たしがれ清兵衛では
真田 広之 や 宮沢りえなどの演技も光るが、
私がかなり印象に残っている名演技は、
清兵衛 の 使用人 直太(なおた)だった。
想像でしかないが、貧乏な武士や、庄屋程度の農民
が、雇う使用人は、直太のような感じだったと思う。
清兵衛も貧乏貧相な服ではあったが、
直太の服はそれの上を行く。
清兵衛の収入は50石。
色々と引かれて、実質30石。
現在の年収で言うと、実質300万円と少し。
時代により差異はあるが、
1石は1両で10万円前後となる。
この収入で、米は買い、娘は二人、
老婆に使用人(直太)。
住んでいる家は借家だろうか・・・。
直太に渡す給料は、ごくわずかだったろう。
しかし、月に25万円というと、驚くことに
現代の国民の平均収入とそんなに変わらない。
服くらいは買えるはずだ。
母子家庭や、離婚して片親になった家庭の収入
ともあまり変わらないだろう。
しかし、使用人を雇う余裕は無いはずだ。
使用人は規則として最低一人は雇わねばならなかったのだろう。
直太の演技をしている人は、神部浩(かんべ ひろし)。
直太の喋り方、動作や走り方、リアクションの取り方。
ものすごくすばらしいと感じたのは私だけだろうか・・。
この人は、「無能の人」にも出ている。
助演男優賞も取っている。
映画であまり話題にならなかったのが不思議に思う。
