私の書いた物語では熊野詣に行った頼光一行が出会った八咫烏(やたがらす)。
物語では人間の格好をした嘴(くちばし)を持った妖怪のような格好をして、頼光に「山伏に化けて行け」とアドバイスをしていました。
皆さんは八咫烏に対してどのようなイメージがありますか?
現在では、有名な八咫烏は何といっても、Jリーグの協会シンボルマーク 。
真っ黒な鳥(烏?)でなぜか足が3本。
八咫烏について、足が三本あるという記述はどこにも無いらしいがいつも3本描かれる。
この鳥は、神武天皇が天皇になる前に、熊野の道を迷わないように先導してくれた鳥なんです。「古事記」や「日本書紀」にも出てくるそうです。神が使わせた鳥なんだそうです。
について、昔話の詳しいサイトは みくまのネット を見てください。熊野のことならここに行け というほどのサイトです。(^^)
八咫烏(やたがらす)の咫(あた)というのは長さをあらわす単位なんです。尺(しゃく)という単位がありますよね、その0.8倍が咫(あた)です。
長さの単位といっても、円周の長さと関係が深いみたいです。
1尺(約23cm)を直径とすると、円周率を3.2として考えて計算した円周が4咫(あた)になるそうです。
つまり 23cm×3.2=73.6cm 、 4咫(あた)だから 1咫(あた)は 73.6 ÷ 4 = 18.4センチ。
ヤタガラスは八咫だから 18.4センチ × 8 = 147.2センチ。
昨日の私の記事で、平安時代の日本女性の平均身長は140センチほどしかなかったと書きましたが、どうでしょう、147.2センチといえば当時の人間の身長になりますよね。
つまり人間の身長ほどもある大きな鳥(烏?)ということになります。
しかし、もともと咫(あた)は円周を意味するのであれば、ひょっとして胴回りが八咫だったのでしょうか。
そんな、メタボカラスだったら、とても山の中を先導できないだろうから、(神の使いなのに、大体、カッチョワルイわなぁ)こんなカラスではなかったことは確かです。(^^;)
さて、鳥というのは昔の人からみると、唯一上空を自在に飛び回るわけですから不思議だったでしょう。太陽に近いこともあって神の使い、はたまた悪魔の使者などに例えられています。
・サンダーバード(アメリカ)
テレビや映画でもおなじみのサンダーバード。これも神話に出てくる鳥で、羽ばたいて飛ぶと竜巻を生じて泣けば雷のような凄まじい音がして目から稲光を発する鳥だったそうです。
竜巻が多いアメリカだからそういう鳥が神話になったのでしょうか。
・火烏(かう) 中国
中国の鳥です。干ばつの神様らしいんです。太陽を背にして飛ぶと言われていて、おもしろうのが、最初は数羽いたそうなんですが、熱すぎたので打ち落とされて一匹になったそうです。(笑)
この鳥も足が三本あって、八咫烏(やたがらす)と同じだったみたいです。赤い鳥だったらしくて、だから八咫烏(やたがらす)も赤い鳥だったという説もあります。
・大鵬(たいほう) 中国
相撲の横綱、現親方にもおられますね。一飛び9万里も飛ぶといわれている大きな鳥です。「西遊記」にも出てきたそうです。(知らなかった…)
・鳳凰(ほうおう) 中国
中国の神鳥。最高神天帝の使いといわれています。
首の長い鳥で、全長は2m程度。5色の羽根を持っていて、体に仁、義、礼、徳、信の5文字が刻まれています。
・フェニックス エジプト
世界に1羽しか存在しない不死鳥です。その生き血を飲むと不死になれる。500年生きて巣を造りそこで死にます。しかしすぐに雛が生まれてまた500年生きるそうです。この鳥を見たら幸運がもたらせられるという鳥。
・ガルーダ インド
「呑む(グル)」を語源に持つこの神、鳥族の王様で蛇を食うといわれています。有名な鳥。
・モーリアン アイルランド
戦いの女神。ケルト神話の戦いの3女神のひとり。
世界には他にも沢山の神話化された鳥がいます。