カダフィ大佐と重信房子(日本赤軍) 私の小さな記憶 |         きんぱこ(^^)v  

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      砂坂を這う蟻  たそがれきんのすけ

-----------2016/8/28-----------

今日の朝日放送で日本赤軍の重信房子のことをやっていました。

それで、この記事も日付を更新しておこうと思います。

重信は現在医療刑務所で癌の治療をしながら生きているはずです。


このブログは、5年前に書いたものですが、テロリスト国家と言われたリビアも、カダフィが殺害されて一つの時代が終わったと思ったのですが、現在はIS(イスラム国)が活動拠点の一つにしていたり、テロの流れはとどまるところを知りません。


下の文章は5年前なので、その頃はISはなく、アルカイーダとその首謀者であるビンラディンが国際テロ組織として目をつけられていました。ビンラディンは2001年のアメリカ同時多発テロ事件の首謀者でしたがこの年の5月にアメリカの特殊部隊によって殺害されましたよね。


カダフィ殺害はその約半年後の事件でした。


その後のアルカイーダは、ズワヒリが引き継ぎましたが、統率力がなく組織はバラバラになっていたところに、IS(イスラム国)が生まれてきてアルカイーダを駆逐してしまったわけです。


日本は一見平和で何もしない国に見えますが、実はかつて日本赤軍という国際テロ組織が存在していて、この連中が行った自爆テロなどは、いまのIS(イスラム国)などでも真似られるようになったということは、恥ずかしながらも理解しておくべきことかなと思います。


へたくそな文章ですが、ひまなら読んでみてください。


-----------2011/10/25----------


【リビアの故カダフィ大佐と重信房子】


社会主義リビア・アラブ・ジャマーヒリーヤ国


 リビアには在リビア日本人がたったの56名しかいなく、日本との関係は薄い国です。

 私が一番最初にリビアを知ったのは1973年7月のドバイ日航機ハイジャック事件でした。

 当時中学生だった私は、何事かとテレビニュースを追いかけていました。

 この事件の首謀者はパレスチナ解放人民戦線(PFLP)と、有名な日本赤軍でした。

 ハイジャックした飛行機はリビアのベンガジにあるベニナ空港に降りて人質を解放しました。

 しかし、無血クーデターで政権を取ったばかりのカダフィ大佐(カッザッフィー)は、犯人が国外に逃げるのを知っていて知らんぷり。


        きんぱこ(^^)v  -kadafi 撃たれて血まみれのカダフィ


 この時に乗っていた日本赤軍重信房子がいました。

この女性は恐ろしい女性でした。日本赤軍を作ったのも、解散させたのも彼女で(念のために、よど号ハイジャック赤軍派浅間山荘事件連合赤軍で、国際手配されたテロ組織が日本赤軍です)実際の指導者は男でしょうが彼女は象徴的にリーダーになったのだと思いますし、一連の事件を彼女が計画して実行したとは思えません。

テルアビブ空港銃乱射事件で死んだ奥平剛士の嫁でしたが、その後パレスチナに棲みついてパレスチナ人と結婚しています。

日本赤軍の海外本部をパレスチナに持っていたそうですが、相当な数の人間を殺してきているはずです(ひょっとすると直接殺したことはないかもしれませんが・・・)。

ピースボートも重信房子の国内外移動手段に使われていたという噂もあり、その関係で、民主党に入った辻元清美議員との関わりも噂されています。

重信房子は辻本議員の選挙区大阪府高槻市(島本)で捕まって無期懲役(懲役20年)になりましたが、現在は癌と闘っているという噂を聞いています。

私が思うに日本人で一番リビアのことを知っていて、カダフィとも交流が深かったのは、リビアを隠れ蓑にしていた重信房子ではないかと思います

ちなみにパレスチナ解放人民戦線(PFLP)パレスチナ解放機構(PLO)の一部で超の付く過激派です。極論すればイスラエル対PFLPみたいなものです。


 こんなテロ軍団とタメで付き合ってきたのが重信ですから、この女性の腹の太さと恐ろしさがわかる気がします。

日本のヤクザに潜入するなんてものではないですよ、きっと。パレスチナでも最も過激な組織の中に潜り込んで、おそらくは何度も鉛の入った銃を突き付けられて、信用されるまでには暴力や凌辱が行われたのではないでしょうか。

そんな中でパレスチナ人と結婚して子供を3人産み、お前も同志だといわれるまでになってきたのだろうと想像しています、いや同志と呼ばれるために結婚したかもしれません。

パレスチナでは当然死ぬか生きるかだったでしょうし、イスラエルとの血みどろの争いを毎日見てきて、彼女は何を感じたのでしょうか。本が出ていますが今ではどこにも売っていません。


        きんぱこ(^^)v  -shigenobu 重信房子

1972年5月3日 テルアビブ・ロッド空港事件(リッダ事件)
 イスラエルのテルアビブ・ロッド空港で、奥平剛士、安田安之、岡本公三の3人が自動小銃を乱射、旅行者ら100人を殺傷(死亡24人)。

1973年7月20日 ドバイ日航機ハイジャック事件
 パリ発東京行きの日航機を、丸岡修と4人のパレスチナゲリラがハイジャック。アラブ首長国連邦のドバイ空港を経てリビアのベンガジ空港に着陸させた。

1974年9月13日 ハーグ事件
 西川純、奥平純三、和光晴生の3人が、オランダ・ハーグのフランス大使館を占拠。フランス当局に拘禁中の日本赤軍メンバーを釈放させた。重信房子はこの事件で国際手配犯となった。

