【心斎橋通り魔 礒飛京三 と 金川真大死刑囚 法律の逆手をどうする】
大阪市中央区東心斎橋1丁目は私の職場からも歩いて10分以内のところにあります。
しかし犯行日が日曜日だったのでニュースで事件を知りました。
「自殺しようと包丁を買ったが、死にきれなかった。人を刺して殺してしまえば、死刑になると思ってやった。殺すのは誰でもよかった」
そう言ったと言われている礒飛容疑者をテレビで見て、ニュースでも報道されていたとは思いますが、真っ先に思い浮かんだのは
土浦連続殺傷事件の金川真大(かながわまさひろ)死刑囚でした。
以前に何度か記事を書きましたが
どんな事件だったかを以下に纏めています。
2010年1月5日に死刑が確定した土浦連続殺傷事件の金川真大(かながわまさひろ)
ロールプレイイングゲームに夢中になり、「現実の自分は才能がなく、希望を見いだせず、毎日がつまらないとの思いを強くしていった」
と、現実の自分にコンプレックスを抱いていた金川死刑囚。
「7、8人殺せば死刑になれると思った。自殺は痛いからいやだった」
と考えて犯行
●自宅近く住む無職男性を刺し
JR荒川沖駅で
○男子高校生(当時18)の頸部をサバイバルナイフで刺し
◎男子高校生(当時16)の左腕を傷つけ
◎私服捜査員の男性(当時29)の額を傷つけ
◎近くにいた男性(当時50)の頸部を切りつけ
◎連絡通路を走り、追い抜きざまに女性(当時59)の胸を刺し
◎すれ違いざまに男性(当時60)の右腕を切りつけ
○前に回り込んで女性(当時62)の胸を刺し
●ショッピングセンター1階付近で、会社員の男性(当時27)の頸部を刺して失血死
(◎は軽傷、○は重症、●は死亡)
裁判は一審で死刑。弁護士は控訴しようとしたが金川死刑囚はそれを拒否したので、一審で死刑が確定した。
その時金川は
「おれを殺さなければ、死刑になるまで(人を)殺し続けます」
「完全勝利といったところでしょうか。(死刑願望が)変わることはない」と言ったと言われる。
さらに
「後は(死刑)執行までの時間をいかに短くするか。(国が執行に)動かなければ、裁判に訴える」
と述べた。
(毎日新聞より)
自分が死ぬために人を殺して死刑になろうとする事件。
と言う意味では二人の犯行は類似していると思います。
日本の判例では、ほとんどが一人で二人以上の殺人を犯さなければ死刑になりにくいことを金川も礒飛容疑者も知っていたのではないでしょうか。
さらに思うのですが、この礒飛という男は過去に人を殺めた経験があるのではないでしょうか、犯行に躊躇がなく、怨恨でもないのに執拗だったからそう感じました。
この二つの事件が深刻なのは、法律の裏をかかれる事件だからでしょうか。
普通は「死にたくない」「犯人は私ではない」「推定無罪」という観点から考えてしまいますが、これらの事件は法律を利用して私を殺せという事件です。
今の法律が 死刑になりたい人なんかいない という考えが前提になっている法律だとしたら、よろしくないですね。
だからと言って、今の法律をどう直せばいいかと考えてもどうしようもない気がします。
少し目立って、楽して死ねるには複数人殺して死刑になるのがいい!
今後そんな考えを持って犯行に及ぶ人を 何としても阻止しなければいけないです。
どうしますか。
死刑を残虐にしますか。
逆に
死刑を無くして終身刑にしますか。
いよいよ死刑のあり方について、もっと議論しなければならないことになってきたと思います。
2012年6月 死刑求刑を受けて生きている人は132人。