「困っておるようじゃの。手助けが出来るか、このわしで、ん?ん?ん?」
「マ、スター。どうしてここに?」
「お前が思うておることだけがすべてではない、現実のこの広い宇宙ではの。例えば、これを知っておるか?」
「え、なんですかこれ?」
「腹に収めい、いいから。妙案は浮かばんもんじゃ、空腹では。」
「そうですか…うぇ〜っ!まずい!」
「まずいじゃと、それが?贅沢を言うでない。修行者は我慢して食べ、周りのフォースを感じるのじゃ。」
「いやいや、フォースを感じろと言われても。いいですか、まず私はジェダイになる気がない。それに、この年齢では修業をする体力はない。つまり、私にとってこれはただのまずい食いものでしかありません。」
「確かに理にかなっている。」
立ち止まってこちらを見下ろしたのは、眼光鋭い軍人。
「あ、総督。あなたまで…で、今の、論理的ですよね。え、あなたの口から論理的って?あなたの場合論理で部下を従えたのではなく…」
「私への畏怖、か?」
「そ、恐怖ですよね。例の黒装束の方を部下にお持ちでしたし。あ、マスター・クヮ…お気をつけて。」
「ああ、ありがとう。お若いの。」
相変わらず忙しそうだ。今度は、どこでロケだ?
「すまみしぇーん、おにいさーん!」
「俺に話してるのか?悪いが、俺は店員じゃあねえ。」
「あ、すまみせん。ソウネ、ミーの間違いね。そんな無愛想な店員いないね。えーっと…」
まったく、頭のねじが緩んでるどころか、どっかにおっことしちまったんじゃないか。鳩のように首を振って行っちまいやがった。しかし色んな奴が集まるよなこのバーには、時も空間も越えて。
「…あいつもここに連れて来たかった」。
「どういう状況でその言葉が出たんだ?」
正面に腰をおろしたのは、四本の腕を持つ細い金属骨格のドロイド。胸のあたりにぼんやりと光る臓器が不気味だ。
「あ、将軍。いや、…ちょっと、昔を思い出していたんです。よかったらお付き合い願えますか?」
「まあ、よかろう。」
「ありがとうございます。友人、いや、彼女をここに連れてきてやりたかった、と。」
「いつの誰の事か想像もつかん。」
「ですよね。そもそもの始まりは、将軍もご存じのあの逆玉野郎が、今の船をベスピンの執政官から巻き上げた頃のことです。ナブーに定期巡回した帰りに私の船に乗り込んできたのが、防衛軍内部査察官、トワイレック族のミディアニスでした。大きな目、青い肌、家柄の良さを現す三つ編み。そうそう、惑星フェルーシアンで殺されたマスター・アイラ・セキュアと同種族ですよ。あのとき議長の出したオーダーによって、多くのジェダイとともにアイラも亡くなってしまった。」
「ああ、そうであったな。」
「そう、あなたがたには追い風でしたね。とりあえず目の前のたった一人を相手にすればよくなったのだから。ところで彼女、ミディアニスの事ですが、本当はオルディランに行くことになってたらしいんです。ところが、オーガナ議員が断ったのでコルサント、あ、今のインペリアル・センターに配属になったんです。ま、オルディランはあの総督、先ほど挨拶をしましたが、彼に翌年破壊されてしまったから、結果として命拾いをしたってことですけどね。で、上官に対する儀礼として私は彼女を士官用特別室での食事に招待しました。現場の事情をほとんど知らなかった彼女に、艦の中での実際の暮らしとか反乱軍との裏取引とかの話をしたんですが、目を輝かせて『それはどういうこと?』『で、どうしたの?』といろいろ尋ねて来る。新鮮で、嬉しかったですね。」
「ゴホッ、ゴホッ、ゴホッ!」
「大丈夫ですか?実在でなくなった今でも、咳は続いているんですね。話を続けてもよろしいですか?ありがとうございます。コホン。彼女なら、何を話してもすべてを大きく受け止めてやさしく包んでくれるように思えました。それと同時にいとおしさを感じました。この人を護ってやりたい、いや、違うな。愛させてもらいたいと思った、と言うほうが近いですかね。」
「二兎を追うとは馬鹿ものだな。」
「やっぱりそう思われますか。あっちをほっとくなと。」
「あっちとは、どういう意味?」