも関係がある社会悪の問題に逆らう考えを持ちながら、一方で脱原発ですか…。
この人に票を投じた17万人もの成人国民は、何を考え、何を期待してこの人に投票したのかを知ってみたいです。
三宅洋平氏には興味がないのですが、やはり投票した人の心には今の日本の大切な問題が隠されている様な気がして、とても興味があります。
若者の投票率が悪いこととこの17万票の心については、政府や国民はもっと関心をもたなければいけないのではないかと思います。