1975年8月4日 クアラルンプールアメリカ大使館占拠事件
 奥平純三、日高敏彦、和光晴生ら5人がマレーシア・クアラルンプールのアメリカ大使館等を占拠。米総領事の人質と交換に、日本で拘留中の西川純、戸平和夫ら5人を釈放させた。

1977年9月28日 ダッカ 日航機をハイジャック事件
 丸岡修ら5人が、日航機をハイジャック。バングラデッシュのダッカ空港に着陸させて乗員乗客151人の人質と交換に、日本で在監・拘留中の奥平純三ら6人と現金600万ドル(当時で16億円)をダッカに移送させた。

1986年5月14日 ジャカルタ大使館爆破事件
 インドネシア・ジャカルタの日米両大使館に爆発物が打ち込まれ、同地のカナダ大使館前で車が爆破された同時テロ事件。日米捜査当局は城崎勉を犯人の1人と断定。

1987年6月9日 ローマ事件
 ベネチアサミット開催中の6月9日、イタリアのローマにおいて発生した、米・英両国大使館に向けた爆発物の発射等のテロ事件。イタリア当局は奥平純三らを犯人と断定。

1988年4月14日 ナポリ爆破事件
 イタリアのナポリで米軍クラブ前に駐車中の車が爆破され、米軍人を含む5人が死亡。イタリア当局は奥平純三及び重信房子を犯人と断定。

 どうです、この頃の日本赤軍がやったことと今のアルカイーダとは、どんな違いがあるのでしょうか・・・。日本にも今のアフガンのような時代があったわけですよね。

 


        きんぱこ(^^)v  -kadafi 左手には黄金の指輪


 カダフィが日本の学生にネットで演説したことがあるそうですが、その時に

「これまで日本人を困らせたくないので、話すことを避けてきた。日本は欧米諸国と違い、アフリカ大陸で植民地政策や侵略行為をしなかった」
「国連では、日本は米国に追随してばかり。もっと自由な意思を持たないと いけない」
「広島と長崎に原爆を落とした米国の駐留を認めているのは悲しいことだ。もっとアジアの近隣諸国との友好、信頼関係を重視すべきだ」

「アメリカは残念ながら二回も原爆を落としている。あなたたちの祖父を殺した国とどうして仲良くなれるのか・・・。戦後の日本がアメリカの同盟国になったということが理解できない」

 と言ったそうです。

 また阪神大震災では

「経済力で悪魔(アメリカ)に奉仕してきた日本人に天罰がくだった」

 などと言っており、カダフィはかなり以前から 意外と日本のことを知っていることに私は驚きましたが、ひょっとすると、重信房子から様々な日本の情報を聞いていたのかもしれないと感じました

 カダフィの居た建物の壁には、イギリスと日本が描かれていない世界地図があったそうですが、周りがそんなレベルの日本の知識だったところを見ると、重信とカダフィは直接の交流があったのかもしれません。


        きんぱこ(^^)v  -kadafi 自分の顔の血を確かめるカダフィ


 カダフィはここ数年、というかアメリカの経済制裁以降は、歳のせいなのかわかりませんが丸くなって(と、素直に書いておきます)、パンナム機墜落事故の遺族に補償したり、オバマ大統領を評価したりとかつての敵対者とむしろ親密になりかけていた矢先に死んでしまいました。

 アメリカで行われた国連総会にも出席して、遊牧民だからとテントに泊まり、演説はあきれるほど長い演説で言いたいことを言うだけ言い切りましたが、国連に出ただけでもすごいことだった。


「今までの白人の大統領とは違う、(ブッシュ)前大統領の政策を継承する大統領ではない」

「タリバンが作りたかったのは宗教国家だったのだ。だったらバチカンのように作らせてやればいい。バチカンもわれわれ(ムスリム)にとっては危険な存在だ」
「オバマがずっと執権していればいい。オバマはアフリカの息子であり私の息子でもある」
「ケネディ元大統領の暗殺はイスラエルの陰謀。捜査した方がいい」
「新型インフルエンザは細菌兵器として軍事目的で作り出されたもの」
「アフガン撤退で総撤退する前に兵力を増強して威力を示すのは軍事戦略上の常識だ」
「中国はアフリカ大陸の人々を追い出そうとしている。しかし(アフリカの)石油を守ると言って軍隊を送り込む欧米と比べれば悪くない」

 などなど、この人の言動は本音や真実?も混じった衝撃的なものが多かった。


        きんぱこ(^^)v  -kadafi 自分が重傷であることに気づくカダフィ


 カダフィ射殺は本当は国際法違反になるはずです。

 ブッシュ大統領「カダフィはテロリストで狂犬だ」と怒ったけれども、これらカダフィの言動の中には真実も多かったかもしれませんね。

 重信房子の長女である重信メイは、パレスチナから日本に帰ってきて「難民キャンプでパレスチナ人3000人がアメリカ・イスラエルに惨殺された事実は、何も報じられていない」と言ったそうです。

 重信メイは日本人でもありパレスチナ人でもある立場から、中東を知るジャーナリストとして活躍しています。(重信メイはテロリストではありませんよ)

 私たちは西よりの世界で生きているから、特に中東については情報も少なくて客観的には判断ができません。

 しかし、パレスチナの実情がそうであっても、それがマスコミの操作で日本に伝えられていなくても、日本赤軍のやったことは許せるものではない事だけは事実です。


        きんぱこ(^^)v  -ringo パレスチナ問題と日本赤軍の問題は別です

 カダフィにしても重信房子にしても「狂犬」だった事には変わりはないと思います。


 カダフィの死は、また世界の時代が一つ進んだ・・・ということでしょうか。


        きんぱこ(^^)v  -kadafi 気力が失せてぐったりしだすカダフィ



        きんぱこ(^^)v  -kadafi 遺体は冷凍保存された。