【心臓移植をする為に】


心臓移植の決断を迫られ、詳細を聞きました。



心臓移植をするにはまずドナーが見つかるまでの間補助人工心臓を埋め込む必要がある為、


それが出来る病院まで低空飛行が可能なジェット機をチャーターし移動する必要があるということ。

(普通の飛行機では気圧で心臓がやられてしまう為)


自分の心臓のみではしっかり動いていない状況だったので、

ジェット機での移動中も足から入れてるバルーンパンピング(心臓の動きを補助する機械)を外すことが出来ないということ。


私くらいの年齢のドナーは比較的見つけやすいが、見つかるまでに2、3年以上はかかること。


そしてそのドナーを待つ間生きていられるかわからないこと。


ドナーが見つかった際は4時間以内に手術をする必要がある為、

心臓移植の出来る病院の近くに引っ越さなければいけないこと。


私は神奈川県に住んでいますが

大阪名古屋の方になる可能性が高いとのことでした。

おそらく大阪大学医学部附属病院になると言われました。



これだけの事を2、3日で決めなければいけないだなんて到底できる気がしませんでした。



自分の死を呆然と考えました。

アレをしておけばよかった
コレをしたかった

色んな後悔と、今まで考えてもいなかったような事が欲として生まれてきます。


将来はいつか好きな人と結婚して
お母さんからお料理を教えてもらって
私もお母さんと同じように強い母親になりたかった

そうその場に居る母に泣いて訴えました。


「出来る、出来るよ・・・」

母も泣きながらそう答えました。




ついこの前まで何事もなく生活していたんです。


仕事をして残業して疲れて帰ってきて、

それでも同棲していた彼とご飯を食べてテレビを観ながら笑って楽しく生活していたんです。


一緒に暮らしていた愛犬と

みんなで寄り添ってベッドで寝る毎日を

そんな当たり前の生活を

ただ当たり前に生きていただけだったのに...



看護師さんは私に

「強く強く、絶対生きてやるって思わなきゃダメ!」

そう言って私の手を握ってくれたけど

私は "生きたい" って思わないと生きていられないの...?