竜馬の死。今更ながらこんな題、みんな知ってますよね。
近江屋の写真を見て、私の勝手な想像です。皆さんも想像した事はありますか?
竜馬が暗殺されたのは誰でも知っているでしょう。犯人は見廻組の佐々木唯三郎、という事になっています。今となっては私もそう思っています。
見廻り組は旗本などの次男坊などで組織されていたので、殆ど機能していなかったみたいです。幕末には浪人も雇ったそうですが、その中に佐々木唯三郎という人がいて、凄腕の剣術使いとも、卑怯な男とも言われていたそうです。講武所の剣術教授をしていて、下僕を何人かつれていたそうだから羽振りも良かったみたいです。羽振りの良さを考えると佐々木は幕府おかかえの暗殺者だったのかもしれません。
新鮮組を作った清河八郎も佐々木に殺された。しかし、佐々木は指揮者の立場で実際には手を下してはいない。ただ、佐々木を始めとした組織立った暗殺グループがあったことは確かの様です。
清川にしても龍馬にしても計画的暗殺には違いないのと、佐々木の羽振りがいい事からそう思います。纏まったお金が入るから羽振りがいい。見廻り組といってはいるが、たまたま組織に入っていただけで、れっきとした暗殺グループだったと思います。そんなグループに「必殺仕事人」などという名前があるはずも無いですが。
だから、やれ新撰組だの見廻り組だのと無理に名前を当てはめようとしたのではないでしょうか。
私は冗談っぽいが、必殺仕事人のような組織があったのではないかと思っています。
そう書くとかっこいいけど、相手が龍馬だから心痛い。
竜馬暗殺でも、暗殺現場(河原町通りの三条から四条までの真ん中あたりにあった、醤油の近江屋)に出入りする人物の観察、新撰組の鞘、瓢亭(ひょうてい)のゲタ(新撰組と思わせるためか?)、犯行時の配置(入り口に3人、階段に佐々木、二階に三人)、犯行後に鼻歌を歌って去っていった余裕(中岡の証言)。
(近江屋2階の再現写真)
ご覧の通り、京都の家の二階は蔵になっていて、それを部屋に改造されているので、天井が斜めになっていて低いんです。京都の建物の二階としては普通の部屋。
先ず最初に想像してください。刀は重いし、実際人を斬ろうと思ったら、テレビのチャンバラをイメージしてはいけません。例えて言うならば、ものすごい形相で腰を入れて斜め下から電信柱にバットを叩きつけるイメージでいいと思います。私は剣道と居合いを少しかじった事がありますが、師匠などから聞いた内容を考えると(勿論叩きつけると人は切れないですが)イメージはそんな感じの迫力になると思います。
竜馬と中岡は中央の火鉢を囲んで話しているところに刺客が来た。
刺客は小太刀の達人だったはず。
ここでは長刀は振れません。(長いので柱や天井に当たりまくる)
人を斬るには、腰を入れて刀を思い切り振りぬかないと斬れませんよね。
(勿論私は斬った事がないですが、斧で薪を割るのですら、腰を入れて一撃で振り下ろさないと割れません。斧なら何千個という薪を割ってきました。斧ほど重くは無いですが持った事のある本物の刀は意外と重かったです。)
柱に気を取られては斬れるはずがありません。
(傷つけるんじゃなくて斬り殺すのですから、骨も断ち切る気持ちじゃないと無理です)
一太刀目は刺客は膝立った状態か立って腰を落した状態で抜き打ちざまに横に薙いだ。
(ちょうど刺客の腰と竜馬の頭が同じ高さになるから。)
龍馬も達人ですが、後ろに引いたでしょう。
引ききれずに額を横に斬られます。
龍馬は咄嗟に自分の刀を取ろうと刺客に背を見せて左手で刀を掴みます。
その時に後ろ袈裟懸けに肩から下に斜めに斬られます。
刀を手にした龍馬は、瞬時に立ち上がります。
本能でしょう、立たないと対等に立ち向かえないから。
そして、とっさに刀を逆さまに垂直に立てて鞘を上に向けて抜こうとします。つまり相手の次の太刀が顔めがけて迫ってきていたということ。
鞘を抜く間もなく斬りかかられてきたのでこうなったのでしょうね。
鞘のコジリ(尻)は勢い余って低い天井を突き破ったというからすさまじい勢いと力でその動作に入ったのでしょう。
刀は重いので思い切り振ると体を持ってゆかれます。
刺客は一の太刀において速攻で水平に薙ぎました。腰を落して仮に左から右へ振ります。
(もし左利きなら説明の右左が逆になります)
二の太刀で重心は右足に移ってしまっています。
刀先を反対に返しながら左足を右足側に引いて腰をすえ直して右八双から左下に斬りおろします。
龍馬はとっさに立ち上がったので次の太刀は左に重心を保ったまま左下から思い切り腰を廻して右上に斬り上げます。
龍馬は受け止めました!この時龍馬の鞘は天上を突き破っています。
しかし刺客の刀は、なんと龍馬の鞘を切り、龍馬の刀を斜めに数センチ削り、刃先は再び龍馬の額を深く斬ったというからものすごい勢いと力だったのでしょう。
その後佐々木が来て「もういい、もういい」と言って、刺客は鼻歌を歌いながら去っていった。
これは生きていた中岡の証言。
竜馬はずるずると座り込み、暫くして「わしは、もうだめだ」と言ったまま静かになってしまったそうです。
竜馬は3太刀で即死、中岡は12太刀だがしばらく生きていた。
こんなことは少人数のプロの暗殺グループでないと不可能だと思います。
では、犯人は誰か? 実際に手を下した「十津川藩士」なる人物はいうなれば必殺仕事人でしょうから黒幕が居るはずです。
龍馬が有名になって困るのは誰でしょう・・・私は龍馬と慶喜の橋渡しをした後藤象二郎じゃないだろうかと勝手に想像して楽しんでいます。(^^)上司の吉田東洋暗殺に龍馬始め土佐の郷士を恨んでいたし、いつも新しい事は龍馬に先を越されて慶喜もようやく龍馬という人物を意識し始めた頃だから。
アメリカのマフィアの世界では、殺戮が始まった時に、一体誰が首謀者なのかと聞かれると「最後に残ったボスが首謀者だよ」と答えるそうです。
ケネディー大統領暗殺時代のマフィア抗争で最後に生き残ったのはフロリダのボスであるサントス・トラフィカンテでした。
龍馬はもう少し長生きしてほしかったなぁ。みなさんもそう思っておられるのでしょうか。
NHKの龍馬伝では、どのように表現されるのかが楽しみです(^^)