娘、しろみちゃん、4歳3ヶ月。
2Eギフテッド(高知能&ASD)とされている。
しろみちゃんはいつも幼稚園のことを楽しそうに話してくれる。
1歳2ヶ月から発語があり1歳半頃から二語文を話していた娘は、まだ「たちつてと」がハッキリ「ちゃちちゅちぇちょ」になるなど幼児発音も残っているが、相変わらずお喋りが達者である。
達者ではあるが、そこは所詮、4歳3ヶ月。
何を言ってるのかよくわからないことも少なくない。
発音がわからないのではなく、説明してくれたものが何なのかわからなかったり、誰が何をしてどうなった状況かわからなかったり、そんなわけないやろとツッコミたくなるような内容だったりする。
4歳3ヶ月なので、大人に伝わるように話すだけの経験、常識がまだないし、空気読めない系ASDなので相手の知りたいことを話そうと気を利かせることは難しく、ひたすら自分の言いたいことを話し続ける。
ある日のこと。
寝る準備を整えて寝室に入り、隣で一緒に寝転がった状態で、しろみちゃんが突然こう言った。
娘∶今日、幼稚園でエカルトマルを作ったの。
私∶エカルトマル?それはなあに?
娘∶そういう形があるの。
私∶へぇ、そうなんだね。
何のことか全然分からない。
眠いと話が通じないことがあるから、何か勘違いしたりしてる?勘違いだとしても、何のことなんだろう?
私∶ママ分からないから、ママの知らないことかもしれないから、ちょっと調べてみるね。
「えかるとまる」と検索するものの、そんな言葉は見つからない。
私∶見つからないなぁ。しろみちゃん、エカルトマルってどういうものなのかわかる?遊びなのか、お話なのか、何かなぁ?
娘∶デカルトマルのお話があったの。
で、ギュギュー!っとやったらデカルトマルになったの。
エカルトマルではなくデカルトマルらしい。
ギュギュー!のところでは、両手をくっつけて握るジェスチャーまでつけてくれた。
デカルトマルで再び検索するものの、それらしき言葉には遭遇できず。
娘∶ギュー!ってやって(手のひら両手あわせてくっつける)、パッ!てやると(パッと手を開く)、デカルトマルの形になるんだよ。
ええ〜〜〜、もう全然分からない!!!
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結局、分からないままで。
そうなんだねぇ、ママの知らないことみたいだね、楽しかった?よかったね、って感じで、はぐらかすことがてきて、そのまま寝かしつけることができたので良かったんだけど。
こんなにも、そもそも何なのか、全然分からないのは初めてかもしれなくて。
謎の玉ねぎとかはあったけど↓
謎は謎のまま、2週間が過ぎた。
一学期の終業式。
娘の持ち帰った荷物の中に、クラス通信があった。
一学期の振り返りで、取り組んだ活動や子どもたちの様子が色々と書かれていた。
その中で、こんな文があった。
「みんな絵の具を使うのが大好きです。
指で押したり、デカルコマニーの技法にもチャレンジしました。
絵の具を乗せた紙を半分に折ってから開くと模様が出来るのを、大喜びで楽しんでいました。」
あー!!
これだぁー!!
デカルトマル、絶対これだー!!
私∶しろみちゃん、デカルトマルじゃなくて、デカルコマニーだって!
前に幼稚園でデカルトマルやったってお話してくれたでしょう?
あれ、デカルコマニーって言うんだって!
おやつを食べていた娘はキョトンとした顔でこちらを見た。
娘∶デカルトマニー?
私∶デカル、コ!マニー。デカルコマニー。
娘∶デカルコマニー?
私∶そう。絵の具たったんだね。絵の具を紙で挟んでギュッとして開くと、絵ができるやつだね。
娘∶デカルトマルじゃなかったねぇ。デカルコマニーだったねぇ。
私∶ママ知らなかったわ。初めて聞いた言葉だわ。
スッキリしたぁー!
デカルトマルの謎が解けた!
確かに、「ギュー!ってやって、パッ!てやると、形になる」でまちがいないわね。
間違ってはいないけれども。
しろみちゃんの説明の中には、「紙」というワードも「絵の具」というワードも、出てこなかった。
やっぱり、必要なキーワードが出てこないんだな。
紙と絵の具が出てこれば、絵の具を紙で挟んで開く…とか検索したら見つかったかもしれないのに。
いや、私の知らない言葉だったし、いずれにせよ正解にたどりつくのは難しかったかもしれないけど。