小説「砂坂を這う蟻2」--15、それぞれの旅-- |         きんぱこ(^^)v  

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      砂坂を這う蟻  たそがれきんのすけ

----それぞれの旅-----


関さんは一人になった。

しかも、並んで立っている女に東洋人はいなくなっていた。

最後になった焦りと恐怖に押されて何度も女性の列を見渡した。

そのとき、額にポッチが付いているインド人が微笑んだ。

関さんは、そこに一瞬母を感じたか

「この人お願いします」

と言った。

女性はうれしかったのか、優しい顔をして歩き出した。

(このひとで、よかった。優しそうだし、これで男になれるのかぁ)

と、その女性の後を追いかけた。

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熊は指名した女と部屋の中に入っていた。



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(おんなやぁ)


「&%$#&$#&」

小柄な女性が何やら細長いゴムを手に持って喋っていた。

日本語ですらなかなかわからない熊には女性の言葉などどうでもよかった。

熊はそそくさと自分の服を脱ぎ始めた。


「’&#’$’$&%$’%&!!」

女はまだ何か言っている。

熊は脱ぎ終わるとベッドに腰かけていた女に抱きついて女の服を脱がせ始めた。

脱がせると言うよりかきわける。

もともと直ぐに脱げる服を来ていた女は直ぐに裸になった。

女はまだ何か言っている。

「○♀仝・・」

「おう、うぉーフガブガ」


熊は構わずに相手の胸にかぶりついた。

とうとう女は諦めてマグロになってしまったが、熊には通用しなかった。


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カズは部屋までは入ったが、失望でため息をついていた。

「日本語わかるか?、・・can you speak english?」(これくらいはわかるぞ、そっちだってわかるだろう)

「ゞ゜§£¢♀」

女は隣の部屋にいる女と壁越しに現地語で話だした。

(はぁ?なんやねんここは、神様は何で俺にこんな試練を与えるわけ?)

「§¢仝〆々♀☆」

「ん?」

棚にはコンドームがあった。新品だ。

カズは身の安全を確認出来て急に好奇心が沸いてきた。

(コンドームか・世界最悪の経験も、あとでなんかの為になるかな)


せっかく金を払うわけだし、こんな経験は二度とないだろう。


カズはゼスチャーで服を脱ぐように女に伝えた。


女はいやそうに服を脱ぎだした。


(うわーたまらんなぁ、こんな女とすんのか・・・。)


胸は垂れ腹は出てやる気は無かった。


それを見て一挙にやる気をなくしてしまった。


「はぁー・・・ほら・・金払うから帰るぞ」


カズは服を着て部屋を出た。


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関さんは裸になって立っていた。


インド女性も裸になり、コンドームをつけるように関さんに渡した。


関さんは分厚いコンドームをもたもた付けて


「よろしくお願いします」


と女性に向かって挨拶をした。


大柄で太ったインド女性は、ベッドに横になり


「&%#&%&$」


と微笑んだ。


関さんはゆっくりと狭いベッドに這い上がり、女の胸に顔をうずめた。


(これがおんなかぁ・・・やわらかいなぁ・・)


「’&$#’$&%」


(俺ももう直ぐ男になるかぁ)


女性が話が通じないので両手で関さんの腰を真ん中に持ってくるように促した。


(ん?そうか、いよいよか)


関さんは、女性の股の間に腰を持ってきて、運命の一瞬を迎えようとした。


「ん?・・・んん?」


場所が良くわからなくて入らない。


「んん・・・」


「&$%#&#」


インド女性は何か話して関さんの物を握って導こうとした。


(おっ・・・・そんなっ・・・早くして!・・・)


関さんも腰を押したので、何とか中に入りかけた。


「うっ・・・うううっ・・・」


入ったとたんに終わってしまった。


関さんはインド女性の上でぐったりがっくりしばらく動かなかった。


「’$#&%$#&%」


インド女性はそんな関さんが正気を取り戻して離れるまで待ってくれていた。


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「うっうっうっうっ・・・・」


熊野腰は動き続けていた。


女性はあきらめて顔を背けてドテッと横たわり、熊が終わるのをひたすら待っていた。


そんなことはどうでもいい熊の腰はだんだん速くなって来た。


「うー・・・」


仕事で筋肉隆々の体にはエネルギーが満ち溢れ、腰はまるで機械のように動き続けた。


「おおおおおおおおーーーー」


とうとう絶頂に達そうとしたその瞬間、勢いあまってスポッと抜けてしまった。


「・・・・・・」


女性はやっと終わったかと思った瞬間、ベッドにぶちまけられたものを見て


「’$#’&$#&!!!」


何か喋りながら熊を押しのけてティッシュで拭き出した。


熊は、何か忘れ物を思い出せないときのような顔をしていたが、思い出したようにお金を女に突きつけて、満足した表情で部屋を出て行った。


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関さんは落ち込んでいた。


(初めてだったのに・・・・・)


力なくインド女性から離れて


「すいませんでした」


と頭を下げた。


「’&$#’$#’%$#’」


インド女性は通じはしなかったが優しく言葉を返してくれた。


(・・・・まあ、とにかく入ったことには変わりないから・・・・男にはなったか・・・)


そう言い聞かせて、お金を払って部屋を出た。


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